医療一般|page:263

ペムブロリズマブと化学療法の併用、進行・再発食道がん1次治療に国内承認申請/MSD

 MSDは、2020年11月30日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル)との併用療法において、根治切除不能な進行・再発の食道癌に対する1次治療としての製造販売承認事項一部変更を承認申請したと発表。  今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんの1次治療として、キイトルーダと化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル)との併用療法をプラセボ+化学療法と比較した、第III相KEYNOTE-590試験の結果に基づくもの。この試験でペムブロリズマブ併用療法群は化学療法に比べ、有意な延長を認めている。

姉の乳がん発症年齢で、妹の発症リスクも高まる可能性

 姉が乳がん歴を有する場合、妹の乳がんスクリーニングにおいてはその発症年齢を考慮する必要がある可能性が示唆された。米国・国立環境衛生科学研究所のAnn Von Holle氏らが、2万例を超える姉妹コホートの前向き研究結果を、International Journal of Epidemiology誌オンライン版2020年11月28日号に発表した。  著者らは、2万3,145人の姉妹コホートを前向きに調査し、乳がん歴のある姉の診断時の年齢前後でその妹の乳がんリスクが変化したかどうかを調べた。Cox回帰モデルの年齢依存性共変数を使用して、参加者がその姉の診断年齢に近い場合の乳がん発症のハザード比を、姉が全く異なる年齢で診断された同年齢の女性と比較して推定した。

ラムシルマブの30分投与、国内承認/日本イーライリリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、すべての適応に対する投与時間短縮に係る承認事項一部変更承認を取得した。  この承認は、ラムシルマブにおける既承認のがん種等を対象に実施された国内外の臨床試験で得られ たラムシルマブの薬物動態及び母集団薬物動態モデルを用いたモデリング&シミュレーションに基づいたもの。

高リスク多発性骨髄腫、バックボーンレジメンへのダラツムマブ追加/JAMA Oncol

 多発性骨髄腫(MM)バックボーンレジメンへのダラツムマブの追加投与は、細胞遺伝学的に定義された高リスクMM(HRMM)の治療においても有益なのか。米国・アラバマ大学のSmith Giri氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析の結果、新規診断または再発あるいは治療抵抗性のHRMM患者において、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが示されたという。バックボーンMMレジメンへのダラツムマブの追加投与は、奏効率およびPFSを改善することは知られていた。JAMA Oncology誌オンライン版2020年9月24日号掲載の報告。

ラムシルマブとエルロチニブまたはゲフィチニブとの併用、非小細胞肺がんに国内承認/リリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する 用法及び用量の追加に係る承認事項一部変更承認を取得した。  用法及び用量の追加の承認は、国際共同第1b/III相試験であるRELAY試験から得られた有効性及び安全性に基づいている。

機能性消化管疾患診療ガイドライン2020―新薬・エビデンス続々、心理的ケアの認知高まる

 4人に1人―、これがわが国の機能性消化管疾患の現状と見られている。機能性消化管疾患は、過敏性腸症候群(IBS)のほか、IBS関連疾患群(機能性便秘、機能性下痢、機能性腹部膨満)を含む。中でも、IBSは消化器内科受診者の約3割を占めるという数字もあり、社会的関心は確実に高まっている。今年6月に発刊された『機能性消化管疾患診療ガイドライン2020』(改訂第2版)は、2014年の初版以来の改訂版。新薬に加え、既存製剤についてもエビデンスの蓄積により治療可能性が広がっているほか、疾患研究の進展により、病態に関与する生物学的要因や心理社会的因子などを総合的にとらえる概念としての「脳腸相関」の重要性がさらに明確になったことを裏付ける項目もある。ガイドライン作成委員長を務めた福土 審氏(東北大学行動医学分野・心療内科)に、改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。

統合失調症における抗精神病薬治療と抗うつ作用~メタ回帰分析

 統合失調症の陽性症状改善には、抗精神病薬が有用である。しかし、抗精神病薬の抗うつ効果および統合失調症の他の症状への影響については、よくわかっていない。福島県立医科大学の三浦 至氏らは、抗精神病薬の抗うつ効果が統合失調症の特定の症状に対する有効性と関連するかについて検討を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2020年11月5日号の報告。  成人統合失調症患者を対象として抗精神病薬の抗うつ効果を検討したランダム化二重盲検試験(RCT)を、電子データベースより検索した。ベースラインからの抑うつ症状の平均変化量についてメタ解析を実施し、他の症状への影響を調査するためメタ回帰分析を行った。

