腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:243

喫煙で子宮頸がんリスクが2倍~日本人女性

 喫煙による子宮頸がんのリスク上昇を示唆するエビデンスは多いが、日本人女性における関連の強さを調べた研究はない。今回、東北大学の菅原 由美氏らは「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」において、日本人女性における喫煙と子宮頸がんリスクとの関連を系統的レビューにより評価した。その結果から、喫煙が日本人女性における子宮頸がんリスクを高めるエビデンスは確実であると結論している。Japanese Journal of Clinical Oncology誌2019年1月号に掲載。

ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2019 in 東京~【ご案内】

 2019年3月16日(土)に、大腸がん疾患啓発イベント「ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと~」が開催される。同イベントは、大腸がんの診断・検査から外科的治療・薬物療法について広く知ってもらうことを目的に、国際的な大腸がん啓発月間である3月に毎年開催されている。会場は、東京医科歯科大学M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂で、予約申し込み不要・参加費無料。当日は、来場者全員にオリジナル冊子「もっと知ってほしい大腸がんのこと」が配布される。また、ブルーを身に着けて来場した方には粗品のプレゼントも用意されている。

扁平上皮NSCLC1次治療における抗EGFR抗体necitumumabの効果/Lung Cancer

 扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)のほとんどには上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor、以下EGFR)が発現しており、腫瘍形成に関与している。抗EGFR抗体necitumumabは、第III相SQUIRE試験でゲムシタビン・シスプラチンとの併用(GC+N)で進行扁平上皮NSCLCの1次治療における全生存期間(OS)を改善した。しかし、この試験では日本人患者は含まれていない。わが国の同じ患者集団の1次治療におけるGC+N療法を評価した多施設共同非盲検第Ib/II相試験の結果がLung Cancer誌2019年3月号に報告された。

FLAURA試験日本人サブセット、PFS19.1ヵ月/JJCO

 未治療のEGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者においてオシメチニブと標準治療(ゲフィチニブまたはエルロチニブ)を比較した多施設二重盲検第III相FLAURA試験。全体ではオシメルチニブで有意に良好な無増悪生存期間(PFS)が示されたこの試験の日本人のサブセット解析がJapanese Journal of Clinical Oncology誌2019年1月1日号で発表された。

乳がん患者の心房細動リスク

 乳がん患者においては、がんにより誘発される全身性炎症や治療の副作用により心房細動を罹患する恐れがある。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMaria D'Souza氏らが、乳がん患者の心房細動罹患率を検討した結果、診断後6ヵ月以上の長期罹患率が増加し、6ヵ月未満の短期罹患率は60歳未満の患者で増加したことを報告した。Heart Rhythm誌オンライン版2019年1月24日号に掲載。  本研究では、デンマークの全国患者登録を用いて1998~2015年に乳がんと診断された患者を同定し、年齢および性別でマッチさせたコントロール群と比較した。心房細動の長期罹患率は、累積罹患曲線および多変量Cox回帰モデルで推定した。

FDA、cabozantinibの肝がん2次治療承認

 EXELIXI, Inc.は、2019年1月14、ソラフェニブ既治療の肝細胞がん(HCC)に対するマルチキナーゼ阻害薬cabozantinibが米国食品医薬品局(FDA)で承認されたと発表。  今回の承認は、ソラフェニブ既治療の進行HCC患者に対するcabozantinibの第III相CELESTIAL試験の結果に基づいている。CELESTIA試験は、ソラフェニブ既治療の進行HCC患者を対象に、cabozantinibとプラセボを比較した無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、世界19ヵ国で実施されている。

ビタミンB12値、がんの早期発見に利用できるか

 ビタミンB12(以下、B12)値の上昇は短期のがんリスク増加と関連しているが、プライマリケアにおけるがんの早期発見における意義は検討されていない。今回、デンマーク・Aarhus University HospitalのJohan F. Arendt氏らが、英国のプライマリケアデータベースを用いたコホート研究で検討したところ、血漿B12値が上昇していると正常値より1年がんリスクが高く、数種のがんがB12代謝に影響を及ぼす可能性が示唆された。著者らは「B12値上昇は、不顕性がんがあることを示すかもしれない」としている。Cancer epidemiology, biomarkers & prevention誌オンライン版2019年1月14日号に掲載。

転移を有する乳がんの生存期間、1990年以降20年で1.8倍に/JNCI Cancer Spectr

 近年、転移のある乳がん(MBC)の治療は著しく変化したものの、転移後の生存期間の改善については明らかになっていない。そのような中、1970年以降の2つの時期における、再発(MBC全体、ER陽性再発MBC、ER陰性再発MBC)およびde novo Stage IV MBCにおける生存期間(OS)をロジスティック回帰モデルを用い経時的に検証した米国のシステマチックレビューが、JNCI Cancer Spectrum誌2018年12月24日号で発表された。

配偶者ががんと診断された人、1年以内の死亡率が2倍

 がん患者と一緒に暮らす配偶者において、心理社会的健康への悪影響だけでなく死亡リスクも増加する可能性が指摘されている。今回、東北大学の中谷 直樹氏らは、日本人集団の大崎コホート2006研究で、配偶者のがん診断と死亡率との関連について前向きコホート研究デザインにて検討した。その結果、配偶者のがん診断に起因する死亡率が診断後早期に有意に高いことが示され、がん治療の集学的チームが配偶者の死を防ぐために重要である可能性が示された。Acta Oncologica(Stockholm)誌オンライン版2019年1月21日号に掲載。

肺がんのニボルマブ治療、スタチン使用者で効果高い

 既治療進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるニボルマブの臨床的な効果予測因子の報告は多いが、ニボルマブの有効性を予測できる単一の因子を決定する十分なエビデンスはない。今回、がん・感染症センター都立駒込病院/日本医科大学の大森 美和子氏らによる前向き調査の結果、既治療進行NSCLCに対してニボルマブを受けた患者において、スタチン使用群で奏効割合が高く、治療成功期間(TTF)の延長も示された。なお、全生存期間(OS)の有意な延長は示されなかった。Molecular and Clinical Oncology誌2019年1月号に掲載。