抗精神病薬の治療域、若年者と高齢者の差はどの程度か
高齢統合失調症(LLS)患者は抗精神病薬による有害反応の影響を受けやすく、治療ガイドラインでは抗精神病薬の低用量を推奨している。しかし、LLS患者における最適な投与量、それに関連するD2/3R占有率については研究がほとんど進んでいなかった。カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのGraff-Guerrero A氏らは、LLS患者における抗精神病薬減量後のドパミンD2/3受容体(D2/3R)占有率の変化と臨床効果、血中プロラクチンおよび抗精神病薬濃度などを評価した。その結果、臨床的安定と関連するD2/3R占有率の最低値は50%で、D2/3R占有率が60%を超えると錐体外路症状(EPS)が起こりやすいことを明らかにした。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年7月1日号の掲載報告。