カリウム代用塩の使用で心血管死が9割減?/BMJ
中国において全国的に、食事で摂取する塩をカリウム代用塩にすることで、心血管疾患死の約9分の1を予防できるとの推定結果が示された。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のMatti Marklund氏らが、任意の塩(卓上または料理で使用する塩)をカリウムが豊富な塩(カリウム代用塩)へ全国的に置き換えることが、中国における死亡率および心血管疾患死にどのような影響を及ぼすかを推定した研究結果を報告した。ナトリウムの摂取が多く、カリウムの摂取が少ない中国や他の国において、カリウム代用塩の使用は血圧を低下させ心血管疾患を予防する有望な戦略と考えられている。しかし、相対的な有益性や有害性について、とくに慢性腎臓病(CKD)患者における高カリウム血症や心臓死のリスクにおいては明らかになっておらず、カリウム代用塩の普及は限定的となっている。結果を踏まえて著者は、「高カリウム血症のリスクを考慮にいれても、相当の有益性がCKD患者にとってもあると推定された」と述べている。BMJ誌2020年4月22日号掲載の報告。