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仏サノフィとジョスリン糖尿病センターが提携、糖尿病の新薬開発へ

フランス、サノフィ社とハーバード大学医学部付属の教育研究機関であるジョスリン糖尿病センターは19日(現地時間)、糖尿病と関連疾患の治療に向けた新薬開発を促進する新たな研究提携契約を締結したことを発表した。今回の提携は、米国マサチューセッツ州ボストンで開催された2012年バイオ国際会議(Bio International Convention)において発表されたもの。サノフィ・アベンティス株式会社が29日に報告した。

乾癬とアトピー性皮膚炎患者に対する教育プログラムは治療に影響を与えるのか?

標準治療に加えて、治療に何らかの影響を与えるような患者教育の実施は、皮膚科領域では比較的新しい概念である。ベルギーのゲント大学病院のBostoen氏らは、乾癬またはアトピー性皮膚炎患者の重症度やQOLに対して12週間の教育プログラムがどのような影響を与えるかを調べるため、無作為化試験(RCT)を実施した。単独施設におけるRCTではあるが、今回実施したような教育プログラムは長期にわたる乾癬治療において付加価値をもたらすことが示唆された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年6月18日号の報告。

BDI-IIのカットオフ値で増加する青年期うつ病を早期発見

 近年、わが国におけるうつ病患者数は増加の一途をたどっている。とくに、青年期のうつ病が増えており、日本人の青年は諸外国と比較しうつ病になりやすいとも言われている。うつ病の評価尺度としてベック抑うつ評価尺度(BDI)が汎用されているが、青年期のうつ病の早期発見に有効かどうかは明らかになっていない。Pietsch氏らはBDI-Second Edition(BDI-II)やBDI -Fast Screen(BDI-FS)が青年期うつ病の早期発見に有効かどうかについて検討を行った。Psychother Psychosom Med Psycholオンライン版2012年6月21日付の報告。

東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして“第27回日本老年精神医学会”

2012年6月21、22の両日、埼玉県さいたま市にて、第27回日本老年精神医学会(大会長:埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック 深津 亮氏)が開催された。本学会のテーマは「エイジズムを超えて希望ある高齢社会へ」である。昨年の東日本大震災では東北地方を中心に多くの方が犠牲者となり、なかには高齢者が多く含まれていた。急速な高齢化が進むわが国において、災害への対策について多くの課題が残されている。ここでは、本学会のプログラムから「東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして」と題して実施されたシンポジウムについて紹介する。

医師が抱く、「インスリン使用」への抵抗感  ~DAWN JAPAN Study~

インスリン療法は2型糖尿病において良好な血糖コントロールを実現する手段だが、一般的にインスリンの導入開始時期は遅れがちであると言われる。今回、天理よろづ相談所病院の石井氏らの研究で、「医師が抱くインスリン治療に対する心理的障壁」についての検討結果が明らかになった。2012年6月14日、PLoS One誌で公開された報告。

災害対策として大学医学部の新設は必要と感じた

耳鼻咽喉科望月医院望月 義也 2012年6月27日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  先日耳鼻咽喉科の学会での特別講演で、宮城県の耳鼻咽喉科医会の先生から先の大震災の貴重なお話をお伺いする機会がありました。 現地の開業医の先生方が被災地の医療をなんとか維持するために奔走されて大変な苦労をされた事が非常によく分かりました。また先生ご自身も被災者であるため、自分たちの生活や家族の事でも大変なさなか、更に被災地の地域医療に貢献する仕事をされていらっしゃったお話を聞いて非常に頭が下がる思いでした。

SUN(^_^)D「抗うつ薬の最適使用戦略を確立するための多施設共同無作為化試験」パイロットトライアルが発表

わが国のうつ病診療はここ十数年の間に大きく変化した。さまざまな新規抗うつ薬が登場し、急増するうつ病患者に対しどのような治療指針で診療に取り組むべきか議論がなされている。このような中、京都大学 古川氏を主任研究者とする「抗うつ薬の最適使用戦略を確立するための多施設共同無作為化試験-SUN(^_^)D 」プロジェクトが実施されている。本研究の実現の可能性およびアドヒアランスを調査するためのパイロット調査の結果を共同主任研究者の一人である高知大学の下寺氏らがTrials誌オンライン版2012年6月8日付で発表した。

第4回医療事故に係る調査のあり方に関する検討部会感想文

医療制度研究会中澤 堅次 2012年6月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  この文章の目的は、医療事故調査制度に関心を持たれている人たちに、問題を共有していただくことで、中澤の個人的な感想として書かせていただいています。代表する団体がなく、どのような資格で参加したのか自分でもわかりませんが、個別の診療に責任を持ってきた一臨床医としての立場で、皆様のご意見をいただき、具体化が進む議論の参考にさせていただきたいと思います。

