転移性前立腺がんの初期治療の行方は?(解説:榎本 裕 氏)-702
1941年のHuggins and Hodgesの報告以来、転移性前立腺がん治療の中心はアンドロゲン除去療法(ADT)であった。近年、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する治療薬が次々に登場し、治療戦略が大きく変容しているが、転移性前立腺がんの初期治療に関しては70年以上にわたってほとんど進歩がなかった。第1世代の抗アンドロゲン薬(ビカルタミド、フルタミドなど)を併用するMAB(maximum androgen blockade)療法が広く行われているが、OSに対するベネフィットを示す報告は少ない。