小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:27

2023年度コロナワクチン接種スケジュールを発表/厚労省

 厚生労働省は3月7日、新型コロナワクチンの2023年4月以降の接種についてスケジュールの方針を発表した。2023年度も、すべての国民に自己負担なしで新型コロナワクチンを接種できる「特例臨時接種」が延長される。  12歳以上については、重症化リスクの高い高齢者(65歳以上)や基礎疾患を有する人、および医療従事者は、5月8日からオミクロン株対応2価ワクチン接種を開始する。年2回の接種が可能となる。高齢者は春~夏に1回、秋~冬に1回の接種が推奨されている。いずれの対象者も、最終接種からの接種間隔は少なくとも3ヵ月以上となる。

ChatGPTが医師の代わりに?抗菌薬処方の助言を求めると…

 人工知能(AI)言語モデルを用いたチャットサービス『ChatGPT』は、米国の医師免許試験において医学部3年生に匹敵する成績を収めるなど、注目を集めている。そこで、抗菌薬への耐性や微生物の生態、臨床情報を複合的に判断する必要のある感染症への対応について、8つの状況に関する質問をChatGPTへ投げかけ、得られる助言の適切性、一貫性、患者の安全性について評価した。その結果、ChatGPTは質問の状況を理解し、免責事項(感染症専門医へ相談することを推奨)も含めて一貫した回答を提供していたが、状況が複雑な場合や重要な情報が明確に提供されていない場合には、危険なアドバイスをすることもあった。本研究は英国・リバプール大学のAlex Howard氏らによって実施され、Lancet infectious diseases誌オンライン版2023年2月20日号のCORRESPONDENCEに掲載された。  臨床医がChatGPTに助言を求めるという設定で、以下の8つの状況に関する質問を投げかけた。

日本人・小中高校生の頭痛有病率~糸魚川紅ズワイガニ研究

 新潟・糸魚川総合病院の勝木 将人氏らは、小児および青年期の頭痛、片頭痛、薬物乱用頭痛の有病率を調査するため、小学校から高校までの日本人学生を対象に、学校ベースのオンラインアンケートを実施した。また、片頭痛を引き起こすトリガーについて調査するとともに、頭痛頻度に対するCOVID-19パンデミックの影響も併せて検討を行った。その結果、小児および青年期において、頭痛による生活への支障は大きいことが明らかとなった。結果を踏まえ著者らは、頭痛の臨床診療におけるアンメットニーズを修正する必要があるとしている。Clinical Neurology and Neurosurgery誌オンライン版2023年1月20日号の報告。

子どもの免疫は新型コロナウイルスに素早く反応するが記憶は苦手

 子どもの免疫は、新型コロナウイルスの初回感染時にそれを排除する働きが優れている半面、成人のように一度感染したウイルスを記憶して再感染に備えることは苦手のようだ。ガーバン医学研究所(オーストラリア)のTri Phan氏らの研究による知見であり、同氏は「子どもたちは初回感染時のウイルス排除に優れている代償として、2回目にウイルスに曝露された時に免疫が機能するための記憶をする機会を失っていると言える」と話している。詳細は「Clinical Immunology」1月号に掲載された。

5~11歳へのファイザーBA.4/5対応2価ワクチン承認/厚生労働省

 厚生労働省は2月28日、5~11歳を対象としたファイザーの新型コロナウイルスmRNAワクチン「販売名:コミナティ筋注5~11歳用(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)」について、追加接種(追加免疫)として承認したことを発表した。本剤は、5~11歳の初回免疫に使用することはできない。  本剤の追加免疫の用法および用量は、同社製の5~11歳用1価ワクチンと変わらず、添付文書に以下のように記されている。 6. 用法及び用量 本剤を日局生理食塩液1.3mLにて希釈する。 追加免疫として、1回0.2mLを筋肉内に接種する。