要注意…論文のアブストラクトと本文の結語の不一致:肺がん全身療法のRCTを分析

臨床医は、新たなRCT(Randomized Control Study)の情報に乗り遅れないよう、論文のアブストラクトだけを読むことがある。しかし、論文の結語(conclusion)は、アブストラクトと本文中で記載内容が一致していないことがある。このアブストラクトの不一致についてカナダQueen’s UniversityのAltwairgi氏らが分析し、その結果がJournal of Clinical Oncologyオンライン版2012年5月29日に掲載された。

うつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット

抗うつ薬ミルタザピンはアドレナリンα2自己受容体とα2ヘテロ受容体に対し阻害作用を示し、ノルアドレナリン(NA)とセロトニン(5-HT)のモノアミントランスポーターを阻害することなく、NAおよび5-HTの神経伝達を増強する薬剤である。明治製菓薬品総合研究所の山内氏らはミルタザピンとSNRIの併用によるモノアミンの細胞外レベルへの影響を調査した。Neuropharmacology誌2012年6月号掲載。

「医の倫理」と弁護士に関する論考

健保連 大阪中央病院顧問 平岡 諦 2012年6月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●弁護士とは何する人ぞ  弁護士とは「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」ことを目指す専門家です。日本弁護士連合会(日弁連)の会則にはつぎのように記載されています。

認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか?

統合失調症治療において認知機能の改善・維持は重要であり、認知機能への作用を考慮した薬剤選択が求められている。産業医科大学の堀氏らは、日本人統合失調症患者の認知機能に対し、非定型抗精神病薬であるリスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールの投与量および投与スケジュールが及ぼす影響を検討した。その結果、「アリピプラゾールでは投与量と認知機能との間に相関が認められない」として、J Psychiatr Res誌2012年6月号にて報告した。

軽度認知障害の診断・治療に有効な評価尺度として期待「CDR-SB」

アルツハイマー型認知症(AD)の治療において早期の治療介入は有用であるが、早期診断を行う上で課題がある。Cedarbaum氏らは軽度ADや軽度認知障害 (MCI)の臨床試験に用いる評価尺度として臨床的認知症重症度判定尺度(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes:CDR-SB)が精神症状の測定に有用であるかをAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiative (ADNI)のデータベースを使用し評価した。Alzheimers Dement誌オンライン版2012年5月31日掲載。

福島県南相馬市・大町病院から(7) 君死にたまう事なかれ

南相馬市大町病院佐藤 敏光2012年6月17日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 南相馬市大町病院の佐藤です。 入院患者数は59名となりました。6月から定床が70床から80床に増えました。全国から看護師さんたちが大町病院に来てくれるようになりました。遠くは大阪から来てくれた看護師さんもいて、関西弁?で明るい会話も聞かれるようになりました。

鍼灸の現状と問題(2) 保険外併用療養費の考察

 北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合 理事 健保対策委員長NPO法人 全国鍼灸マッサージ協会 理事 広報/渉外局 健保推進担当渡邊 一哉 2012年6月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  鍼灸が現状の健康保険法の87条、療養費の枠組みで健保の支払いが償還払いになって久しい。昭和の30年代には日本鍼灸師会が健保の推進を掲げて運動している事からそれ以前、戦後マッカーサーが鍼灸禁止の発令をしようと、日本の医療者と論議になっているのが昭和25年前後と思われる事から、それから数年で健康保険を使っての鍼灸が始まってる事になる。

インスリングラルギンによる発がんリスクの増加は認められず

フランスのサノフィ社は11日、大規模な疫学プログラムの一環として、北欧諸国、南北カリフォルニアのカイザーパーマネンテ、およびノースカロライナ大学のそれぞれの独立した機関において行われた研究結果を発表した。ランタス(一般名:インスリングラルギン〔遺伝子組換え〕)による治療を受けている糖尿病患者は他のインスリン製剤による治療を受けている糖尿病患者に比べて発がんリスクの増加がみられないことがわかったという。このデータは、第72回米国糖尿病学会においても発表されている。日本国内には15日付でサノフィ・アベンティス株式会社が公表した。

貧困化と医療・介護

亀田総合病院小松 秀樹 2012年6月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●自己負担分が払えないので入院できない  2010年4月、私は、千葉県の房総半島南端の亀田総合病院に赴任した。以後、鴨川市の亀田総合病院と館山市の安房地域医療センターで診療を行っている。当地に来て、それまで勤務していた虎の門病院との違いに驚いたことがある。自己負担分のお金が用意できないので、入院できないという患者が珍しくないのである。