医療一般|page:497

非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状

 過去20年間における非定型抗精神病薬使用の増大は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を含む未承認適応での頻度が顕著に認められているという。米国・メリーランド大学のMehmet Burcu氏らは、非定型抗精神病薬の使用について、年齢群、メディケイド適格カテゴリー群、またADHDを有さない若者において特徴づける検討を行った。その結果、とくにフォスターケア(里親制度)の小児およびADHDと診断された小児において、長期的な効果、安全性、適切な心臓代謝モニタリングの監督に関するアウトカムについて、探求すべき根拠が認められたことを報告した。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2014年4月1日号の掲載報告。

高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連

 向精神薬の使用はその後の認知症発症に影響を及ぼすのだろうか。国立台湾大学のFei-Yuan Hsiao氏らは、この仮説を検証するために、国民健康保険データベースに基づきpropensity scoreを用いた症例対照研究を行った。その結果、向精神薬の曝露は将来の認知症発症リスクと強く関連することが示された。Journal of the American Medical Directors Association誌2014年3月27日号の報告。

メロンアレルギーの主要アレルゲンを確認

 近年みられるようになった接触アレルギーとして、植物性食品との関連がある。口腔アレルギー症候群は、果物アレルギーの最も特徴ある症状の1つであり、全身性反応も引き起こす。植物性食品アレルギーは、花粉アレルギーとともに増大してきており、同様に果物が引き起こすアレルギー性の蕁麻疹も増大しているといわれる。こうした背景を踏まえて、スペイン・フエンラブラダ大学病院のGandolfo-Cano M氏らは、1つの特異的アレルゲンとしてメロンの皮が接触蕁麻疹の原因であることを確認する検討を行った。British Journal of Dermatology誌2014年3月号(オンライン版2013年10月31日号)の掲載報告。

プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

 1970年代以降、統合失調症患者への薬物治療の基本である抗精神病薬の一般的な有害事象として、高プロラクチン血症(HPRL)に対する認識が臨床医において浸透してきている。第二世代抗精神病薬(SGA)による治療中の血漿中プロラクチン(PRL)レベルは第一世代抗精神病薬使用時と比較して低いが、これらのPRLレベルに及ぼす詳細な影響は完全には明確にされていない。さらに、新規に承認された抗精神病薬[アセナピン、イロペロリドン、ルラシドン(いずれも国内未承認)]のPRLレベルに及ぼす影響に関するレビューは現時点においてない。ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学のJ. Peuskens氏らは、第二世代抗精神病薬および新規に承認された抗精神病薬のPRL上昇への影響を評価するため、MEDLINE文献検索によるレビューを行った。その結果、アセナピンとイロペロリドンはクロザピンと同程度の、ルラシドンはジプラシドン(国内未承認)およびオランザピンと同程度のプロラクチン上昇作用を有する所見が得られたことを報告した。CNS Drugs誌2014年3月号の掲載報告。

本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか

 非定型抗精神病薬に伴う代謝異常は、薬剤の種類により異なるといわれている。非定型抗精神病薬と心血管疾患のリスク因子との関連を踏まえ、米国糖尿病学会(ADA)および米国精神医学会(APA)は、非定型抗精神病薬の中でもアリピプラゾールとジプラシドン(国内未承認)は代謝異常を生じにくいとのコンセンサスステートメントを発表した。今回、米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、実臨床下におけるアリピプラゾールと他の非定型抗精神病薬の代謝関連有害事象リスクに関する検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2014年3月26日号の掲載報告。

特発性肺線維症(IPF)への挑戦

 2014年4月3日(木)都内にて、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社主催のもとメディアセミナー「呼吸器領域における難病への挑戦~特発性肺線維症(IPF)~」が開催された。当日は、自治医科大学呼吸器内科 教授 杉山幸比古氏、東邦大学医学部呼吸器内科学分野 教授 本間 栄氏が、特発性肺線維症(以下IPF)について、それぞれ疫学・病態、治療の進歩に関して講演した。

膝OA痛や慢性腰痛へのデュロキセチン、治療効果の判断はいつ?

 疼痛治療戦略を変更する時期に関する研究は十分ではなく、慢性疼痛における差の1つとなっている。オーストラリア・メルボルン大学のOwen D Williamson氏らは、変形性膝関節症による痛み(膝OA痛)や慢性腰痛症に対するデュロキセチン治療について、その治療戦略を変更する判断時期を明らかにする検討を行った。

てんかん患者の精神疾患有病率は健常人の8倍

 アイルランド・ボーモント病院のMaurice J Clancy氏らが行ったシステマティックレビューおよびメタ解析の結果、てんかん患者において精神疾患を有する人は最大6%存在し、そのリスクは健常対照と比較して8倍高かったことが報告された。また、側頭葉てんかん患者で7%と、とくに高かったことも判明した。てんかんは、精神疾患のリスク因子であると思われてきたが、著者は、「今回明らかになった関連は、さらなる検討により、精神疾患の病因学的な手がかりが得られる可能性を示唆するものである」とまとめている。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年3月13日号の掲載報告。

うつ病患者、SSRI治療開始1年以内に約半数がセカンド治療に

 大うつ病性障害(MDD)患者において、ファーストライン治療でSSRI投与を受けた人のうち、約半数がセカンドライン治療を受けており、その多くがアドオン療法を受けていることが明らかになった。米国・イーライリリー社のSusan Ball氏らが診療報酬支払請求データベースを分析して報告した。ただしセカンドライン治療は、残存症状の寛解を目標としたものと思われ、著者らは「今回の分析結果は、寛解を達成するために、医師と患者がもっとよりよきパートナーとなり付加的介入を行う必要があることを示唆するものであった」とまとめている。Annals of General Psychiatry誌オンライン版2014年3月19日号の掲載報告。

進行NSCLC1次治療のプラチナダブレット:VNR+CDDP vs DTX+CDDP

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、VNR+CDDP(VC療法)とDTX+CDDP(DC療法)の効果の同等性については議論の残るところである。中国・安徽省立医院のGuodong Shen氏らは、進行NSCLCの1次治療におけるVCとDC療法の比較を目的としてメタアナリシスを行った。Molecular and Clinical Oncology誌2014年1月2日号の掲載報告。