米国成人の3人に1人以上がアレルギー疾患に罹患

 自分の周りにいる人は全員、何かしらのアレルギー症状を持っている気がする。そう感じるのは、あながち間違いではないようだ。米国では成人の3人に1人、小児の4人に1人が季節性アレルギーや食物アレルギー、アトピー性皮膚炎に罹患しているとする2件の調査報告書が、米疾病対策センター(CDC)の下部組織である国立衛生統計センター(NCHS)により公表された。小児と成人でのアレルギー疾患の有病率に関するこれらの報告書はいずれも、「NCHS Data Brief」1月号(No.459、No.460)に掲載された。

5歳未満へのコロナワクチン、3回接種の発症予防効果73.2%/NEJM

 生後6ヵ月~4歳児に対する新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」3μgの3回接種は安全で免疫原性があり、症候性COVID-19に対し有効であることを、米国・Baylor College of MedicineのFlor M. Munoz氏らが、約4,500例を対象とした試験の結果を報告した。3回目接種後1ヵ月時点の、免疫ブリッジング成功基準も満たし、反応原性イベントの大部分が軽度~中等度で、Grade4のイベントは認められなかった。NEJM誌2023年2月16日号掲載の報告。  研究グループは、6ヵ月~11歳の健康な小児を対象にBNT162b2ワクチンの第I相用量設定試験を完了し、現在第II~III相の安全性・免疫原性・有効性試験を行っている。

行政・学校・病院が連携して行う疾患啓発~糸魚川ジオパーク頭痛啓発キャンペーン

 頭痛は、一般的な公衆衛生上の問題である。その負荷を軽減するためには、頭痛に関する意識を高め、急性症状の管理や予防可能な薬剤を適切に使用することが求められる。しかし、一般の人々における頭痛に関する意識向上の研究は、これまでほとんど行われていなかった。新潟・糸魚川総合病院の勝木 将人氏らは、2021年8月~2022年6月に、2つの介入による「糸魚川ジオパーク頭痛啓発キャンペーン」をプロスペクティブに実施し、有効性の評価を行った。著者らは、本キャンペーンの実施により一般の人々の頭痛に関する認知率が向上したとし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でほぼすべての住民が集まるワクチン集団接種会場や、学校を基盤とした対面のないオンデマンドe-ラーニングでの疾患啓発活動は、きわめて効果的な方法であると報告している。Headache誌オンライン版2023年1月27日号の報告。

ガーデニングと料理の授業で小学生が健康に

 小学校でガーデニングと料理の授業を行うと、子どもたちの血糖値やコレステロール値が良好になるという研究結果が報告された。米テキサス大学オースティン校のJaimie Davis氏らの研究によるもので、結果の詳細は「JAMA Network Open」に1月10日掲載された。  Davis氏は、「砂糖を多く含む食事や飲料の摂取によって、成人だけでなく子どもたちの2型糖尿病のリスクが高くなることが分かっている。われわれは、学校でガーデニングと料理を教えることを通じて、野菜や果物がどのように育ち、食べるまでにはどのような手間がかかるのかを理解させ、子どもたちの食生活に影響を与えることを意図した。さらにそれによって、2型糖尿病などのリスクを抑制し得るかを評価したかった」と、研究目的を語っている。

5歳未満でCOVID-19と他のウイルスに重複感染すると重症化しやすい

 米疾病対策センター(CDC)による新たな研究から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のために入院した5歳未満の子どもが他の呼吸器感染症に重複感染すると、重症化リスクが高くなることが明らかになった。5歳以上では有意なリスク上昇は認められないという。  子どもに多い呼吸器感染症の原因として、ライノウイルス、エンテロウイルス、RSウイルスなどがあり、これらは一般に「風邪」として扱われる。COVID-19パンデミックとともに、マスク着用、身体的距離の確保をはじめとする厳格な対策が実施されたことで、これらの感染症も一時は減少し、ほとんど患者が見られなくなったものもある。しかし規制緩和によって再び増加し、米国では通常のシーズン以上にRSウイルスの感染が拡大。子どもたちが、COVID-19とそれらのウイルス感染症に重複して罹患する可能性が高まっている。