腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:394

胃全摘術後の胃がん患者においても早期経腸栄養は有効か?

早期経腸栄養は、感染性合併症や入院日数を減らし、肝機能を維持するメリットがあるが、胃全摘術後の早期経腸栄養の効果に関するデータはほとんどない。今回、胃がん患者の胃全摘術後の早期経腸栄養の効果について完全静脈栄養と比較した無作為化前向き研究の結果が、The Korean Journal of Gastroenterology誌2012年6月25日号に掲載された。Kim氏らの報告。

世界におけるがんの発症動向を予測。2030年にはどうなる?

がんは今後数十年間で、世界のすべての地域で罹患および死亡における主要な原因疾患となることが予測される。では、地域によって状況は異なるのだろうか。Bray氏らが、平均寿命・教育・GDPの複合指標である人間開発指数(HDI)のレベルで分けて評価したがん発症の傾向と2030年までの予測を、The Lancet Oncology誌オンライン版2012年6月1日号に報告した。

糖尿病発症年齢別にみた、膵臓がんのリスク因子

糖尿病は、膵臓がん(PaC)のリスク因子とされているが、最近では、糖尿病自体がPaCの初期兆候として考えられている。今回、東京大学の水野氏らの研究で、糖尿病発症年齢に応じたPaCのリスク因子が明らかになり、PaCの初期兆候とこれらリスク因子を組み合わせることが、PaCのスクリーニングに有用である可能性が示された。(J Gastroenterol 誌オンライン版2012年6月28日付)

大腸がんに対する軟性S状結腸鏡スクリーニングのベネフィットは?

軟性S状結腸鏡を用いたスクリーニングの効果について、その実施は大腸がんの発生率(遠位・近位大腸がんとも)および死亡率(遠位大腸がんのみ)を有意に低下することが示された。米国・ピッツバーグ大学のRobert E. Schoen氏らが米国内多施設共同による無作為化試験で約15万5,000例のスクリーニング受診者を追跡し報告した。大腸がん検診のための内視鏡スクリーニングの利点は定まっていない。これまで軟性S状結腸鏡スクリーニングのベネフィットを検討する無作為化試験は欧州(英国、イタリア、ノルウェー)で3試験が行われているが、結果は相反する報告が寄せられている。NEJM誌2012年6月21日号(オンライン版2012年5月21日号)掲載報告より。

肺がん家族歴を有する非小細胞肺がん患者の臨床病理学的特徴

家族歴を有する非小細胞肺がん患者の臨床的な特徴と予後予測 は確立されていない。Haraguchi 氏らは、1982年から2010年まで自施設で治療した非小細胞肺がん患者の診療録を用い、臨床病理ステージおよび患者の転帰について、肺がんの家族歴を有する患者(family history of lung cancer、以下FHLC)と家族歴の無い患者(non family history of lung cancer、以下non-FHLC)を比較し、包括的なreviewを行った。その解析結果がInternational Journal of Medical Sciences 誌2012年Vol.9で発表された。

切除可能なStageII/III大腸がんへの術後化学療法の代替療法としてテガフール坐剤術前投与は有用か?:KODK4多施設無作為化対照試験

切除可能なStageII/III大腸がん患者に対して、術前のテガフール坐剤の投与が、主に遠隔転移を抑えることによって再発を防ぎ生存率を改善する可能性が、Oncology誌オンライン版2012年6月21日号で報告された。この結果から、大腸がんにおける術前治療としてテガフール坐剤の有用性が示唆されるとしている。慶應義塾大学の岡林氏らの報告。

要注意…論文のアブストラクトと本文の結語の不一致:肺がん全身療法のRCTを分析

臨床医は、新たなRCT(Randomized Control Study)の情報に乗り遅れないよう、論文のアブストラクトだけを読むことがある。しかし、論文の結語(conclusion)は、アブストラクトと本文中で記載内容が一致していないことがある。このアブストラクトの不一致についてカナダQueen’s UniversityのAltwairgi氏らが分析し、その結果がJournal of Clinical Oncologyオンライン版2012年5月29日に掲載された。

基底細胞がんへのvismodegib、腫瘍縮小効果と関連

基底細胞がんの多くは外科的に治療されるが、局所進行型や転移性の症例については効果的な治療法が存在しない。その基底細胞がんの発生機序に関与しているヘッジホッグ情報伝達の変化に着目して開発されたvismodegib(GDC-0449)は、画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)といわれるヘッジホッグ経路低分子阻害薬で、第1相試験では進行型基底細胞がん患者で奏効率58%という成績を示した。本報告は、米国・メイヨークリニックのAleksandar Sekulic氏らにより行われた多施設共同国際2コホート非無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年6月7日号で発表された。