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うつ病に対するアリピプラゾール強化療法、低用量で改善

 大うつ病性障害(MDD)に対する低用量アリピプラゾールの強化療法について、プラセボと比べてうつ病サブスケールについては有意な改善が示されることが明らかになった。米国・マサチューセッツ総合病院のChristina Dording氏らによる検討の結果で、忍容性については身体症状の悪化がない場合に良好である可能性が示された。結果を踏まえて著者は、さらなる前向き試験において同療法がもたらす効果をMDDの症状別に検討する必要があるとまとめている。International Clinical Psychopharmacology誌2013年9月号の掲載報告。

自閉症スペクトラム障害への薬物治療、国による違いが明らかに

 香港大学のYingfen Hsia氏らは、自閉症スペクトラム障害(ASD)に対する処方薬の状況を多国間レベルで明らかにするため、IMS Prescribing Insightsのデータベースを用いた分析を行った。その結果、成人に比べ小児患者に対する処方率が高いこと、国により処方薬に違いがみられることなどを報告した。Psychopharmacology誌オンライン版2013年9月5日号の掲載報告。

急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は

 急性期統合失調症患者に対し、ハロペリドールの最適な投与量はどの程度なのか。英国・NHS LothianのLorna Donnelly氏らは、この疑問を明らかにするため、無作為化比較試験に関する文献レビューを行った。その結果、>3~7.5mg/日において有効性に関する明確なベネフィットは示されなかったものの、7.5mg/日以上では錐体外路症状の発現を高めることが示されたと報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年8月28日号の掲載報告。

自閉症スペクトラム障害に対するSSRIの治療レビュー

 オーストラリア・メルボルン大学のKatrina Williams氏らは、自閉症スペクトラム障害(ASD)に対するSSRIによる治療の有用性についてレビューを行った。その結果、小児に対する有効性および有害性のエビデンスはなく、成人については試験規模が小さくバイアスリスクが不明であり有効性のエビデンスは限定的であることを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年8月20日号の掲載報告。

各抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害作用の違いは:京都大学

 臨床使用される抗うつ薬の大半は、シナプス間隙でのモノアミン濃度を急激に上昇させるが、その治療効果のために数週間の投与を必要とする。このように効果が遅発性なのは、セロトニン作動性神経における神経適応変化が緩徐なためと考えられている。京都大学大学院薬学研究科の永安一樹氏らは、抗うつ薬慢性処置のセロトニン遊離への影響について、ラットの縫線核脳切片培養系を用いて調べた。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。

脳腫瘍術後のけいれん予防にレベチラセタム有用

 韓国・ソウル大学ブンダン病院のYoung Jin Lee氏らは、開頭術後のけいれん予防として投与したレベチラセタムの有効性と安全性について、バルプロ酸と比較検討した。その結果、発作アウトカムは両薬剤で同程度であるが、レベチラセタムはバルプロ酸に比べ長期合併症の発現が少なく、副作用による薬剤変更やその他の抗けいれん薬の追加投与が少ないことを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。

重度ADへのリバスチグミンは高用量が優れる

 重度アルツハイマー型認知症(AD)に対するパッチ剤リバスチグミン(商品名:イクセロン、リバスタッチ)の投与は、高用量パッチ(13.3mg)のほうが低用量パッチ(4.6mg)よりも、有効性に優れ重大有害事象は増大せず、ベネフィット・リスクプロファイルは良好であることが示された。米国・インディアナ医科大学のMartin R. Farlow氏らが行った前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告された。CNS Neuroscience & Therapeutics誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。

アリピプラゾール経口剤⇒注射剤への切り替え、その安全性は?

 米国・カリフォルニア大学のSteven G. Potkin氏らは、経口抗精神病薬から月1回投与の持続性注射剤アリピプラゾールに切り替える際の安全性と忍容性の評価を行った。その結果、経口抗精神病薬の中間安定期を経ることなく、月1回投与のアリピプラゾールに安全に切り替え可能であることが示されたことを報告した。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2013年7月3日号の掲載報告。

統合失調症患者へのセロトニン作動薬のアドオン、臨床効果と認知機能を増大

 抗精神病薬治療中の統合失調症患者に対し、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬の追加併用療法は、抗精神病効果および一部の認知機能(注意力)を増大することが、ロシア医科学アカデミー国立精神保健センターのMorozova MA氏らによるパイロット試験の結果、報告された。CNS Spectrums誌オンライン版2013年6月17日号の掲載報告。

小児および思春期うつ病に対し三環系抗うつ薬の有用性は示されるか

 オーストラリア・トーマスウォーカー病院のPhilip Hazell氏らは、小児および思春期うつ病に対する三環系抗うつ薬の有効性を評価することを目的に、Cochrane reviewの最新版について報告を行った。その結果、小児うつ病の治療に三環系抗うつ薬は有用でなく、思春期患者に対してはその使用を支持するエビデンスはわずかであることを報告した。成人のうつ病に三環系抗うつ薬は有効であるが、小児および思春期患者を含む個別の研究においては疑問の余地が残されており、これら患者集団への処方は一般的ではない。研究グループは、小児および思春期のうつ病に対する三環系抗うつ薬の有効性を正確に評価することは、同世代のうつ病における他の薬剤治療の有効性と比較するうえでも有用であるとして本レビューを行った。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年6月18日の掲載報告。

新規抗精神病薬は患者にどう評価されているか?

