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ハワイの認知症入院患者、日系人高齢者が多い

 ハワイで認知症と診断され入院している患者を調べたところ、ネイティブ・ハワイアンと日系人の高齢者が多いことが、米国・ハワイ大学のTetine L. Sentell氏らによる調査の結果、明らかにされた。結果について著者は、「ネイティブ・ハワイアンと日系人高齢者集団に対する公衆衛生および臨床ケアにおいて、重要な意味がある」と指摘している。認知症入院患者はそうではない入院患者と比べて、コスト、入院期間、また死亡率が高いが、米国においてこれまでネイティブ・ハワイアンおよびアジア系サブグループの認知症に関するデータは限定的であった。Journal of the American Geriatrics Society誌2015年1月号(オンライン版2014年12月23日号)の掲載報告。

筋骨格系慢性疼痛へのウォーキングは有用?

 英国・クイーンズ大学ベルファストのSean R. O’Connor氏らは、筋骨格系慢性疼痛患者の疼痛や機能に対するウォーキングの効果を検討する目的でシステマティックレビューを行った。その結果、ウォーキングは対照と比較して疼痛や機能の有意な改善と関連していることを明らかにした。ただし、長期的な効果については不明であったとしている。著者は、「筋骨格系慢性疼痛に対する効果的な介入法としてウォーキングが推奨されるが、介入維持を目的とした戦略、ならびに健康に関連した効果に関するさらなる検討が必要」とまとめている。Archives of Physical Medicine and Rehabilitation誌オンライン版2014年12月18日号の掲載報告。

なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか

 抗うつ薬の処方は上昇の一途をたどっており、その原因として長期投与や高用量投与の増加が挙げられる。しかし、高用量処方に関連する患者背景因子については不明のままである。英国・NHS Greater Glasgow and ClydeのChris F Johnson氏らは、うつ病に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の1日投与量と関連する患者背景因子を明らかにするため、プライマリケアにおける横断的研究を行った。その結果、SSRI高用量処方と関連する因子の1つとして、同一抗うつ薬の2年以上の処方が明らかとなったことを報告した。結果を踏まえて著者は、「抗うつ薬の長期使用の増加に伴い、高用量処方の使用はさらに処方の増大に寄与する可能性がある」とまとめている。BMC Family Practice誌オンライン版2014年12月15日号の掲載報告。

境界性パーソナリティ障害+過食症女性の自殺リスクは

 神経性過食症(BN)を併発する境界性パーソナリティ障害(BPD)の女性患者では、自傷行為や自殺未遂との特異的かつ有意な関連がみられることが、Deborah L. Reas氏らによる検討の結果、明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「治療期間中の自殺行為に対するさらなる警戒やモニタリングの重要性、定期的なBNスクリーニングが必要である」と指摘している。BPDにおいて、BNが自傷行為や自殺行為といった生命に関わる行為のリスクをもたらすかどうか、調査した研究はほとんどなかった。Journal of Consulting and Clinical Psychology誌オンライン版2014年12月15日号の掲載報告。

抗うつ薬の新たな可能性、あけび主要成分

 中国・南方医科大学のBao-Fang Liang氏らは、ヘデラゲニン(hederagenin)の抗うつ様効果におけるノルエピネフリンとセロトニンシステムの関与を、予測不可慢性軽度ストレス誘発性(UCMS)うつ病のラットモデルで調べた。その結果、同モデルでの抗うつ効果を確認し、モノアミン神経伝達物質とセロトニン・トランスポーター(5-HTT)mRNA発現を伴う可能性がみられたことを報告した。Pharmaceutical Biology誌オンライン版2014年12月4日号の掲載報告。

ステージIV大腸がんの原発巣切除率が減少、生存率は増加

 近年の効果的な新薬の登場により、ステージIV大腸がんにおいて原発巣切除はすべての患者で必須とはいえなくなっている。米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのChung-Yuan Hu氏らは、米国におけるステージIV大腸がんでの原発巣切除実施と生存率の年次推移を検討した。それによると、1988年にはステージIV大腸がん患者の4人に3人が原発巣切除を受けていたが、2001年を境に切除率の減少が大きくなり、2010年には6割を切っていた。生存率は原発巣切除率の減少にもかかわらず改善した。著者らは「原発巣切除が不要な患者に対しても、いまだ切除が実施されている可能性があり、実際の治療はエビデンスに基づく治療ガイドラインより遅れている」と指摘している。JAMA surgeryオンライン版2015年1月14日号に掲載。

脱毛症の人はあのリスクが上昇

 脱毛症は、冠状動脈性心疾患のリスク上昇と関連し、脱毛症の重症度が高いほど、冠状動脈性心疾患のリスクも上昇する可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のNelson Trieu氏らによる研究で明らかになった。また、脱毛症は高血圧、高インスリン血症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームのリスク上昇、血清総コレステロール値・トリグリセリド値の上昇とも関連が認められた。International journal of cardiology誌2014年10月20日号の報告。

