人生に明確な目的意識を持つことで、全死亡リスクを低下させられる可能性のあることが、1万3,000人以上の米国人を8年にわたって追跡した研究から明らかになった。この傾向は、男性よりも女性でやや強かったものの、性別や人種/民族による有意差は認められなかったという。米ボストン大学公衆衛生大学院の芝孝一郎氏らが実施したこの研究の詳細は、「Preventive Medicine」11月号に掲載された。
この研究は、50歳超の米国成人を対象にした健康と退職に関する研究(Health and Retirement Study)の参加者1万3,159人のデータを用いて、目的意識と全死亡リスクとの関連を検討したもの。目的意識の高さについては、試験開始時(2006〜2008年)に評価スケールを用いて参加者に自己報告してもらった「人生の目的」に基づき評価した。また、参加者を研究開始時から8年間追跡して全死亡リスクについて検討した。