整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:40

肥満高齢者に対するダイエット+(有酸素運動+筋トレ)併用療法はフレイル防止に有効 ?(解説:島田 俊夫 氏)-689

肥満治療をダイエットのみで行えば高齢者では筋肉、骨量の減少を加速し、サルコペニア、オステオペニアが生じやすい。肥満は一般集団では多数の疾患の危険因子となる一方で、高齢者では肥満パラドックスが注目を浴びている。それゆえ過度な減量を避け、食事・運動療法を適宜組み合わせ、体力・筋力温存維持に努めることが健康寿命の延長につながる。本研究はDennis T. Villareal氏らによるNEJM誌2017年5月18日号に掲載された、高齢者肥満治療の重要ポイントを指摘した興味深い論文である。

大規模個別患者データに基づくBayes流メタ解析が“非ステロイド性消炎鎮痛薬(COX-2を含む)が総じて急性心筋梗塞発症リスクを増加させる”と報告(解説:島田 俊夫 氏)-685

本論文では、急性心筋梗塞(AMI)発症の既往歴を有する6万1,460例を含む44万6,763例(38万5,303例はコントロール)の信頼できる大規模個別データ(カナダおよび欧州)を対象にAMIを主な評価項目とし、COX-2選択的阻害薬と従来型NSAIDsの使用と非使用者でAMI発症リスク差を検証するためにBayes流メタ解析が行われた。

高齢者の肥満、有酸素運動+筋トレの併用が有効/NEJM

 肥満高齢者に対し食事による減量プログラムと運動療法を行う際、有酸素運動と筋力トレーニングを併せて実施することで、有酸素運動または筋力トレーニングのみを実施する場合に比べ、半年後の身体機能はより大幅に向上することが示された。米国・ベイラー医科大学のDennis T. Villareal氏らが、160例の高齢者を対象に行った無作為化比較試験で明らかにしたもので、NEJM誌2017年5月18日号で発表した。肥満はフレイルの原因となるが、減量は加齢に伴う筋量および骨量の低下を加速させ、結果としてサルコペニアやオステオペニアを生じさせるのではと指摘されていた。

CDC「手術部位感染予防のためのガイドライン」18年ぶりの改訂

 米国疾病管理予防センター(CDC)は、「手術部位感染予防のためのガイドライン」を1999年以来18年ぶりに改訂し、エビデンスに基づく勧告を発表した。手術部位感染(SSI)治療のための人的および財政的負担の増加を背景に、専門家の意見を基に作成された1999年版から、エビデンスベースの新たなガイドラインに改訂された。著者らは「これらの勧告に基づく手術戦略を用いることで、SSIのおよそ半分が予防可能と推定される」と記している。

NSAIDで心筋梗塞リスクが増大?44万例の調査/BMJ

   NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)は急性心筋梗塞のリスクを増大させ、COX-2選択的阻害薬セレコキシブのリスクは従来型NSAIDと同等で、rofecoxib(米国で心血管系の副作用のため2004年に販売中止、日本では未発売)に比べて低いことが、カナダ・モントリオール大学のMichele Bally氏らの調査で明らかとなった。最初の1ヵ月が最もリスクが高く、用量が多いほど高リスクであることもわかった。研究の成果は、BMJ誌2017年5月9日号に掲載された。従来型およびCOX-2選択型NSAIDは、いずれも急性心筋梗塞のリスクを増大させることを示唆するエビデンスがあるが、用量や治療期間の影響、各薬剤のリスクの違いはよく知られていないという。

直近10年、新薬の32%に販売中止・枠組み警告/JAMA

 2001年からの10年間に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受けた222種の新規治療薬のうち、安全性への懸念から、市販開始後に販売中止や枠組み警告の追加などに至ったものが32%あったことが明らかにされた。なかでも、生物学的製剤や精神疾患治療薬、迅速承認や当局承認締め切り間際に承認を受けたものでその発生率が有意に高く、著者は「これらの新しい治療薬は、生涯にわたる継続的な安全性モニタリングが必要であることを強調するものである」と述べている。米国・ブリガム・ウィメンズ病院のNicholas S. Downing氏らによる検討で、JAMA誌2017年5月9日号に発表された。

高感度心筋トロポニンT、非心臓手術後の死亡と関連/JAMA

 非心臓手術施行例では、術後3日間の高感度心筋トロポニンT(hsTnT)のピーク値が30日死亡リスクと関連することが、カナダ・マックマスター大学のP.J.Devereaux氏らが行ったVISION試験で示された。心筋虚血の臨床所見がみられない場合でも、hsTnT値上昇は30日死亡と関連したという。研究の成果は、JAMA誌2017年4月25日号に掲載された。非心臓手術後心筋障害(myocardial injury after noncardiac surgery:MINS)は、術後30日以内に発症した心筋虚血に起因する心筋障害と定義され、死亡との独立の関連が確認されている。非高感度心筋トロポニンTアッセイに基づくMINSの診断基準が確立されているが、米国食品医薬品局(FDA)は最近、hsTnTの使用を承認し、世界的に多くの病院でhsTnTアッセイが用いられている。

ワルファリン服用者の骨は脆い?(解説:後藤 信哉 氏)-676

ワルファリンは、ビタミンK依存性の凝固因子の機能的完成を阻害する抗凝固薬である。ワルファリン服用者にはビタミンKの摂取制限を指導する。ビタミンKは「ビタミン」であるため、摂取制限により「ビタミン」不足の症状が起こる場合がある。ビタミンKを必要とする生体反応として骨代謝は重要である。

発症メカニズムから考える乾癬の治療戦略

 2017年4月10日、メディアセミナー「乾癬治療における生物学的製剤の最新エビデンスと今後の展望~乾癬の発症機序から考える最新治療戦略~」が開催された(主催:アッヴィ合同会社)。本セミナーでは、演者である佐藤 伸一氏(東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 教授)が、「乾癬治療における生物学的製剤治療の意義」と題した講演を行った。