小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:135

今、学ぶ 『小児1型糖尿病の実態』

 2013年7月2日(火)都内にて、「小児1型糖尿病の実態」をテーマにセミナーが開かれた(サノフィ株式会社開催)。演者である駿河台日本大学病院の浦上 達彦氏(小児科 准教授)は、インスリンポンプやBBTが治療の主流になっている現状に触れたうえで、「子どもでも、ライフスタイルや血糖値の動きを見ながら、患者さんに合わせて注射法を選択する時代がきている」と述べた。

若年性特発性関節炎患児へのMMRワクチンブースター接種、安全性を確認/JAMA

 若年性特発性関節炎(JIA)患児への弱毒生麻疹・流行性耳下腺炎・風疹(MMR)ワクチンのブースター接種について、疾患活動性を悪化することなく免疫獲得に結びつくことが、オランダ・ユトレヒト大学ヴィルヘルミナ小児病院のMarloes W. Heijstek氏らによる多施設共同無作為化試験の結果、示された。オランダではMMRブースターの定期接種(NIP)は9~10歳時に行われる。しかしMMRワクチンの安全性について、小規模の先行試験においてワクチンの風疹要因が関節炎を引き起こすことが示されていた。JAMA誌2013年6月19日号掲載の報告。

小児てんかん患者、最大の死因は?

 米国・ルリー小児病院(シカゴ)のAnne T. Berg氏らは、小児てんかん患者の死因とリスクについて検討を行った。その結果、神経障害または脳の基礎疾患を有するてんかんの場合は一般人口に比べて死亡率が有意に高いこと、発作関連の死亡よりも、むしろ肺炎または他の呼吸器疾患による死亡のほうが多いことを報告した。Pediatrics誌オンライン版2013年6月10日号の掲載報告。

乳児の急性細気管支炎治療、アドレナリン吸入は食塩水吸入と同程度/NEJM

 乳児の急性細気管支炎の治療について、ラセミ体アドレナリン(商品名:ボスミン)吸入は、食塩水吸入よりも有効でなかったことが示された。一方で、吸入治療戦略に関して、固定スケジュールよりも必要に応じて行うオンデマンド吸入が優れていると考えられることも明らかになった。ノルウェー・オスロ大学病院のHavard Ove Skjerven氏らが、多施設共同無作為化試験の結果、報告した。乳児の急性細気管支炎は大半はRSウイルスが原因で、入院率が高く換気補助を必要とし、致死的なこともある。治療では気管支拡張薬の使用は推奨されておらず、食塩水吸入の治療が行われることが多いが、吸入治療の効果の可能性については、薬剤の種類、投与の頻度に関するコンセンサスは得られていないのが現状であった。NEJM誌2013年6月13日号掲載の報告より。

ITを活用した肥満児のプライマリ共同ケアモデル、効果には疑問/BMJ

 3~10歳の肥満児に対する、一般開業医と体重マネジメント専門サービス(小児科医3人、栄養士2人)による「共同ケアモデル」の介入は、実行可能で有害性はなく、家族と一般医からの評価は高いが、対照群と比較してBMIならびに他のアウトカムを改善しなかったことが明らかになった。オーストラリア・王立小児病院のMelissa Wake氏らが無作為化試験の結果、報告した。同国では、専門的な肥満治療クリニックにアクセスできる肥満児が限られているという。共同ケアモデルはITを駆使したもので、アクセス改善が期待されたが、その有効性は検証されていなかった。BMJ誌オンライン版2013年6月10日号掲載の報告より。

小児がんサバイバー、成人後の転帰の実態が明らかに/JAMA

 小児がんを克服した成人は、慢性疾患の有病率が90%以上に上り、多くの未診断の問題を抱えており、その割合は高齢になるほど増加する傾向にあることが、米国・セントジュード小児研究病院のMelissa M. Hudson氏らの検討で明らかとなった。小児がんの既往歴のある成人は、がん治療関連の有害な転帰のリスクを抱えるとされる。これら小児がんサバイバーにおける成人後の全身的な慢性疾患の罹患状況に関して、包括的な調査はこれまで行われていなかったという。JAMA誌2013年6月12日号掲載の報告。

抗菌薬適正使用推進プログラム、広域抗菌薬の適応外使用を改善/JAMA

 小児プライマリ・ケア外来への抗菌薬適正使用推進プログラム(antimicrobial stewardship program)の導入により、細菌性急性気道感染症(ARTI)の診療ガイドライン遵守状況が改善されることが、米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らの検討で示された。米国では小児に処方される薬剤の多くが抗菌薬で、そのほとんどが外来患者であり、約75%がARTIに対するものだという。ウイルス性ARTIへの抗菌薬の不必要な処方は減少しつつあるが、細菌性ARTIでは、とくに狭域抗菌薬が適応の感染症に対する広域抗菌薬の不適切な使用が多いとされる。JAMA誌2013年6月12日号掲載の報告。

百日咳ワクチン接種の副反応・かゆみを伴う硬結、その予後は?

 スウェーデン、イエーテボリで行われた先行研究において、1990年代に水酸化アルミニウムを含む沈降精製の百日咳トキソイドワクチンを接種した小児約7万6,000人のうち745例で、接種部位に持続性のかゆみを伴う硬結の発現がみられたことが報告されている。サールグレンスカ大学病院のAnette Gente Lidholm氏らは、当該小児の、ワクチンによって引き起こされたアルミニウムアレルギーの予後を調査した。Contact Dermatitis誌2013年5月号の掲載報告。

EV71ワクチン、乳幼児対象の第3相試験で高い有効性と良好な安全性を報告/Lancet

 エンテロウイルス71(EV71)ワクチンの有効性と安全性、免疫原性について検討した第3相無作為化試験の結果、有効性は高く、安全性は良好で、免疫原性の維持が確認されたことを、中国・江蘇省疾病管理予防センター(CDC)のFeng-Cai Zhu氏らが報告した。EV71感染症は1974年に疾患報告されて以降、世界的に手足口病(HFMD)と関連した発生が、とくに乳幼児で多く報告され、過去10年では600万例以上の感染、2,000例以上の死亡が報告されているという。不活化アラムアジュバントEV71ワクチンは中国で開発され、成人および小児を対象とした第1相、第2相試験で安全性と免疫原性が確認されていた。今回の第3相試験は乳幼児を対象に、EV71と関連した疾患予防を目的とした評価が行われた。Lancet誌オンライン版2013年5月29日号掲載の報告より。

妊娠初期のヨウ素欠乏、出生児の低い言語・読解力と関連/Lancet

 英国・サリー大学のSarah C Bath氏らは、母体の妊娠初期の尿中ヨウ素量と、出生児の8歳時の知能指数(IQ)および9歳時の読解力との関連を調べた結果、150μg/g未満群は同量以上群と比べて、出生児のIQなどが低いことを明らかにした。甲状腺ホルモンの構成成分であるヨウ素は、胎児の発育に欠かせないもので、英国では長い間、母体のヨウ素量は充足していると考えられていた。しかし近年、軽度に欠乏している可能性を示唆するエビデンスが増えていたという。今回の結果を踏まえて著者は「英国の妊産婦のヨウ素欠乏について、注意を要する重大な公衆衛生問題として対策を行う必要がある」と提言している。Lancet誌オンライン版2013年5月22日号掲載の報告より。