同種移植後の急性GVHD、シタグリプチンの併用で減少/NEJM

DPP-4阻害薬シタグリプチンをタクロリムスおよびシロリムスと併用することにより、骨髄破壊的同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後100日目までのGradeII~IVの急性移植片対宿主病(GVHD)の発生が減少することが明らかとなった。米国・インディアナ大学のSherif S. Farag氏らが、医師主導の非無作為化第II相臨床試験の結果を報告した。DPP-4はT細胞に発現する膜貫通型受容体で、CD26としても知られ、T細胞活性化における共刺激分子としての役割を有している。マウスモデルでは、CD26の発現低下によりGVHDが予防され移植片対腫瘍効果が維持されることが示されているが、シタグリプチンによるDPP-4阻害により、allo-HSCT後の急性GVHDが予防されるかどうかは不明であった。NEJM誌2021年1月7日号掲載の報告。