小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:145

小児におけるレベチラセタム静注の有効性と安全性を確認

 小児における急性反復痙攣およびてんかん重積状態に対するレベチラセタム静注の有効性と安全性が、観察研究の結果、確認された。英国・Alder Hey小児病院のMcTague A氏らによる報告で、「長時間作用性抗痙攣薬としてフェニトイン静注にとって代わるものかを無作為化臨床試験で判定すべきである」と提言した。Seizure誌2012年9月号(オンライン版2012年6月19日号)掲載報告より。  観察研究は2年にわたって行われ、急性反復発作(ARS)あるいは痙攣性または非痙攣性てんかん重積状態(SE)の治療として、レベチラセタム静注を受けた全患者を評価した。発作タイプ、てんかん症候群と基礎原因、レベチラセタム静注の初期負荷投与量およびその有効性と安全性、また最終フォローアップ時の本剤投与状況について調べた。

障害児は暴力を受けるリスクが高い?:約1万8,000人のメタ解析

 障害児は非障害児に比べ暴力の犠牲になる可能性が高いことが、英国・リバプール・ジョン・ムーアズ大学のLisa Jones氏らの調査で示唆された。ただし、このメタ解析では各試験結果に顕著な異質性を認めたため結果の妥当性には疑問が残るという。中等度~重度の障害を持つ子どもは世界で9,300万人を下らず、障害児は非障害児に比べ暴力の犠牲となるリスクが高いという。効果的な予防プログラム開発の初期段階として、信頼性の高い評価基準の策定が必須とされる。Lancet誌2012年9月8日号(オンライン版2012年7月12日号)掲載の報告。

小児期の吸入グルココルチコイド服薬と発育との関連/NEJM

 思春期前の小児における吸入グルココルチコイドの使用は、服薬開始後数年間の発育を低下し、大人になった時の身長は低くなるが、発育の低下は進行も累積もしないことが明らかにされた。米国・ニューメキシコ大学のH. William Kelly氏ら小児喘息マネジメントプログラム(CAMP)研究グループが、「服薬開始後1~4年の発育の低下が、成人でも発育を低下するとは考えられない」として、同プログラム参加者を対象に調査した結果で、NEJM誌2012年9月6日号(オンライン版2012年9月3日号)にて発表した。

ロタウイルスワクチン接種、小児の胃腸炎による入院予防に効果

 ロタウイルスワクチン(商品名:ロタリックス、ロタテック)接種は、ロタウイルス胃腸炎小児の入院の予防に有効なことが、ベルギー・アントワープ大学のTessa Braeckman氏らの検討で示された。ロタウイルスは世界的に、小児の重篤な急性胃腸炎の最大の原因であり、高所得国では死亡例はまれだが、WHOはすべての国がロタウイルスワクチンを導入するよう勧告している。低・中所得国ではワクチンのルーチン接種の有効性が示されているが、高所得国におけるエビデンスは少なく、ベルギーはEUで最初のルーチン接種導入国だという。BMJ誌2012年9月1日号(オンライン版2012年8月8日号)掲載の報告。

小学生の貧血、校長への報奨金で改善

 健康サービスの提供者に、助成金のほかに成果に応じた報奨金を支払うことで、子どもの貧血が改善される可能性があることが、米国スタンフォード大学医学部のGrant Miller氏らが中国の農村地域で行った調査で示された。開発途上国には、健康状態の改善に寄与する安価で優れた効果を持つ技術やサービスはあるものの、それを遂行し普及させる技能が一般に弱いとされる。目標の達成に対して、その方法を問わずに支払われる報奨金は、サービスの提供における創造性や技術革新の促進に向けた動機づけを強化する可能性があるが、開発途上国ではこれまで、健康アウトカムに直接的に準拠した、能力に応じた報奨金の有効性の評価は行われていなかったという。BMJ誌2012年8月18日号(オンライン版2012年7月27日号)掲載の報告。

心臓移植待ち小児の生存率、新たな補助人工心臓で有意に上昇

 心臓移植待機リスト上位に位置する重度心不全の小児に対し、新たに開発設計された体外式補助人工心臓装置は、これまでの体外式心肺補助(ECMO)と比べて有意に高い生存率を示したことが、米国・テキサス小児病院のCharles D. Fraser, Jr.氏らによる前向き試験の結果、報告された。移植までのブリッジ使用可能な機械的循環補助オプションは小児では限られており、唯一の頼みの綱とされていたのがECMOだった。しかし、その使用は重大合併症が起きるまでの10~20日間に限られ、移植までに結びつくのは40~60%という。NEJM誌2012年8月9日号掲載の報告。