腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:252

広範囲ゲノムシーケンスは進行NSCLCに生存ベネフィットをもたらすか/JAMA

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、広範ゲノムシークエンシングは一部の患者の選択すべき治療情報とダイレクトに関連していたが、良好な生存との独立した関連は認められなかった。米国・オハイオ州立大学のCarolyn J. Presley氏らによる後ろ向きコホート研究の結果で、JAMA誌2018年8月7日号で発表された。進行NSCLC患者には、広範ゲノムシークエンシングが頻繁に用いられている。しかし、コミュニティ設定における同患者の、広範ゲノムシークエンシングと治療選択あるいは生存との関連性については、ほとんど知られていなかった。

オシメルチニブ1次治療認可に備え、コバスが国内適用拡大

 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は2018年8月17日、ゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を検出する体外診断用医薬品コバス EGFR変異検出キット v2.0が、オシメルチニブメシル酸塩のEGFR変異陽性非小細胞肺がん1次治療対象者の層別を目的としたコンパニオン診断薬として7月31日に一部変更承認(適応追加)され、保険適用されたと発表した。

日本のがん患者に対する多職種せん妄対応プログラムの有用性に関する研究

 国立がん研究センター東病院の小川 朝生氏らは、せん妄の高リスク群のスクリーニングおよびその予防のためのシステマティック・マネジメント・プログラムである、多職種せん妄対応(DELirium Team Approach:DELTA)プログラムが、がん入院患者のケアの質を向上させるかについて検討を行った。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2018年7月17日号の報告。

オシメルチニブ、NSCLCのCNS病変への効果(AURA3)/JCO

 EGFR-TKI治療で疾患進行を来したEGFR T790M変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)における第III相試験(AURA3)から、事前に設定されたCNS病変に対するオシメルチニブの有効性を化学療法(プラチナ+ペメトレキセド)と比較したサブ解析の結果を中国・Guangdong General HospitalのYi-Long Wu氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2018年7月30日号で発表した。

実地臨床での肺がんのT790M検出率は臨床研究の半分(REMEDY)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR-TKI耐性非小細胞肺がん(NSCLC)の50~60%がT790M耐性変異であるといわれる。第3世代オシメルチニブはT790M変異症例の標準治療薬である。EGFR-TKI耐性例に対するオシメルチニブの投与にはT790M変異の検出が必要である。しかし、本邦の実臨床における検査および、T790M検出の実態は明らかでない。これらの状況を明らかにするため多施設共同前向き観察研究REMEDY試験の結果が行われ、その結果が神戸市で開催された第16回日本臨床腫瘍学会において、四国がんセンターの野上尚之氏により発表された。

brigatinib、ALK肺がん1次治療でPFSを有意に改善(ALTA-1L)/武田薬品工業

 武田薬品工業は2018年7月26日、ALK阻害薬未治療の局所進行または転移のあるALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたグローバル無作為化臨床第III相試験ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)の事前に設定された初回の中間解析において、brigatinib群がクリゾチニブ群と比較して統計学的に有意に無増悪生存期間(PFS)を改善し、主要評価項目を達成したと発表。brigatinibの安全性プロファイルは、全般的に既存の添付文書に記載されている情報と差はなかったとしている。

アスピリンの効果、用量や体重で大きな差/Lancet

 アスピリンの血管イベントやがんの抑制効果には、用量や患者の体重によって大きな差があり、良好な効果を得るには、より個別化された治療戦略を要することが、英国・オックスフォード大学のPeter M. Rothwell氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年7月12日号に掲載された。全例に同一用量を一律に投与するone-dose-fits-allアプローチでは、アスピリンの長期的な心血管イベントの予防効果はわずかであり、標準的な用量は体が大きい患者には過少で、小さい患者には過剰であることが報告され、他のアウトカムについても同様である可能性が示唆されている。