母親の抗うつ薬服用と子供の注意欠如・多動症(ADHD)との関連について、住民ベースのコホート研究による知見が示された。中国・香港大学のKenneth K C Man氏らによる報告で、子供のADHDリスクは、母親が抗うつ薬を妊娠中服用していた群と妊娠前まで服用していた群で同程度であった。一方で、抗うつ薬服用の有無にかかわらず、精神障害を有する母親の子供はADHDリスクが高かったという。著者は、既報では家族のリスク因子を補正しておらず過大評価されている可能性を指摘し、「抗うつ薬服用とADHDの因果関係を決して否定はしないが、あるとしても関連の強さは既報よりも小さいものと思われる」とまとめている。BMJ誌2017年5月31日号掲載の報告。