整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:39

高齢者の術後ワルファリン導入、遺伝子型ガイド下は有益か/JAMA

 待機的大腿骨頸部・膝関節形成術を受ける高齢者の周術期ワルファリン療法について、遺伝子型ガイド下投与は臨床的ガイド下投与と比べて、複合リスク(大出血、INR 4以上、静脈血栓塞栓症、死亡)の発生を減少させたことが示された。米国・ワシントン大学のBrian F. Gage氏らによる無作為化試験の結果で、著者は「さらなる試験で、ワルファリンの個別化投与の費用対効果について確認する必要がある」とまとめている。高齢患者へのワルファリン使用は、他の薬物よりも、薬物関連の緊急部門受診で頻度が高い。遺伝子型ガイド下のワルファリン投与が、そうした有害事象を回避可能なのかは明らかになっていなかった。JAMA誌2017年9月26日号掲載の報告。

新規抗体薬ロモソズマブ、骨粗の骨折リスク有意に減少/NEJM

 骨折リスクが高い骨粗鬆症の閉経後女性において、新たな骨粗鬆症治療薬ロモソズマブ(承認申請中)を12ヵ月間投与し、その後アレンドロネートを12ヵ月投与した群は、24ヵ月間アレンドロネートのみを投与した群と比べて有意に骨折リスクが低かった。米国・アラバマ大学のKenneth G. Saag氏らが、第III相の国際多施設共同無作為化試験の結果を発表した。ロモソズマブは、骨形成モノクローナル抗体であるが、スクレロスチンに結合し骨形成を増加させる一方で、スクレロスチンを阻害し骨吸収を減少させるという二重の効果を有する。NEJM誌オンライン版2017年9月11日号掲載の報告。

陰茎移植で自然な生理機能は回復するか/Lancet

 南アフリカ共和国の若い男性では、儀式として行われる包皮切除からの壊疽が、陰茎損失の主な原因になっているという。この文化的行為は社会に深く根ざしており、やめさせることは容易ではない。同国ステレンボッシュ大学のAndre van der Merwe氏らは、従来の遊離皮弁を用いた陰茎整形術は、社会経済的に課題がある集団には好ましくないが、陰茎を損失した若い男性の精神社会学的影響は甚大であり、同一臓器に置き換えることが最大の便益をもたらす可能性があるとして、同種陰茎移植を実施。24ヵ月間のフォローアップの結果を報告した。Lancet誌オンライン版2017年8月17日号掲載の報告。

第36回日本臨床運動療法学会学術集会 開催のご案内

 日本臨床運動療法学会(会長 木村 穣氏 関西医科大学 健康科学センター 教授)は、2017年9月2日(土)・3日(日)に、第36回の学術集会を大阪市にて開催する。テーマは「臨床医学と運動のさらなる融合」で、臨床における運動、スポーツ、身体活動に関する講演のほか、実技実習も予定されている。また、今回は学会初となる、参加者の不活動を予防する仕組みとして、セッションの合間に「レッツBSL(Break Sedentary Lifestyle)」と称したストレッチビデオの上映を行う。

整形内科が診る腰痛、肩こり、五十肩

 2017年7月2日、コニカミノルタジャパン株式会社 ヘルスケアカンパニーは、都内において白石 吉彦氏(島根県 隠岐島前病院 院長)を講師に迎え、「外来超音波診療-腰痛 肩こり 五十肩のみかた-」をテーマに医師向けのセミナーを開催した。当日は、全国から100名近い医師が参加した。セミナーでは、事前アンケートで要望の多かった「腰痛、肩こり、五十肩」の3つに焦点をあて、動作分析による発痛源検索、超音波検査(以下「エコー」)を使用した圧痛点の確認方法、エコーでの筋肉同定、エコーガイド下注射の手技、針先描出などが説明された。

骨粗鬆症のBP治療後、新規抗体製剤vs.テリパラチド/Lancet

 経口ビスホスホネート系薬で治療を受ける、閉経後の骨粗鬆症女性の治療薬移行について、開発中のヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤romosozumab(AMG 785、承認申請中)が既存薬のテリパラチド(フォルテオ)との比較において、股関節部の骨密度(BMD)を上昇させたことが報告された。デンマーク・オーフス大学病院のBente L. Langdahl氏らによる第III相の非盲検無作為化実薬対照試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年7月26日号で発表された。ビスホスホネート系薬の既治療は、テリパラチドの骨形成作用を減弱することが確認されている。著者は、「今回示されたデータを、骨折リスクの高い患者の臨床的意思決定のために周知すべきである」と述べている。

慢性腰痛に高周波熱凝固法は効果なし/JAMA

 椎間関節、仙腸関節、椎間板を源とする慢性腰痛患者を対象とした3つの無作為化臨床試験において、標準運動プログラムと高周波熱凝固法(RF)の併用では、標準運動プログラム単独と比較して、慢性腰痛の改善または臨床的に重要な改善のどちらも確認されなかった。オランダ・エラスムス大学医療センターのJohan N. S. Juch氏らによる無作為化試験「Mint」の結果で、著者は「椎間関節、仙腸関節、椎間板が源の慢性腰痛の治療にRFを用いることは支持されない」と結論している。RFは、慢性腰痛の一般的な治療として用いられているが、有効性に関する質の高いエビデンスは不足していた。JAMA誌オンライン版2017年7月4日号掲載の報告。

血友病患者の高齢化で新たな対応へ

 2017年6月27日、都内においてバイオベラティブ・ジャパン株式会社は、血友病患者啓発ツール“Graphemophilia”の発刊に合わせ、「血友病治療の進歩と今後の課題」をテーマにプレスセミナーを開催した。セミナーでは、血友病治療の現在の状況のほか、高齢の血友病患者への対応など、現下の問題や今後について解説する講演も行われた。