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抗うつ薬と妊娠中絶との関連は

 抗うつ薬の使用は選択的妊娠中絶と関連するのであろうか。また、薬剤間で差はあるのだろうか。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬、ミルタザピン、ベンラファキシン、その他の抗うつ薬が妊娠後の中絶にどのような影響を与えるかを、スウェーデン・カロリンスカ研究所のH Kieler氏らが評価した。BJOG誌オンライン版2014年11月14日号の報告。

抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか

 一般的に、抗精神病薬の長期使用は死亡率、とくに心血管死のリスクを増加させるといわれているが、この知見を実証する明確なデータは存在しない。フィンランド・国立健康福祉センターのMinna Torniainen氏らは、初回エピソード統合失調症患者を対象に、抗精神病薬曝露と死亡率との関係を検討した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2014年11月24日号の報告。

自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か

 さまざまな精神疾患患者を対象に、自殺念慮とその後の自殺との関連性を調べた結果、統合失調症スペクトラム患者での関連性が気分障害患者よりも強いことが示された。オーストラリア・Prince of Wales HospitalのC. L. Chapman氏らがメタ解析の結果、報告した。なお著者は結果について、試験間の不均一性や、自殺念慮と自殺の関連を誇張するような手法の試験も含まれている点を考慮して、慎重に解釈すべきと述べている。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2014年10月31日号の掲載報告。

ケタミンは難治性うつ病に使えるのか

 難治性うつ病患者において、NMDA受容体拮抗薬ケタミンは迅速な抗うつ効果を示すが、認知機能への有害作用については十分な検討が行われていなかった。米国・マウントサイナイ医科大学のJames W Murrough氏らは、難治性うつ病患者に対するケタミンの使用に関する検討の結果、有害認知作用は治療後7日時点で消失し、ベースラインでの処理速度が緩徐である患者ほどうつ症状の改善効果は大きいことを報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、臨床検体におけるケタミンの認知プロファイルを明らかにし、また臨床的に有用な治療反応モジュレータ―を特定することが求められる」とまとめている。Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。

統合失調症のドパミン・コリン仮説を検証

 統合失調症における神経生物学的な側面(とくに陰性症状や認知障害に関連する生理学的基礎)の多くは、まだ明らかになっていない。1989年にTandonやGredenは、統合失調症ではドパミン/コリン作動性の不均衡が中心的な原因であると仮定した。この仮説を検討するため、Tanja Veselinovic氏らは、精神病理、認知、注意への抗コリン薬の作用を検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2014年11月7日号の報告。

肺がん患者と医療者の乖離を埋める―WJOG

 「患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A(第4版)」(編集:NPO法人西日本がん研究機構、以下WJOG)の発行を記念して、「肺がんの最新治療に関するセミナー~分子標的薬の登場で肺癌治療は大きく変わった~」が2014年11月28日、都内にて行われた。当日は、中川和彦氏(近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授)、本書の編集を行った澤 祥幸氏(岐阜市民病院 がん診療局長)が講演した。

C型肝炎は内服でほぼ全例が治癒する時代へ

 C型肝炎ウイルスに対する治療は、2011年の直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals;DAA)の登場で大きく変換した。現在、効果のより高い薬剤・レジメンの開発が続いている。2014年11月26日、都内で開催されたC型肝炎プレスセミナー(主催:アッヴィ合同会社)にて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がC型肝炎治療の進歩と著効率の変遷を解説、さらに開発中のレジメンを紹介し、「来年にはC型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と予測した。

うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題

 うつ病患者に対し、精神科医とかかりつけ医(general practitioner)が協同してケアを実践していくべきという考えの下、日常臨床でうつ病の概念がどう位置付けられているか、また、うつ病の診断方法に対する精神科医とかかりつけ医の認識について、デンマーク・コペンハーゲン大学のAnnette S. Davidsen氏らは調査を行った。その結果、精神科医はうつ病の概念を実用的であると考え、診断方法の正当性に疑問を感じていなかったのに対し、かかりつけ医はうつ病を「グレーな領域」と考えており、うつ病診断の臨床的有用性に疑問を持っている状況を報告した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。