新型コロナ、感染6ヵ月後も抗ウイルス抗体・中和抗体を保有/横浜市立大

 『新型コロナウイルス感染症回復患者専用抗体検査PROJECT』を立ち上げていた横浜市立大学の山中 竹春氏率いる研究グループは、12月2日に行った「新型コロナウイルス感染 6ヵ月後における抗ウイルス抗体保有および中和抗体保有調査に関する中間報告」の記者会見で、感染症回復者のほとんどが6ヵ月後も抗ウイルス抗体および中和抗体を保有していることを明らかにした。  日本初の国内最大規模の回復者データに基づく本研究は、COVID-19 回復者の一定期間後の追跡調査として『コロナ回復社専用抗体検査PROJECT』で参加者を募集。8~9月に617名の参加希望者が集まり、そのうち10月26日までに採血して検体測定を完了した376例のデータを解析した。今回の中間報告では、抗体保有率のほか、COVID-19回復者のうち、酸素投与を要した中等症・重症例のほうが軽症例よりも中和活性が高い傾向であることも示唆された。

非小細胞肺がん1次治療、3種の二ボルマブ関連併用療法が国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年11月27日、ニボルマブとイピリムマブについて、「切除不能な進行・再発の 非小細胞肺がん」の効能又は効果に対して、以下の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 (1) ニボルマブとイピリムマブとの併用療法 (2) ニボルマブとイピリムマブおよびプラチナダブレット化学療法との併用療法 (3) ニボルマブとプラチナダブレット学療法との併用療法

リキッドバイオプシー検査、ドライバー遺伝子変異では8割の一致率/日本肺癌学会

 液性検体(血漿や尿など)を検査等に利用する、リキッドバイオプシーの医療現場での普及が急速に進んでいる。がん治療においては、低侵襲で簡便な検査による早期発見や組織採取が難しい部位のがんでの診断等に応用が期待される。  こうした状況を背景に、11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では「リキッドバイオプシーの可能性」と題したシンポジウムが開催された。この中で、国立がん研究センター東病院の善家 義貴氏は「リキッドバイオプシーの有効性に関する前向き観察研究(LC-SCRUM-Liquid)」について、最新情報を共有した。

日本初の原発性腋窩多汗症治療薬が登場

 2020年11月20日(金)に科研製薬株式会社主催のオンラインプレスセミナーが開催され、東京医科歯科大学皮膚科 主任教授の横関 博雄氏から腋窩多汗症の最新治療について語られた。  横関氏は9月に承認されたソフピロニウム臭化物について、「日本初の原発性腋窩多汗症治療に対する外用薬であり、同疾患で初めて保険適用となった薬剤である。副作用も少なく治療の第1選択として期待できる」と述べた。  従来の薬物療法は効果も限定的で副作用が多く、患者さんのQOL低下につながることもあったが、本薬剤の登場により、治療選択の幅が広がることが期待される。

統合失調症スペクトラム障害患者における自閉症症状と自己スティグマの関連

 自己スティグマは、精神疾患患者の自尊心、QOL、自己効力感、治療アドヒアランス、寛解に悪影響を及ぼすことが知られている。自己スティグマに影響する性格特性を明らかにすることができれば、自己スティグマのマネジメントに役立つ情報が得られる可能性がある。これまでのメタ解析では、統合失調症患者は、健康対照者と比較し、自閉症スペクトラム指数(AQ)スコアが高いことが示唆されている。しかし、統合失調症スペクトラム障害患者における自閉症症状と自己スティグマとの関連はよくわかっていない。東北大学の小松 浩氏らは、この関連を明らかにするため、検討を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2020年10月29日号の報告。

SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野

 選択的SGLT2阻害薬フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)について、標準治療を受けている慢性心不全に対する追加承認を、2020年11月27日に取得したことをアストラゼネカと小野薬品工業が発表した。慢性心不全治療薬として国内で最初に承認されたSGLT2阻害剤となる。本承認は、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)を対象とした第III相DAPA-HF試験の結果に基づく。添付文書の「効能又は効果に関連する注意」には、左室駆出率が保たれた慢性心不全(HFpEF)における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、HFrEFに投与する旨、記載されている。

