腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:109

Guardant360が固形がんの包括的ゲノムプロファイリング用リキッドバイオプシーとして承認

 ガーダントヘルスジャパンは、3月10日、固形がん患者における包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査 Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360 CDx)の医療機器プログラムとしての製造販売承認を取得したと発表。  Guardant360 CDxは、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんおよびニボルマブ(製品名:オプジーボ)のMSI-High結腸・直腸がんのコンパニオン診断としての承認も取得している。

ダロルタミド、転移を有する前立腺がんに適応追加申請/バイエル

 バイエル薬品は、2022年3月11日、経口アンドロゲン受容体阻害薬(ARi)ダロルタミド(製品名:ニュベクオ)について、遠隔転移を有する前立腺がんの適応追加を厚生労働省に申請した。  今回の申請は、転移を有する前立腺がん患者を対象とした第III相ARASENS試験のデータに基づくもの。ARASENS試験のデータでは、アンドロゲン遮断療法(ADT)+ドセタキセルにダロルタミドを加えた併用療法が、ADT+ドセタキセルの併用療法と比較して全生存期間(OS)を有意に延長することが示された。

早期乳がん診断から10年以降の再発率とリスク因子

 早期乳がんの診断から10年以降に発生する晩期乳がん再発についてデンマーク・Aarhus UniversityのRikke Norgaard Pedersen氏らが追跡調査した結果、診断から32年後も再発例を認め、診断時にリンパ節転移4個以上、腫瘍径20mm超、エストロゲン受容体陽性の女性で晩期再発率が高いことが示された。Journal of the National Cancer Institute誌2022年3月号に掲載。  本研究では、Danish Breast Cancer Groupのデータベースにおいて1987~2004年に早期乳がんと診断されたすべての女性のうち、再発・2次がん発生がなく10年生存した女性(10年無病生存例)について、診断から10年以降、晩期再発、死亡、海外移住、2次がん発生まで、もしくは2018年12月31日まで追跡した。患者特性および腫瘍特性で層別し、晩期再発について1,000人年当たり発生率および累積発生率を算出した。また、Cox回帰を用い、競合リスクを考慮して晩期再発の調整ハザード比を算出した。

免疫不全者へのコロナワクチン、3回で抗体陽転率上昇か~メタ解析/BMJ

 免疫不全患者(血液がん、固形がん、免疫性炎症性疾患、臓器移植、HIV)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種による抗体陽転率が免疫正常者と比較して低いが、1回目に比べると2回目接種後に改善され、3回目の接種は有効である可能性があることが、シンガポール国立大学のAinsley Ryan Yan Bin Lee氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年3月2日号で報告された。  研究グループは、免疫不全患者と免疫正常者においてCOVID-19ワクチンの有効性を比較する目的で、文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。  医学データベース(PubMed、Embase、Central Register of Controlled Trials、COVID-19 Open Research Dataset Challenge[CORD-19]、WHO COVID-19 databases)を用いて、2020年12月1日~2021年11月5日の期間に発表された試験が検索された。また、ClinicalTrials.govとWHO International Clinical Trials Registry Platformを検索して、2021年11月の時点で、これらのサイトに登録されているが未発表または進行中の試験が特定された。

日本人女性における生殖細胞系列バリアントと乳がんリスク(HERPACC研究)

 乳がんの約5~10%は遺伝性で、乳がんの易罹患性に関わる遺伝子における生殖細胞系列の病的バリアント(GPV)に起因する。関連研究の多くは欧米で行われており、日本人集団についての情報は少ない。またGPV評価において、環境因子とゲノムワイド関連研究(GWAS)で同定された一塩基多型(SNPs)による交絡を考慮した研究はない。愛知県がんセンターの春日井 由美子氏らは、9つの遺伝子におけるGPVと乳がんリスクとの関連を包括的に評価するためにケースコントロール研究を実施。Cancer Science誌オンライン版2月25日号に報告された。  本研究は2001年1月~2005年12月に愛知県がんセンターにおける病院疫学研究プログラム(HERPACC)の参加者(日本人女性)が対象。乳がん症例とその対照者(がんの既往なし)は、年齢(±5歳)と閉経状態で1:2の割合でマッチングされた。9つの遺伝子(ATM、BRCA1、BRCA2、CDH1、CHEK2、PALB2、PTEN、STK11、およびTP53)におけるGPVと乳がんリスクとの関連は、潜在的な交絡因子で調整したロジスティック回帰モデルを用いて、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)で評価された。

ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法のNSCLC1次治療、アジア人でも有用(CheckMate9LA)

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法の無作為化第III相CheckMate9LA試験の日本人含むアジア人サブセット解析の結果がInternational Journal of Clinical Oncology誌に発表された。アジア人患者においても全集団と同様に、同レジメンの有用性が示されている。

ニボルマブの尿路上皮がんアジュバント、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、根治切除後の再発リスクが高いPD-L11%以上の筋層浸潤性尿路上皮がんの成人患者の術後補助療法として、ニボルマブの承認を推奨したことを発表した。  この肯定的な見解は、全無作為化患者およびPD-L1発現1%以上の患者の両方において、オプジーボがプラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の延長を示した第III相CheckMate-274試験の結果に基づいたもの。

ニボルマブ+化学療法の食道扁平上皮がん1次治療、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行、再発または転移のある食道扁平上皮がん(ESCC)成人患者の1次治療薬として、ニボルマブとフルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法の併用療法の承認を推奨したことを発表した。

ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がんネオアジュバント、FDAが承認/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2022年3月4日、切除可能非小細胞肺がん(腫瘍径≧4cmまたはリンパ節転移陽性)成人患者に対する、プラチナダブレット化学療法+ニボルマブ(3週間ごとに3サイクル)のネオアジュバント療法について、米国食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。承認条件にPD-L1の状態は問われていない。  今回の承認は、非小細胞肺がんに対する免疫治療薬ベースのネオアジュバントで初めての肯定的な結果を出した、第III相CheckMate-816試験に基づいたもの。

日本人再発・進行子宮頸がん患者に対するtisotumab vedotinの効果~innovaTV206試験~/日本臨床腫瘍学会

 子宮頸がんは子宮がんの約7割程度を占めるがんであり、日本国内では、毎年約1万人の女性が罹患し、約3,000人が死亡している。2000年以降、患者数も死亡率も増加しており、新しい治療薬の登場が待たれていた。  tisotumab vedotinは子宮頸がん細胞に発現するタンパク質である組織因子を標的とした、抗体薬物複合体(ADC)である。化学療法による治療中または治療後に病勢進行がみられる再発または転移性子宮頸がんを適応として、2021年に米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得している。