小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:133

小児てんかんの死亡率を低下させるために

 米国疾病予防管理センター(CDC)のAnbesaw W. Selassie氏らは、2000~2011年までのサウスカロライナ州における小児てんかんの死亡率、ならびにチーム医療がアウトカムに及ぼした影響などについて調査を行った。その結果、小児てんかんの全死亡率は8.8/1,000人年で、死亡の年間リスクは0.84%であることを報告した。そのうえで、チーム医療介入がアウトカムを改善すること、とくに併存症(co-occurring conditions)を有する患者への適切かつタイムリーな介入が早期死亡リスクを減少させうるとした。Morbidity and Mortality Weekly Report 2014年11月7日号の掲載報告。

肺炎球菌ワクチン導入で直接および間接的な効果/NEJM

 南アフリカ共和国では、2009年に小児への7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)定期接種が導入され、2011年からはPCV7に代わりPCV13の定期接種が行われている。同国National Health Laboratory Service(NHLS)のAnne von Gottberg氏らは、ワクチン定期接種導入前後の侵襲性肺炎球菌感染症発症の変化を調べた。その結果、2歳未満児と22~45歳の年齢群での効果が最も大きく、それぞれPCV7タイプの肺炎球菌髄膜炎の減少は89%、57%であったことなどを報告した。NEJM誌2014年11月13日号(オンライン版2014年11月11日号)掲載の報告より。

臍帯血移植1単位vs. 2単位/NEJM

 小児・青少年の造血器腫瘍患者に対する臍帯血移植について、1単位vs. 2単位移植後の生存率は同等であったことが、米国・ミネソタ大学のJohn E. Wagner氏らによる第III相の非盲検無作為化試験の結果、示された。また1単位移植群のほうが、血小板回復が良好で、移植片対宿主病(GVHD)のリスクも低かったという。本検討は、移植時の造血細胞数が1単位よりも2単位のほうが多くなることから転帰が改善するとの仮説に基づき行われたものであった。NEJM誌2014年10月30日号掲載の報告。

16歳までの自傷経験者、18歳でうつが2~4倍/BMJ

 16歳の時点で自傷行為を行ったことのある人は、その後にメンタルヘルス面の問題やアルコールなどの物質の有害使用、および自傷行為のリスク増大と関連していることが明らかにされた。こうした関連は、とくに自殺念慮がある自傷行為経験者で強かったという。英国・ブリストル大学のBecky Mars氏らが、4,799例を対象とした追跡試験の結果、報告したもので、これまで青少年期の自傷行為と長期の臨床的・社会的アウトカムとの関連については明らかにされていなかった。BMJ誌オンライン版2014年10月21日号掲載の報告より。

小児てんかんの予後予測、診断初期で可能

 小児期てんかん発作の最終的なアウトカムは、治療を要することなくすべての発作が完全寛解することである。一方で、てんかんの臨床経過において、どのくらいの頻度で発作が起きるのか、またいかに早期に発作を予測するかは、家族が小児てんかんの特徴を理解すること、ならびに何を予期すべきかを把握する助けとして価値がある。米国・シカゴにあるアン&ロバート H. ルリー小児病院のBerg AT氏らは、小児期てんかんの最終的なアウトカムとしての完全寛解を予測しうるかどうかを検討する前向きコホート研究を行った。その結果、最初の診断から5年以内の情報(発症年齢や子供の学校での状況、てんかんのタイプなどを含む)により、完全寛解が得られるか否かを予測しうることを報告した。Brain誌オンライン版2014年10月22日号の掲載報告。