約6割が第3波の原因はGo to関係と回答/アイスタット

 冬の到来を迎え新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、いわゆる「第3波」への対応が早急に模索されるとともに、全国的な感染患者、陽性者の増加が懸念されている。  株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀保夫)は、11月24日に「COVID-19 第3波に関するアンケート調査」を行った。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”に登録している会員で20歳以上の会員300人を対象に調査を実施したもの。  同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。

感染経路が不明なCOVID-19症例は診断が遅れやすい/日本での調査

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の診断の大きな遅れ(long diagnostic delays:LDD)は、その後の患者隔離の効果が減少する可能性がある。わが国では当初、軽症の場合は発症から4日間待機という基準が示されたことから、茨城県土浦保健所の緒方 剛氏らは、曝露経路が不明なCOVID-19症例ではLDDが大幅に増加したと想定し、COVID-19症例のLDDの割合と曝露経路検出の関連を調査し報告した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌オンライン版2020年11月21日号に掲載。

統合失調症スペクトラム障害の急性期入院患者に対する心理学的介入~メタ解析

 統合失調症スペクトラム障害患者へ心理的介入を実施するうえで、精神科急性期病棟に入院している期間は重要である。しかし、この期間での心理的介入効果は明らかになっていない。英国・ロンドン大学シティ校のK. Barnicot氏らは、精神科急性期病棟に入院している統合失調症スペクトラム障害患者に対する心理的介入について評価を行うため、メタ解析を実施した。Clinical Psychology Review誌オンライン版2020年10月17日号の報告。  統合失調症スペクトラム障害患者を対象に精神科急性期病棟で実施された心理的介入のランダム化比較試験(RCT)を、Embase、Medline、PsycInfoのデータベースよりシステマティックに検索した。群間における介入後のアウトカムの比較およびフォローアップ時の再発・再入院率を明らかにするため、変量効果メタ解析を実施した。

家族構成とうつ病との関係

 配偶者またはパートナーや子供の人数などの家族構成と生涯うつ病有病率との関連を、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのAlexandros Giannelis氏らが調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年10月10日号の報告。  中高年を対象としたプロスペクティブ研究であるUKバイオバンクのデータを使用した。生涯うつ病は、フォローアップ時のメンタルヘルス関連の質問票の一部を用いて評価した。家族構成とうつ病との関連は、ロジスティック回帰を用いて推定した。うつ病の多遺伝子性リスクスコア(polygenic risk score)を含む社会的、人口統計学的およびその他の潜在的な交絡因子で調整を行った。

研修医は総合診療科も研修したほうがいい

 近年、医師の初期臨床研修において総合診療領域は重要視されている。実際、総合診療科(GM)を研修ローテートした研修医の臨床能力はどの程度向上するのだろう。順天堂大学医学教育研究室 西崎 祐史氏らは、全国の臨床研修施設で調査を行い、初期臨床研修医の基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)のスコアとGMローテートとの関連性を評価した。  本研究は、2016~18年にJAMEP基本的臨床能力評価試験を受験した初期研修医1万1,244人を対象とした多施設共同横断研究である。  研究方法として、教育環境(病院情報を含む)とGM-ITE総合スコアとの関連をマルチレベル分析にて評価した。

手洗い・マスク着用、一般市民は何割が実施?/感染症に関する意識・実態調査

 日本感染症学会(理事長:舘田 一博)と日本環境感染学会(理事長:吉田 正樹)は、感染症予防連携プロジェクト「FUSEGU2020」の活動として「感染症に関する意識・実態調査」と題し、首都圏に住む20~60代の男女1,000名を対象としたアンケート調査を実施。その結果、感染症予防の基本対策(手洗い、マスクの使用、手の消毒)を多くの人が実施し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を機にほかの感染症に対する関心が高まった人が6割以上に上ることが明らかとなった。

みんパピ! HPVワクチン説明補助フライヤーを無料配布

 一般社団法人HPVについての情報を広く発信する会-みんなで知ろう!HPVプロジェクト(通称みんパピ!)が11月17日に厚生労働省記者クラブで記者発表を行った。  同団体は8月から実施したクラウドファンディングで約2,600万円の資金調達を達成。その後の活動としてHPVワクチン説明補助用フライヤーの無料配布開始を報告した。  フライヤーは、小児科医をはじめとしたかかりつけ医がHPVワクチンについて説明をしやすいよう、同団体の事前アンケートに基づいて設計されている。