腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:395

術前化学放射線療法、治癒の可能性ある食道・胃接合部がん患者の生存率を改善

切除可能な腫瘍を有する食道がんまたは食道胃接合部がん患者に対し、術前に化学放射線療法を行った結果、生存率の改善が認められたこと、有害事象発生率は許容範囲であったことが、オランダ・エラスムス大学医療センターのP. van Hagen氏らによる第3相多施設共同無作為化試験の結果、報告された。数十年間討議されてきた術前化学放射線療法は、これまでは試験結果が不良であったこともあり否定的であったが、同グループによる第2相試験では、毒性作用が低く、切除を受けた患者全員がR0(1ミリ以内の腫瘍なし)を達成していた。第3相試験では、術前に化学放射線療法を施行する群と手術単独群とを比較検討した。NEJM誌2012年5月31日号掲載報告より。

低侵襲食道切除術、切除可能食道がんの術後合併症を低減

切除可能な食道がんの治療では、低侵襲食道切除術が開胸食道切除術に比べ術後の肺感染症の頻度が低く、短期的なベネフィットをもたらすことが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのSurya S A Y Biere氏らの検討で示された。切除可能な食道がんの唯一の根治的治療は食道切除術とされるが、開胸食道切除術では患者の半数以上に術後の呼吸器合併症の発現がみられる。胸腔鏡と腹腔鏡を用いた低侵襲食道切除術は、術後の肺感染症の合併が少ないため在院日数が短縮することが知られているが、これまで無作為化試験による評価は行われていなかったという。Lancet誌2012年5月19日号(オンライン版2012年5月1日号)掲載の報告。

選択的ニューロキニン1受容体拮抗型制吐剤 ホスアプレピタントメグルミン(商品名:プロイメンド)

がん化学療法に伴う悪心・嘔吐に対する制吐剤として、選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗薬であるホスアプレピタントメグルミン(商品名:プロイメンド点滴静注用150mg、以下プロイメンド)が、2011年12月9日に発売された。本剤は、2009年12月に発売された経口制吐剤アプレピタント(商品名:イメンドカプセル)のプロドラッグ体の注射剤である。

乳癌患者における癌抑制遺伝子TP53変異とリンパ節転移の関連

 クリーブランドクリニック・ゲノム部門(アメリカ)のAttila Patocs氏らは、以前の研究で腫瘍性胸部上皮細胞とその周囲の間質細胞で高頻度に見出された癌抑制遺伝子TP53の変異に着目。この遺伝子が乳癌の転帰に寄与しているとの仮説を立て、「遺伝性」および「散発性」乳癌患者それぞれにおけるゲノムワイド解析、臨床的・病理学的所見との関連解析を行った。NEJM誌2007年12月20日号に掲載。