腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:198

がん患者のCOVID-19~非がん患者と比べて/Lancet Oncol

 中国およびその他の地域では、SARS-CoV-2による重症急性呼吸器症候群が発生している。がん患者は化学療法や手術などの抗がん治療によって引き起こされる全身性の免疫抑制により、易感染状態であることが多い。そのため、SARS-CoV-2についても感染リスクが高く、さらに感染後も予後不良の可能性がある。  中華人民共和国の国立呼吸器疾患臨床研究センターと国民健康委員会が協力し、中国全土でCOVID-19症例を観察する前向きコホートを設立した。 2020年1月31日のデータカットオフの時点で、31の地方行政区域から2,007例の症例を収集。記録不十分な417例を除外し1,590のCOVID-19症例を分析している。Lancet Oncology誌2020年3月1日号では、その中から、がん患者について分析している。

capmatinib、METΔex14変異非小細胞肺がんのFDAブレークスルーセラピーに/ノバルティス

 ノバルティスは、2020年2月11日、米国食品医薬品局(FDA)がcapmatinib(INC280)の新薬承認申請(NDA)に対する優先審査を受理し、これを許可したと発表した。capmatinibは、METex14変異を有する局所進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者および治療歴のある患者の治療薬として審査が行われているMET阻害薬である。  現在、METex14変異を有する進行NSCLCを標的として承認された治療法はない。NSCLCは肺がん症例の約85%を占めている。METex14変異は、新たに進行NSCLCと確定診断された患者の3~4%に認められ、発がんドライバー遺伝子として認識されている。

早期TN乳がん、ペムブロリズマブ+術前化学療法が有望/NEJM

 早期トリプルネガティブ乳がん患者に対し、ペムブロリズマブ+術前化学療法はプラセボ+術前化学療法に比べ、手術時の病理学的完全奏効率が約14%ポイント有意に高いことが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のPeter Schmid氏らが行った第III相無作為化比較試験の結果、示された。追跡期間中央値15.5ヵ月後の病勢進行を認めた被験者の割合も、ペムブロリズマブ+術前化学療法を行った群で低かったという。先行試験で早期トリプルネガティブ乳がん患者における、ペムブロリズマブの有望な抗腫瘍活性と忍容可能な安全性プロファイルが示されていたが、術前化学療法へのペムブロリズマブ追加が、手術時の病理学的完全奏効(浸潤がんなし・リンパ節転移陰性と定義)を得られる患者割合を有意に増大するかについては不明であった。NEJM誌2020年2月27日号掲載の報告。

ニボルマブ、食道がんとMSI-High大腸がんに国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年2月21日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌」と「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」の効能又は効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得した。  食道がんに対する承認は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐の食道がん患者を対象に実施した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(ATTRACTION-3試験)の結果に基づいている。

ニボルマブ・化学療法併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年2月27日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対するプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法による用法及び用量の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。  今回の承認申請は、化学療法未治療のStage4または再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した多施設国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験CheckMate-227のPart1およびPart2の結果に基づいている。

スタチンは卵巣がんの発生を抑制するか/JAMA

 スタチン治療薬のターゲット遺伝子の抑制は、上皮性卵巣がんのリスク低下と有意に関連することが、英国・ブリストル大学のJames Yarmolinsky氏らによるメンデルランダム化解析の結果、示された。ただし著者は、「今回の所見は、スタチン治療薬がリスクを低減することを示す所見ではない。さらなる研究を行い治療薬においても同様の関連性が認められるかを明らかにする必要がある」と述べている。これまで前臨床試験および疫学的研究において、スタチンが上皮性卵巣がんリスクに対して化学的予防効果をもたらす可能性が示唆されていた。JAMA誌2020年2月18日号掲載の報告。

ペムブロリズマブ併用、転移TN乳がん1次治療でPFS延長/MSD

 MSD株式会社は2020年2月21日、転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対する初回治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と化学療法の併用療法が、化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長したと発表した(第III相KEYNOTE-355試験)。  KEYNOTE-355試験は、化学療法歴のない、手術不能な局所再発または転移を有するトリプルネガティブ乳がん患者を対象に、ペムブロリズマブと化学療法併用の有効性を評価する無作為化比較試験。本試験は2パートからなり、パート2では登録患者847例が、ペムブロリズマブ+3種類の化学療法のうちの1つ(ナブパクリタキセル、パクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンから医師が選択)の併用療法群と、プラセボ+同3種の化学療法のうちの1つの化学療法単独群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、全患者およびPD-L1陽性(CPS≧1およびCPS≧10)患者における全生存期間(OS)とPFS。

エヌトレクチニブ、ROS1肺がんに国内承認/中外

 中外製薬は、2020年2月21日、エヌトレクチニブ(商品名: ロズリートレク)に関し、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の適応拡大の承認を厚生労働省より取得したと発表。  エヌトレクチニブは、ROS1およびTRKファミリーを選択的に阻害するチロシンキナーゼ阻害薬で、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」の効能効果にて2019年6月18日に承認を取得し、同年9月4日に発売している。今回の承認は、主にオープンラベル多施設国際共同第II相臨床試験(STARTRK-2試験)の成績に基づいている。

ペグフィルグラスチムの自動投与デバイス国内臨床試験開始/協和キリン

 協和キリンは、ペグフィルグラスチム(商品名:ジーラスタ)の自動投与デバイスに関する国内臨床試験を本年2月19日に開始した。  ペグフィルグラスチムは持続型G-CSF製剤。がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とし2014年より日本にて販売している製品で、がん化学療法を行った翌日以降に医療機関にて投与が行われる。  ペグフィルグラスチムが翌日に自動投与される仕組みを搭載した同デバイスをがん化学療法と同日に使用することにより、ペグフィルグラスチム投与のための通院が不要となり、患者の通院負担、さらには医療従事者の負担の軽減にもつながることを期待している。

HER2低発現乳がんへのtrastuzumab deruxtecanの効果と安全性/JCO

 trastuzumab deruxtecan(T-DXd)は2019年12月、米国食品医薬品局(FDA)より「転移乳がんに対する治療として2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能または転移乳がん」に対して迅速承認された。今回、HER2低発現(IHC 1+もしくは2+/ISH-)の乳がん患者における推奨展開用量(RDE)の効果と安全性について、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのShanu Modi氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年2月14日号で報告。本剤の有望な抗腫瘍活性が示され、毒性は消化管または血液毒性がほとんどだったが、重要なリスクとして間質性肺疾患(ILD)が特定された。