世界保健機関(WHO)が推奨する5つのタイミング(患者に触れる前、清潔/無菌操作の前、体液に曝露された可能性のある場合、患者に触れた後、患者周辺の環境や物品に触れた後)で手袋をしたままアルコール擦式消毒を行うことは、ゴールドスタンダードである手袋の交換と比較すると効果は劣ったが、試験参加者が通常行っている対応と比較すると大幅に汚染を減少させた。米国・メリーランド大学のKerri A. Thom氏らによるInfection Control & Hospital Epidemiology誌オンライン版2023年11月23日号の報告。
著者らは、成人および小児の外科、中間治療、救急治療ユニットを有する4つの病院の医療従事者を対象に、混合研究法を用いた多施設共同無作為化比較試験を実施した。参加者は介入群(WHO推奨の5つの手指衛生タイミングで、手袋の上からアルコール消毒し、手をこする)、ゴールドスタンダード(GS)群(WHO推奨の5つの手指衛生タイミングで、手袋を外し、手指衛生を実施し、新しい手袋を着用する)、通常対応群(参加者が通常行っているとおりに手指衛生・手袋の交換を行う)の3群に無作為に割り付けられ、総コロニー数および病原性細菌の有無を評価。GS群と介入群および通常対応群と介入群が比較された。