吸わない人のほうが幸福感が大きい

 ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAndrew Stickley氏らは、旧ソ連の9ヵ国のデータを使用し、男性の喫煙率と喫煙関連死亡率の高い集団において、喫煙やニコチン依存と幸福感との関連について検討した。その結果、喫煙は低い幸福感と関連していることが認められ、喫煙が高い幸福感と関連するという見解とは矛盾していた。著者らは「旧ソ連諸国の政策との関連から、喫煙が健康に有害な影響を及ぼすという社会的認識が不足していた。しかし、最近の報告では禁煙を望む人が増えており、禁煙が身体的・精神的な健康につながることを強調することで、今回の知見を公衆衛生の取り組みに生かしていくべき」と指摘している。Tobacco control誌オンライン版2015年1月6日号に掲載。

統合失調症患者のEPSと認知機能の関連は

 カナダ・トロント大学のGagan Fervaha氏らは、統合失調症患者における錐体外路症状(EPS)と、認知障害との関連を調べた。結果、EPSの重症度と認知テストの低スコアとが強く結び付いていることを実証した。EPSは統合失調症における最も一般的な運動障害である。同患者の運動障害は、抗精神病薬を服用していない患者でも認められるが、認知といった疾患のその他の特性との関連については十分に解明されていなかった。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年12月1日号の掲載報告。

双極性障害、ベンゾジアゼピン系薬の使用実態は

 米国・メイヨークリニックのWilliam V. Bobo氏らは、双極性障害研究「Bipolar CHOICE」の結果から、双極I型またはII型障害の外来患者について、疾患の複雑さとベンゾジアゼピン系薬使用について調べた。ベンゾジアゼピン系薬は双極性障害患者に広く処方されているが、同薬使用に最も関与する患者の双極性サブタイプや双極性の疾患面についてはほとんど明らかにされていなかった。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年2月号の掲載報告。

重度アルツハイマー病に心理社会的介入は有効か:東北大

 重度アルツハイマー病に対する心理社会的介入は有効なのか。東北大学の目黒 謙一氏らは、重度アルツハイマー病患者に対する薬物療法に心理社会的介入を併用した際の効果を明らかにするため、介護老人保健施設入所患者を対象に前向き介入試験を実施した。その結果、意欲改善やリハビリテーションのスムーズな導入、および転倒事故の減少がみられたという。著者は、「心理社会的介入の併用治療アプローチは、重度の患者に対しても有用な効果を示した。ただし、より大規模なコホートを用いて再検証する必要がある」と述べている。BMC Neurology誌オンライン版2014年12月17日号の掲載報告。

小児ピーナッツアレルギーは中~高所得世帯で多い

 ピーナッツアレルギーは食物アレルギーを有する小児の約4分の1で認められ、より重篤な反応を示すものの耐性を獲得しにくいこと、また、有病率は人種および世帯収入などにより差があることが、米・ノースウェスタン大学のAshley A Dyer氏らにより報告された。ピーナッツアレルギーは最も一般的な食物アレルギーの1つであるが、小児の一般集団における包括的な疫学調査は行われていなかった。Allergy and asthma proceedings誌2015年1月掲載の報告。

うつ病のリスク遺伝子判明:藤田保健衛生大

 藤田保健衛生大学の島崎 愛夕氏らは、大うつ病性障害(MDD)のリスク遺伝子を明らかにするため、遺伝子と外的環境との相互作用を考慮に入れた解析を実施した。その結果、双極性障害(BD)に関連する一塩基多型(rs7296288、DHH下流の12q13.1領域)とMDDのうつ症状との間の有意な関連を報告した。PLoS One誌2014年12月17日号の掲載報告。

レビー小体型認知症は日中の眠気がアルツハイマー型より多い傾向

 アルツハイマー型認知症(AD)と比べてレビー小体型認知症(DLB)のほうが、日中の過剰な眠気がみられる患者が、より多いとみられることが、米国・メイヨークリニックのTanis J Ferman氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、レビー小体型認知症の日中の過剰な眠気は、既知の一般的な問題として報告されていたが、アルツハイマー型認知症患者と比較した検討は行われていなかった。Alzheimer's Research & Therapy誌2014年12月10日号の掲載報告。  研究グループは、AD患者とDLB患者を比較して、夜間連続睡眠と日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた。DLB患者61例、AD患者26例に、夜間睡眠ポリグラフ検査を実施した。また、そのうちDLB患者32例、AD患者18例に日中、反復睡眠潜時検査(Multiple Sleep Latency Test:MSLT)を行った。DLB患者の20例について、神経病理学的検査を行った。  レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症を比較して日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた主な結果は以下のとおり。

統合失調症、ビタミンD補充で寛解は期待できるか

 ビタミンD欠乏症は、統合失調症の発症に関与する病因の1つである。多くの統合失調症研究において、血清ビタミンD値が低い症例が報告されているが、疾患活動性と血清ビタミンD値との関連性は明らかになっていなかった。トルコ・Ankara Numune Egitim ve Arastirma HastanesiのRabia Nazik Yuksel氏らは、統合失調症とビタミンD欠乏症との関連を明らかにするため、寛解期および急性期の統合失調症患者の血清ビタミンDレベルを健常対照と比較検討した。その結果、急性期統合失調症患者の血清ビタミンD値は、寛解期の患者および健常対照に比べ有意に低いことを報告し、急性期統合失調症とビタミンD欠乏との関連を示唆した。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2014年12月号の掲載報告。