統合失調症患者の入院、1日の気温差が影響 気候変動の重要な指標である気温の日較差(DTR)は、健康に対する気温変動性の影響を評価するために使用されることが増えている。しかし、統合失調症に対するDTRの影響は、あまりわかっていない。中国・安徽医科大学のDesheng Zhao氏らは、DTRと統合失調症の入院との関連、さらに患者特性や試験期間によりこれらの関連が変化するかを検討した。The Science of the total environment誌オンライン版2016年6月16日号の報告。
wide QRS頻拍への対応、プロカインアミド vs. アミオダロン 血行動態が保たれた心室頻拍の患者に対してはプロカインアミドとアミオダロンの静脈注射が選択肢となるが、どちらを使用するかについてはガイドラインでさえも明示していない。Mercedes Ortiz氏らは、血行動態の保たれたQRS幅が広い頻拍(心室頻拍の可能性が高い)に対するプロカインアミドおよびアミオダロンの有効性と安全性を評価するために、多施設共同無作為化非盲検試験を実施した。スペインからの報告で、European Heart Journal誌オンライン版2016年6月28日号に掲載された。
FDAが生体吸収性ステント承認 米国食品医薬品局(FDA)は2016年7月5日、冠動脈疾患治療に対する初の完全生体吸収性ステントを承認した。Abbott Vascular社のAbsorb GT1生体吸収性スキャフォールドシステム(BVS)は、瘢痕組織の成長抑制のためにエベロリムスを溶出し、約3年間で徐々に体内に吸収される。
抗うつ薬治療患者に対するベンゾジアゼピン投与の安全性は:藤田保健衛生大 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、抗うつ薬治療うつ病患者におけるZ薬補助療法の有効性や忍容性に関する包括的なメタアナリシスを行った。European archives of psychiatry and clinical neuroscience誌オンライン版2016年6月18日号の報告。
糖尿病薬の心血管アウトカム試験をどう読むか?ADAハイライトより ノボノルディスクファーマ株式会社は6月27日に都内にて2016年米国糖尿病学会(ADA)ハイライトセミナーを開催し、関西電力病院総長/関西電力医学研究所所長の清野 裕氏が「糖尿病治療の流れと最適な治療薬の選択を考える」をテーマに講演した。ADA 2016でとくに注目を集めたトピックとして、「最適な2型糖尿病の管理を目指して新しい糖尿病治療薬をどのように使うか」「糖尿病治療薬の心血管系への影響(大規模心血管アウトカム試験の結果から)」が紹介され、それらを中心に同氏が解説した。
授乳中の気分安定薬は中止すべきか 母乳哺育の乳児における気分安定薬の安全性について、トルコ・ネジメッティン・エルバカン大学のFaruk Uguz氏らが検討を行った。Bipolar disorders誌2016年6月号の報告。
日本人未成年者のぶどう膜炎の臨床的特徴 若年者のぶどう膜炎の多くは、両眼性であり、全身性疾患との関連はないことが、東京の3次医療施設における調査で示された。杏林大学の慶野 博氏らが、杏林アイセンターを受診した20歳未満のぶどう膜炎若年患者の臨床的特徴、全身疾患との関連、治療および視力予後を分析したもの。眼炎症のコントロールに全身療法を要した患者は5分の1のみで、視力予後はほとんどの患者で良好であった。
統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大 ドパミン仮説に従って、ドパミンD2受容体(DRD2)の遺伝子についていくつかの研究が行われている。しかし、利用できるDRD2のトライトバイオマーカーはない。愛媛大学の吉野 祐太氏らは、白血球におけるDRD2上流領域におけるメチル化率について、統合失調症患者と対照健常者で異なっているかを検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年7月6日号の報告。
NPO法人「ヘルスケアリーダーシップ研究会」が2016年度メンバーを募集 【7月16日説明会のご案内】 NPO法人「ヘルスケアリーダーシップ研究会(IHL)」は、医療・ヘルスケアの未来を変革しようとする志を持つ、医師・看護師、介護従事者、IT・製薬企業、官僚などを対象とした1年間のリーダーシップ醸成プログラムである。各界のヘルスケア分野に携わる人たちが、選りすぐりの著名講師や仲間たちとリーダーシップを磨く、学びと研鑽の場である同研究会では、このたび2016年度(第8期)の新規メンバーの募集に伴い、7月16日に説明会を開催する。
ジカウイルス感染症では熱よりも発疹 昨年、社会的に話題となった「ジカウイルス感染症」について、国立国際医療センターが6月29日にメディア向けにセミナーを開催した。セミナーでは、山元 佳氏(国立国際医療センター 国際感染症センター)が、本症の最新知見と今夏の予防策について講演を行った。
認知症になりやすい職業は 認知症や認知機能障害は、高齢者において有病率の高い疾患である。そのため、これらに関連する潜在的に修正可能なリスク因子を確認することが重要である。認知症のリスク因子として、生涯を通して従事した職業が関連している可能性がある。スペイン・サラゴサ大学のAna Cristina Gracia Rebled氏らは、高齢者における生涯従事した主な職業と認知症や認知機能障害との関連を分析した。Revista espanola de salud pública誌2016年6月21日号の報告。