 カナダ・ハンバーリバー病院(トロント)のA. George Awad氏らは、新規抗精神病薬が統合失調症の患者報告アウトカムに及ぼす影響について31件の論文を基にレビューを行った。その結果、大半の新規抗精神病薬について患者報告アウトカムにおける好影響が認められたものの、それらは傾向にすぎなかったことから、患者の主観的評価による結果を統一化されたコア(unifying core)として確立していく必要性を示唆した。CNS Drugsオンライン版2013年6月12日号の掲載報告。

SSRIは月経前症候群の治療に有用か?

 ニュージーランド・オークランド大学のJane Marjoribanks氏らは、月経前症候群(PMS)に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有効性と安全性を評価するため、これまでに実施された臨床試験をもとにレビューを行った。その結果、SSRIは服用方法にかかわらずPMSの症状軽減に有効であるが、用量依存的に有害事象が比較的高頻度に発現することを報告した。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年6月7日掲載の報告。

認知機能トレーニング/リハビリテーションはどの程度有効なのか?

 認知機能障害、とくに記憶障害は、アルツハイマー病(AD)および脳血管性認知症の早期ステージを規定する特徴であり、認知機能トレーニングおよび認知機能リハビリテーションは、それらの障害に特異的な介入アプローチである。オーストラリア国立大学のAlex Bahar-Fuchs氏らは、その有効性や介入がもたらす影響についてアップデートレビューを行った。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年6月5日掲載の報告。

新規骨粗鬆症治療薬カテプシンK阻害剤odanacatibの日本人患者における骨密度増加効果は?-二重盲検ランダム化比較試験-

 odanacatibは、骨再吸収を低下させ骨密度(BMD)を増加させる選択的かつ可逆的なカテプシンK阻害剤であり、2014年に承認申請が予定されている。 本試験は、骨粗鬆症日本人患者においてodanacatibの有効性と安全性を評価するために行われた多施設共同二重盲検ランダム化比較試験である。この結果、52週間にわたるodanacatib治療が、腰椎およびすべての股関節部位で用量依存的にBMDを増加し、骨粗鬆症日本人患者における忍容性が高いことが示された。国立国際医療研究センターの中村 利孝氏らによる報告(Osteoporosis International誌オンライン版2013年5月29日号掲載)。

抗精神病薬へのNSAIDs追加投与、ベネフィットはあるのか?

 米国・ザッカーヒルサイド病院精神医学研究部門のMasahiro Nitta氏らは、統合失調症における非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)追加投与の意義を検討するためメタ解析を実施した。その結果、NSAIDs追加によるベネフィットは明確に示されなかったことを報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2013年5月29日号の掲載報告。

新知見!慢性期統合失調症患者では意志作用感が減退:慶応義塾大学

 意志作用感(sense of agency:SoA)とは、ある動作や思考などを他人ではなく自分の意志によって実行しているという感覚であり、統合失調症患者では、この意志作用感が障害されている。慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室神経心理学研究室の前田貴記氏らは、SoAを評価する統合フレームワークを用いて、陰性症状が残存している慢性統合失調症患者においてSoAが減退していることを初めて明らかにした。Psychiatry Research誌オンライン版2013年5月14日号の掲載報告。

アリピプラゾールと気分安定薬の併用、双極性障害患者の体重増加はどの程度?

 双極I型障害(BPD)患者は多くの場合太りすぎか肥満であり、メタボリックシンドロームを合併している可能性が高い。いくつかのBPD治療薬では、体重増加や代謝パラメータの悪化が認められる。米国・ケースウエスタンリザーブ大学のDavid E. Kemp氏らは、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)と気分安定薬を併用した際のメタボリックシンドロームの発生率および代謝パラメーターの変化を調べた。Journal of affective disorders誌2013年5月15日号の報告。

統合失調症、デポ剤と抗精神病薬併用による効果はどの程度?

 統合失調症治療の主な目標は、機能の向上である。しかし、第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬、あるいはデポ剤/持効性注射剤使用や経口抗精神病薬との併用による有効性の相違については明らかとなっていない。スペインのFrancisco J. Acosta氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬の種類およびレジメンによる有効性の相違を検討した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。