腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:288

グリソンスコア9/10の前立腺がん、最も有効な療法は?/JAMA

 グリソンスコア9~10の前立腺がん患者に対し、外照射療法+小線源治療による強化療法(EBRT+BT)+アンドロゲン除去療法(ADT)は、根治的前立腺全摘除(RP)やEBRT+ADTを行った場合に比べ、前立腺がん死亡リスクを有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAmar U. Kishan氏らが、1,809例を対象とした後ろ向きコホート試験を行い明らかにした。グリソンスコア9~10前立腺がんの至適治療は明らかになっておらず、研究グループは、同患者の最終的な治療後の臨床的アウトカムを検討した。JAMA誌2018年3月6日号掲載の報告。

ニボルマブの480mg4週ごと投与、FDAが承認

 米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2018年3月6日、米国食品医薬品局(FDA)が、480mg固定用量4週間ごと投与の追加適応を含む、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の生物学的製剤承認一部変更申請を承認したと発表。この承認により、医療者は、新バイアルによる240mgの2週間ごと投与と、480mgの4週ごと投与を、患者に合わせて選べるようになる。また、すべてのニボルマブ適応疾患で、従来より短い30分投与も承認された。

健康状態に関係なく余暇身体活動で死亡率低下~アジア50万人調査

 余暇身体活動(LTPA)と死亡リスクの関連を評価する研究は、ほとんど欧州系の健康人で実施されている。今回、米国・Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのYing Liu氏らが東アジアの健康人および慢性疾患患者のコホートで調査を実施し、アジアの中高齢者において、定期的なLTPAが健康状態にかかわらず死亡率低下と関連していることが示唆された。International journal of epidemiology誌オンライン版2018年2月27日号に掲載。

腫瘍溶解ウイルス+ペムブロリズマブの固形がん医師主導治験開始/国がん

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)東病院(病院長:大津 敦、千葉県柏市)は2018年3月2日、進行性または転移性固形がん患者を対象とした、腫瘍溶解ウイルス製剤テロメライシン(OBP-301)と、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用療法に関する医師主導治験(第I相試験)を開始したと発表。同試験では、併用した際の安全性及び有効性などの評価を行う。

分子標的治療薬の新たな薬剤耐性メカニズム発見/LC-SCRUM-Japan

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)の研究所(所長: 間野博行)ゲノム生物学研究分野、中奥敬史研究員、河野隆志分野長、東病院(院長:大津 敦)呼吸器内科、後藤功一科長らは2018年2月14日、京都大学、東京大学、理化学研究所、英国クリック研究所と共同で、分子標的治療薬バンデタニブによって治療されたRET融合遺伝子陽性の肺がん患者のがん試料の機能ゲノム解析を行い、新しい薬剤耐性メカニズムを発見したと発表。研究結果は米国学術雑誌Nature Communicationsに2月12日付けで発表された。

新規分子標的薬ラロトレクチニブ、TRK融合遺伝子陽性がんに奏効/NEJM

 高選択性トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬larotrectinibによる「年齢・腫瘍非依存的治療(“age- and tumor-agnostic”therapy)」は、TRK融合遺伝子陽性がん患者において、年齢や腫瘍の種類にかかわらず著明かつ持続的な抗腫瘍活性を示すことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAlexander Drilon氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。3種類のTRK(TRKA、TRKB、TRKC)の1つを含む融合遺伝子が、小児と成人の多様ながんで同定されている。これらの融合遺伝子は、原発組織にかかわらず、がん遺伝子中毒(oncogene addiction)を引き起こし、全固形がんの最大1%への関与の可能性が示唆されている。

日本の乳がん長期生存率の改善度~年齢・病期別

 近年、乳がんの5年生存率は日本および他の国々で改善しているが、10年生存率の改善や年齢・病期別の改善度は不明である。今回、愛知県がんセンター中央病院の吉村 章代氏らが地域がん登録データを用いて検討し、10年相対生存率が1993~2006年で2.4%改善したことを報告した。また、年齢・病期別の分析では、15~34歳および遠隔転移での改善度が非常に小さく、これらの患者における新しい治療戦略の必要性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年2月24日号に掲載。