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小児のアトピー性皮膚炎、重症例で白内障のリスク増加

 小児のアトピー性皮膚炎(AD)患者における白内障の発症リスクに関するデータは不足している。韓国・ソウル大学のHyun Sun Jeon氏らは10年間にわたり集団ベースの後ろ向きコホート研究(縦断研究)を行った。その結果、白内障の絶対リスクはADの有無にかかわらず非常に低かったが、ADを有する小児は手術を要する白内障のリスクが高く、とくに重症の場合は白内障の発症と白内障手術の両方のリスクが高まる可能性が示唆された。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年6月7日号掲載の報告。

カフェインの早期曝露と喫煙やアルコール使用障害との関連

 小児・思春期でのカフェイン摂取は、悪影響を伴うにもかかわらず、中学生の間で広まっている。横断的研究によると、カフェイン摂取と他の物質使用障害との関連が明らかになっている。しかし、カフェイン摂取によって物質使用障害に対する脆弱性が高まる可能性については、プロスペクティブな調査が行われていない。米国・ウエストバージニア大学のAlfgeir L. Kristjansson氏らは、ベースライン時のカフェイン摂取は、アルコール摂取、酩酊、喫煙、電子タバコ使用の増加と正の相関があるとの仮説を検証した。Addiction誌オンライン版2018年4月30日号の報告。

メポリズマブは難病EGPAの治療を変えるか

 2018年6月6日、グラクソスミスクライン株式会社は、同社のメポリズマブ(商品名:ヌーカラ)が、5月25日に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(以下「EGPA」と略す)の適応追加の承認を取得したことを期し、本症に関するメディアセミナーを都内で開催した。  セミナーでは、EGPAの診療概要ならびにメポリズマブの説明が行われた。

扁平上皮肺がん、ペムブロリズマブ+化学療法でPD-L1発現問わずOS、PFS改善(KEYNOTE-407)/ASCO2018

 転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、ペムブロリズマブ単剤治療は、PD-L1発現50%以上において、化学療法と比較して、有意に全生存期間(OS)を延長した。この有効性は扁平上皮、非扁平上皮ともに認められている。一方、ペムブロリズマブと化学療法の併用は、PD-L1発現状況にかかわらず、化学療法単独に比べ、有意なOS延長効果が認められている。この有効性が確認されているのは非扁平上皮においてのみであり、扁平上皮がんにおける、ペムブロリズマブと化学療法の併用の評価は次の課題といえる。

EGFR変異陽性NSCLCへのエルロチニブ、ベバシズマブ併用でOS 4年(JO25567)/ASCO2018

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるエルロチニブ+ベバシズマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが、第II相試験JO25567のこれまでの解析により確認されている。同試験の生存追跡調査結果を、国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科の山本 昇氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。

日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方率に関する研究

 児童・思春期における注意欠如多動症(ADHD)の有病率は、地域差が小さいが、ADHD治療薬の処方率には、大きな地域差があるといわれている。薬剤処方の地域差を理解することで、潜在的に過剰または過小な処方の状況に関する示唆が得られる。しかし、日本人におけるADHD治療薬の処方率についてはよくわかっていない。医療経済研究機構の奥村 泰之氏らは、日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方、新規処方、継続率を明らかにするため、調査を行った。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2018年5月28日号の報告。

進行肺がんへのアテゾリズマブ単剤療法、効果予測因子としての血中TMBの値は?(B-F1RST)/ASCO2018

 非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)2次治療におけるアテゾリズマブ単剤療法の有効性を評価した2つの無作為化試験(第III相OAK試験、第II相POPLAR試験)において、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルの患者で、PFSのベネフィットが大きいことが確認されている。血液中のTMB(bTMB)がアテゾリズマブの効果予測因子となりうるかについて評価したB-F1RST試験の中間解析結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、米国・クリーブランド・クリニックのVamsidhar Velcheti氏により発表された。

吸入薬の使い方、効果発現の要は舌を下げること

 気管支喘息治療の根幹はステロイド薬を中心とした吸入薬であり、正しい吸入操作を行うことが必要不可欠である。今回、藤田保健衛生大学の堀口 高彦氏らは、吸入デバイスの操作だけでなく、目に見えない口腔内の状況、とくに舌に焦点を当て、吸入薬使用時の望ましい舌の位置について検討を行った。その結果、舌を下げて吸入薬の通り道をつくることで、より多くの薬剤が咽頭に到達し、気管方向に流入していく様子が確認できた。舌が吸入薬の流入経路の妨げにならないよう、舌と舌根をなるべく下げ、喉の奥を広げるよう患者に指導することが望ましい。今回の結果は、The journal of allergy and clinical immunology:In practice誌2018年5~6月号に掲載された。

思春期の双極I型障害における睡眠変動と衝動性の関連

 睡眠障害と衝動性は、双極性障害(BD)の経過を予測する重要な因子である。睡眠障害は衝動性を強めることが示唆されており、これら2つの要因が、BDにおいてどのような相互作用を有するかについての研究は、あまり行われていない。思春期は、BD発症において非常に重要な時期であり、衝動性の増大や実質的な睡眠の変化と関連することが多い。米国・スタンフォード大学のAnda Gershon氏らは、睡眠障害が思春期の衝動性を高めること、その作用がBD患者においてより顕著であるとの仮説の検証を試みた。Bipolar disorders誌オンライン版2018年5月20日号の報告。

RSV感染症はインフルエンザよりも怖い?

 2018年6月7日、アッヴィ合同会社は、RSウイルス(RSV)感染症メディアセミナーを都内で開催した。RSV感染症は、2歳までにほぼ100%が初感染を経験するといわれており、乳幼児における呼吸器疾患の主な原因(肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%)として報告されている。セミナーでは、「乳幼児の保護者は何を知らなければいけないか? 変動するRSウイルスの流行期とその課題と対策」をテーマに講演が行われた。

EGFR変異肺がん1次治療、ゲフィチニブと化療併用でPFS、OSともに延長(NEJ009)/ASCO2018

EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療においては、EGFR-TKIと化学療法を十分に使用することで、さらなる全生存期間(OS)の改善が期待できると考えられる。NEJ005試験では、ゲフィチニブとカルボプラチン+ペメトレキセドの併用が有効性を示した。とくに、両者の逐次使用に比べ、同時使用は、30.7ヵ月に対し、41.9ヵ月とOSを改善した。