高齢の未治療CLL、イブルチニブでPFS延長/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2018/12/14

 

 高齢の未治療慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、イブルチニブの単剤またはリツキシマブとの併用は、ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法と比較し、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが認められた。イブルチニブ単剤投与とイブルチニブ+リツキシマブ併用投与との間で、PFSに差はなかった。米国・オハイオ州立大学総合がんセンターのJennifer A. Woyach氏らが、イブルチニブの第III相試験「A041202試験」の結果を報告した。イブルチニブは、未治療CLLの1次治療として米国では2016年に承認されているが、化学免疫療法との比較はされていなかった。NEJM誌オンライン版2018年12月1日号掲載の報告。

イブルチニブ単剤、リツキシマブと併用、ベンダムスチン+リツキシマブを比較
 イブルチニブの有効性を評価する試験は、2013年12月~2016年5月に米国およびカナダの219施設にて行われた。研究グループは、65歳以上の未治療CLL患者547例を、ベンダムスチン+リツキシマブ(ベンダムスチン併用)群(183例)、イブルチニブ単剤群(182例)、イブルチニブ+リツキシマブ(イブルチニブ併用)群(182例)に1対1対1の割合に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)。

 本試験は、第2回中間解析の結果、プロトコールで定義された有効性閾値を満たしたことから(有意水準:片側p=0.025、log-rank検定)、データ安全性モニタリング委員会が結果の公表を決定した。

2年PFS率は、イブルチニブ単剤・併用群が87~88%
 PFSは、ベンダムスチン併用群のみ中央値に到達した。2年推定PFS率は、ベンダムスチン併用群74%、イブルチニブ単剤群87%(ハザード比[HR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.26~0.58、p<0.001)、イブルチニブ併用群88%(HR:0.38、95%CI:0.25~0.59、p<0.001)であり、ベンダムスチン併用群と比べてイブルチニブ両群が有意に高率であった。

 イブルチニブ併用群とイブルチニブ単剤群との間で、PFSに有意差は確認されなかった(HR:1.00、95%CI:0.62~1.62、p=0.49)。

 追跡期間中央値38ヵ月において、全生存期間は3群間で有意差はなかった。

 Grade3以上の血液学的有害事象の発現率は、イブルチニブ単剤群41%、イブルチニブ併用群39%に対し、ベンダムスチン群で61%と高率であった。一方、Grade3以上の非血液学的有害事象の発現率は、イブルチニブ単剤群およびイブルチニブ併用群(それぞれ74%)よりベンダムスチン群(63%)が低かった。

 なお著者は、追跡期間が短くサブグループ間の有意差は検出力不足などの点で研究には限界があったと述べている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 大田 雅嗣( おおた まさつぐ ) 氏

福島県立医科大学会津医療センター 血液内科学 教授

J-CLEAR推薦コメンテーター