腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:253

ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H/dMMR大腸がんに迅速承認/BMS

 Bristol-Myers Squibb社は、2018年7月11日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)3mg/kgとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)1mg/kgの併用療法が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行したMSI-HまたはdMMRの転移を有する大腸がん(mCRC)患者(成人および12歳以上の小児)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表。

肺がんリキッドバイオプシーの有用性をオシメルチニブが裏付け(WJOG8815L/LPS)/日本臨床腫瘍学会

 オシメルチニブはEGFR T790M変異非小細胞肺がん(NSCLC)に有効性を証明しているが、その結果は組織生検によるT790M判定例のものであり、リキッドバイオプシーによるT790M判定例における検討は十分ではない。そこで、リキッドバイオプシー判定によるT790M変異NSCLCに対するオシメルチブの効果を前向きに評価した第II相試験(WJOG8815L/LPS)の結果が実施され、その結果が神戸市で開催された第16回日本臨床腫瘍学会において、近畿大学の高濱 隆幸氏により発表された。

NSCLC 1次治療、化療にペムブロリズマブ併用でQOL改善(KEYNOTE-189)/日本臨床腫瘍学会

 未治療の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対する国際共同無作為化第III相試験(KEYNOTE-189)のQOL評価で、ペムブロリズマブ+化学療法は化学療法単独と比べてQOLを維持・改善することが示された。関西医科大学の倉田 宝保氏が、第16回日本臨床腫瘍学会学術集会(7月19~21日、神戸)のセミプレナリーセッションで発表した。

不妊治療と生殖器系がんリスクの関連は?/BMJ

 生殖補助医療を受けた女性の生殖器系がんのリスクは知られていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのCarrie L. Williams氏らは、大規模な地域住民ベースのコホート研究において、生殖補助医療を受けた女性では子宮体がんや浸潤性乳がんのリスク増加はみられないものの、非浸潤性乳がんや浸潤性または境界悪性卵巣腫瘍のリスク増加が示されたとし、BMJ誌2018年7月11日号で報告した。若年時または複数回の治療サイクルを受けた女性は、乳がんリスク上昇の可能性があるとする研究がいくつかある。また、初期の研究では、卵巣がんのリスク増加が示唆されているが、近年の研究では、境界悪性卵巣腫瘍の増加に関して、一貫性はないものの比較的安心感のある結果が報告されているという。

NP、PAによる皮膚科手術、件数も範囲も拡大傾向

 ナースプラクティショナー(NP)やフィジシャンアシスタント(PA)といった高度実践医療従事者(Advanced Practice Professional:APP)は、数多くの多様な皮膚科的処置や手術を独立して行っているが、その件数や範囲が年々どのように変化しているかは、ほとんど知られていない。米国・Summa Akron City HospitalのMyron Zhang氏らは、メディケアのデータを解析し、APPが実施した皮膚科的処置や手術の件数が2012年から2015年にかけて経時的に増加しており、範囲も拡大していることを明らかにした。著者は、「年々増加傾向のAPPによる皮膚科的処置および手術の件数や範囲が、患者の予後とどのように関連しているか、またより正式な訓練が必要かどうかを明らかにするために、さらなる研究が望まれる」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年7月11日号掲載の報告。

anamorelin、日本人消化器がんの悪液質にも効果(ONO-7643-05)/日本臨床腫瘍学会

 がん悪液質は、進行がんの約70%に認められ、とくに進行消化器がんでは多くみられる。予後不良でQOLを低下させるが、現在有効な治療法はない。anamorelinは選択的グレリン受容体作動薬であり、肺がん悪液質における無作為化二重盲検比較試験(ONO-7643-04)で有効性が認められている。神戸市で開催された第16回日本臨床腫瘍学会では、消化器がんにおける悪液質に対するanamorelinの有効性と安全性を評価する多施設非無作為化オープンラベル試験ONO-7643-05の結果について杏林大学 古瀬 純司氏が発表した。

アロマターゼ阻害薬関連関節痛、鍼治療で軽減か?/JAMA

 アロマターゼ阻害薬関連関節痛を有する閉経後早期乳がん患者において、鍼治療は、偽治療または待機リスト入りとした対照(waitlist control)と比較して、6週時の関節痛を有意に改善した。ただし、観察された改善が臨床的に意義のあるものかは確実ではないという。米国・コロンビア大学医療センターのDawn L. Hershman氏らが、アロマターゼ阻害薬関連関節痛に対する鍼治療の有効性を検証した無作為化試験の結果を報告した。筋骨格系症状は、アロマターゼ阻害薬の有害事象で最も多く、治療中断に至ることが少なくない。これまで複数の小規模研究で、鍼治療がアロマターゼ阻害薬関連関節症状を改善する可能性があることが示唆されていたが、いずれも単一施設で実施され症例数が少なく盲検化されていなかった。JAMA誌2018年7月10日号掲載の報告。

HPV検査の子宮頸部前がん病変の検出能/JAMA

 北米では、子宮頸がんのスクリーニングにおける細胞診検査と比較した、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査の相対的な有効性に関する情報は十分でないという。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のGina Suzanne Ogilvie氏らは、HPV検査陰性の女性は細胞診検査陰性の女性に比べ、48ヵ月時点で診断されたGrade3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)およびGrade2以上のCIN(CIN2+)の割合が低かったことを、JAMA誌2018年7月3日号で報告した。

【JSMO2018みどころ】免疫療法とがんゲノム医療を中心に

 2018年7月19日(木)から3日間にわたって、第16回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、がん治療の最新動向と、今回のJSMOで注目すべき各領域のトピックが紹介された。本稿では、「がんゲノム医療」「がん免疫療法」の注目演題をセミナーでの演者のコメントとともに紹介する。