小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/02/12 米国・ヒューストン薬科大学のHua Chen氏らは、小児および思春期の双極性障害患者に対する非定型抗精神病薬と気分安定薬の有効性と安全性を比較検討する、後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、非定型抗精神病薬は気分安定薬に比べ、治療中止や治療増強が少なく、より効果的で安全な治療選択肢となりうることが判明したと報告した。Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌オンライン版2014年1月24日号の掲載報告。 小児および思春期の双極性障害患者における非定型抗精神病薬(SGA)と従来薬である気分安定薬(MS)の、有効性と安全性の検討は、2003~2007年の5年間の、地域特性の異なる4州の医療請求書を基に後ろ向きコホート研究にて実施された。双極性障害に対してSGAまたはMSによる新たな治療を開始した6~18歳の小児および思春期患者を対象とし、12ヵ月間追跡して小児双極性障害(PBD)における2つの治療群の有効性と安全性を比較した。主要評価項目は、精神科病院への入院、あらゆる原因による治療中止および治療増強とした。未観察の交絡に起因する選択バイアスの可能性を、医師の処方傾向およびコホート登録時の年齢などの変数を用いて操作変数法で検討した。また、感度分析にて、PBD診断の不確実性に対する頑健性を検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・小児および思春期の双極性障害は、7,423例が特定された。そのうち66.60%がSGA、33.40%がMSにより治療を開始していた。 ・MS群とSGA群で、精神科病院への入院リスクは同程度であった(HR:1.172、95%信頼区間[CI]:0.827~1.660)。 ・SGA群はMS群に比べ、治療中止(HR:0.634、95%CI:0.419~0.961)および治療増強(同:0.223、0.103~0.484)が少ない傾向にあった。 ・以上より、PBDにおいては、MS単独療法に比べてSGA単独療法のほうがより効果的で安全な治療選択肢になりうると考えられた。 関連医療ニュース 小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は? うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は 双極性障害の診断、DSM-IV-TRでは不十分 (ケアネット) 原著論文はこちら Chen H et al. Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2014 Jan 24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COPDの3剤配合薬、定量噴霧吸入器vs.ドライパウダー吸入器/BMJ(2025/01/22) 日本における片頭痛診療の現状、今求められることとは(2025/01/22) 乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響(2025/01/22) 自己主導型のCBTはアトピー性皮膚炎の症状軽減に有効(2025/01/22) コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?(2025/01/22) 高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか(2025/01/22) 出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連(2025/01/22) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) こどものみかた<下巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~(2013/07/08) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) こどものみかた<上巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)