双極性障害患者の脳灰白質はどうなっている 統合失調症、双極性障害、その他の精神神経疾患でみられる精神症状の神経生物学的基盤はいまだによくわかっていない。過去10年で、核磁気共鳴画像(MRI)の多くの研究において、異なる精神医学的症候群患者と健康成人対照者との間に、局所灰白質容積の差が認められている。しかし、これら症候群でみられる症状に焦点を当てた研究はほとんどない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のCarl Johan Ekman氏らは、精神病の既往歴のある/ない双極性障害患者および健康成人を対象として、精神疾患と灰白質容量との関連を検討した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2016年6月11日号の報告。
刺身や焼き魚は高尿酸血症になりやすい? わが国の成人において、生の魚や焼き魚の摂取量が高尿酸血症リスクの増加に関連するが、煮魚やフライでは関連がみられないことが、東北大学の永富 良一氏らのグループによる3年間の追跡調査において示された。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2016年5月28日号に掲載。
東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 東日本大震災、とくに福島第一原子力発電所の事故は、住民だけでなく救援労働者にも深刻な心理的影響を与えている。公務員はストレスの高い状況で長期的な救済に非常に有用な役割を担っているが、彼らの精神医学的な特徴については明らかになっていない。福島県立医科大学の前田 正治氏らは、診断インタビューを用い、被災地で働く公務員のうつ病やPTSDの有病率を調査し、彼らの精神状態に影響を及ぼす心理社会的要因を推測した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年6月9日号の報告。
統合失調症の自殺企図、小児期のトラウマが影響 統合失調症スペクトラム障害患者における生涯自殺企図に対する小児期のトラウマの影響について、カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのAhmed N Hassan氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年5月25日号の報告。
予後が改善されつつある難病LAL-D アレクシオンファーマ合同会社は、6月23日都内において、5月25日に発売されたライソゾーム酸性リパーゼ欠損症治療薬「カヌマ点滴静注液20mg」[一般名:セベリパーゼ アルファ(遺伝子組み換え)]に関するプレスセミナーを開催した。「ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症」(以下「LAL-D」と略す)は、遺伝子変異が原因でライソゾーム酸性リパーゼという酵素活性が低下または欠損することで発症するまれな代謝性疾患であり、患者の多くが肝硬変から肝不全、死亡へと至る予後不良の希少疾患である。セミナーでは、本症の最新知見について2人の研究者が講演を行った。
自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較 自閉症スペクトラム障害(ASD)とADHDは、しばしば併存する神経発達障害である。社会的状況、適応機能、実行機能の処理が欠損しているため、いずれか単独の患者よりも併発している患者ではより重篤な障害がみられる。イタリア・メッシーナ大学のMarco Lamberti氏らは、ASDとADHDを併発する患者に対し、ADHD症状を治療するためのリスペリドンおよびアリピプラゾールの有効性、忍容性を評価し、比較することを目的とした24週間のオープンラベルパイロット試験を行った。Paediatric drugs誌2016年8月号の報告。
高齢者の「噛む力」と死亡リスク 70歳時の最大咬合力は、日本人高齢男性における全死因死亡率と独立して関連することが、新潟大学の岩崎 正則氏らによる研究で明らかになった。この研究データは、口腔機能と高齢者の健康との関連についての追加エビデンスになりうる。Journal of oral rehabilitation誌オンライン版2016年4月15日号の報告。
統合失調症への抗うつ薬追加は有益なのか 統合失調症治療において、抗精神病薬に抗うつ薬を追加した際の安全性および有効性をドイツ、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学のBartosz Helfer氏らが検討を行った。The American journal of psychiatry誌オンライン版2016年6月10日号の報告。
喘息の発症時期、早いほうがより重症? 小児発症喘息と成人発症喘息を比較した場合、小児発症喘息のほうが成人期の肺機能への影響が大きいことが、オーストラリア・メルボルン大学のTan DJ氏らにより報告された。Thorax誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。