腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:251

EGFR変異肺がん、アファチニブ→オシメルチニブの治療シークエンスを評価/ベーリンガーインゲルハイム

 ベーリンガーインゲルハイムは、2018年8月9日、電子カルテなどの診療情報に基づき、EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のシークエンシャル治療の影響を評価する、リアルワールド、レトロスペクティブ研究GioTagの登録を完了したと発表。1次治療アファチニブ2次治療オシメルチニブと、シークエンシャルにEGFR-TKIを投与された患者を登録する。当研究のデータは日本を含む10ヵ国204例で構成されている。

ニボルマブ・イピリムマブ併用療法、メラノーマ脳転移への効果/NEJM

 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、悪性黒色腫患者の未治療の脳転移に対して臨床的に意義のある有効性を示し、頭蓋外での効果と一致した。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのHussein A. Tawbi氏らが、CheckMate-204試験の結果を報告した。脳転移は、転移を有する悪性黒色腫患者の神経合併症および死亡の原因として多いものの、転移を有する悪性黒色腫患者を対象としたニボルマブ+イピリムマブ併用療法のこれまでの臨床試験では、未治療の脳転移患者は除外されていた。NEJM誌2018年8月23日号掲載の報告。

デュルバルマブ国内発売、StageIII非小細胞肺がんで初の抗PD-L1抗体

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年8月29日、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とした抗PD-L1ヒトモノクローナル抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)の販売を開始した。

ピロリ除菌による胃がんリスク低下、高齢者では?

 Helicobacter pylori(H. pylori)の除菌は胃がんリスクを低下させるが、高齢者におけるデータは少ない。今回、香港大学のWai K. Leung氏らは、H. pylori除菌治療を受けた患者の大規模コホートおよびマッチさせた一般集団における胃がんリスクを年齢層別に比較した。その結果、とくに高齢者で、除菌治療後10年以上経過している群で、除菌治療と胃がんリスク低下が有意に関連していた。Gastroenterology誌2018年7月号に掲載。

BRCA変異乳がんに対するtalazoparibの第III相試験/NEJM

 ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬talazoparibは、標準化学療法と比較して、BRCA1/2遺伝子変異陽性進行乳がん患者の無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。患者報告アウトカムでも、talazoparibの優越性が示唆された。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのJennifer K. Litton氏らが、第III相の無作為化非盲検試験(EMBRACA試験)の結果を報告した。talazoparibは第I相および第II相臨床試験において、BRCA1/2遺伝子変異陽性進行乳がんに対する抗腫瘍活性を示していた。NEJM誌オンライン版2018年8月15日号掲載の報告。

進行肝細胞がんに対する多標的チロシンキナーゼ阻害薬療法(解説:中村郁夫氏)-903

本論文は、既治療の進行肝細胞がん(HCC)症例に対する、cabozantinibの治療効果および安全性に関するランダム化・二重盲検・多施設で行われた第III相試験の結果の報告である。対象は、ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)による治療を受けた進行肝細胞がん症例で、さらに、少なくとも1回のHCCに対する全身的治療を受けた後に進行を呈した症例(HCCに対する全身的治療は2回まで)とした。707例を無作為に2対1に割り付けて、実薬群はcabozantinib(60mg/日)の内服を行い、経過をフォローした。結果として、全生存期間(OS)は、cabozantinib投与群10.2ヵ月、プラセボ群8.0ヵ月と有意な延長(p=0.005)を認めた。また、副次評価項目である、無増悪生存期間(PFS)は、cabozantinib投与群5.2ヵ月、プラセボ群1.9ヵ月と有意な延長(p<0.001)を認めた。しかし、一方で、Grade3/4の有害事象の頻度がcabozantinib投与群では68%であり、プラセボ群の36%と比較して頻度が2倍近いことも報告された。頻度の高い有害事象は、手足症候群、高血圧、肝機能障害、疲労、下痢などであった。

FDA、小細胞肺がんにニボルマブ承認。20年ぶり新薬/BMS

 Bristol-Myers Squibb社は、2018年8月17日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、プラチナベース化学療法と1つ以上の他の治療ライン後に進行した、転移を有する小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けたと発表した。この承認は、ニボルマブの第I/II相CheckMate-032試験の結果に基づくもの。

オシメルチニブ、EGFR陽性肺がん1次治療に承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、2018年8月21日、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を適応症とする製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表。オシメルチニブは、本適応の審査過程において、本年2月に厚生労働省より優先審査品目に指定されていた。