精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:164

統合失調症の新たな治療標的としてのPPARαの可能性

 統合失調症の病態生理は、いまだによくわかっていない。理化学研究所の和田 唯奈氏らは、統合失調症患者における核内受容体の一つであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)/レチノイドX受容体(RXR)の役割について分析を行った。EBioMedicine誌2020年11月19日号の報告。  日本人統合失調症患者1,200例のDNAサンプルを用いて、分子反転プローブ(MIP)ベースのターゲット次世代シークエンシング(NGS)により、PPAR/RXR遺伝子のスクリーニングを行った。その結果について、日本のコホートデータ(ToMMo)やgnomADの全ゲノムシークエンスデータベースとの比較を行った。PPAR/RXR遺伝子の機能低下と統合失調症との関係を明らかにするため、Ppara KOマウスとフェノフィブラートを投与したマウスを用いて、行動学的、組織学的およびRNA-seq解析により評価を行った。

COVID-19パンデミックによるメンタルヘルスへの影響~メタ解析

 COVID-19に関連したうつ病、不安神経症、不眠症、PTSD、精神的苦痛(PD)の有病率を推定するため、カナダ・オタワ大学のJude Mary Cenat氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2020年11月26日号の報告。  Medline、Embase、APA PsycInfo、CINAHL、Scopus、Web of Scienceより検索を行った。うつ病、不安神経症、不眠症、PTSD、PDの有病率について性別、医療従事者、調査対象地域におけるグループ間の違いを評価するため、ランダム効果メタ解析を実施した。  主な結果は以下のとおり。

COVID-19の症状悪化をフルボキサミンが抑制する可能性/JAMA

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬のフルボキサミンが、サイトカイン産生を調節するσ-1受容体を刺激することにより、軽度のCOVID-19患者の臨床的悪化を抑制する可能性が示唆された。米国セントルイス・ワシントン大学のEric J. Lenze氏らは、症状を有するCOVID-19の成人外来患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、フルボキサミンで治療された患者がプラセボより臨床的悪化が少なかったことを報告した。ただし、本研究はサンプルサイズが小さく観察期間が短いため、臨床効果を判断するために大規模無作為化試験が必要としている。JAMA誌2020年12月8日号に掲載。

コロナ禍で増えた失業・自殺・労災請求、今後の見通しは?/日医

 日本医師会・松本 吉郎常任理事が、コロナ禍における今日の社会経済情報として、失業、自殺、労災認定などのデータを示しながら、日本医師会の見解を述べた。  まず、完全失業率(季節調整値)のデータを示し、本年10月は男3.4%、女2.7%(男女計3.1%)と、コロナ流行以前の1月(男2.4%、女2.2%、平均2.2%)と比較して高い状況にあることを説明。完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は45万人と、前年同月に比べ22万人増加している。割合としては男性より低い女性も、完全失業者数は「15~24歳」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べ増加していることを示した。

軽度から中等度のアルツハイマー病に対する抗Aβ標的薬の有用性~メタ解析

 軽度から中等度のアルツハイマー病に対するAβ標的薬の有効性および安全性を評価するため、中国・広州中医薬大学のLiming Lu氏らが、メタ解析を実施した。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌2020年12月号の報告。  2020年4月までの研究を各電子データベースより検査した。プールされた推定値の算出には、ランダム効果メタ解析を用いた。  主な結果は以下のとおり。

維持期双極性障害に対する薬物療法~ネットワークメタ解析

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、維持期の双極性障害患者に対する薬物療法において、どの抗精神病薬および/または気分安定薬が優れているかを調査した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2020年11月11日号の報告。  2020年5月22日までに公表された研究を、Embase、PubMed、CENTRALより検索した。2つのカテゴリーにおけるネットワークメタ解析を実施した。カテゴリー1には、単剤療法の研究および2種類の使用薬剤が特定された研究を含めた。カテゴリー2には、リチウム(LIT)またはバルプロ酸(VAL)と第2世代抗精神病薬(SGA:アリピプラゾール、ルラシドン、オランザピン、クエチアピン、ziprasidone)を併用し、プラセボ+LIT/VALと比較した研究を含めた。主要アウトカムは、いずれかの気分エピソードの再発再燃率とした。その他のアウトカムは、うつ病エピソードおよび躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率、中止率、死亡率、各有害事象とした。リスク比と95%信頼区間(CI)を算出した。

統合失調症の心臓突然死リスク、抗精神病薬と年齢との関係

 抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響について、台湾・台北医科大学のPao-Huan Chen氏らが調査を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2020年11月号の報告。  対象は、台湾全民健康保険研究データベースおよび死亡診断書システムより抽出した、2000~16年に心臓突然死で死亡した統合失調症患者1,836例。14日間のウインドウ期間を設定したクロスオーバー研究を実施した。サブグループ解析では、患者の年齢で3群(45歳未満、45~65歳、66歳以上)に層別化し、抗精神病薬を服用している患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響を評価した。

うつ病、不安症、パニック症に対するインターネットベースの認知行動療法

 セラピストによるインターネットベースの認知行動療法(ICBT)は、うつ病、社交不安症、パニック症に対し有用であるといわれているが、その治療効果に対するリアルワールド環境の影響や予測因子については、あまりわかっていない。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAndrea N. Niles氏らは、うつ病、社交不安症、パニック症患者に対するICBTの有用性と症状改善の予測因子について、検討を行った。Behaviour Research and Therapy誌オンライン版2020年11月21日号の報告。  教育クリニック(teaching clinic)において10週間のICBTを行ったうつ病患者114例、社交不安症患者150例、パニック症患者106例を対象としたプロスペクティブコホート研究を実施し、治療効果と症状改善の予測因子について検討を行った。患者の症状は、治療前、治療中、治療後に自己申告で収集した。

うつ病に対する非定型抗精神病薬補助療法プロラクチン、性機能への影響

 うつ病に対する非定型抗精神病薬補助療法は、エビデンスで支持されている。うつ病では、性機能障害が一般的に認められるが、これが抗精神病薬の副作用により悪化する可能性がある。米国・バージニア大学のAnita H. Clayton氏らは、うつ病患者のプロラクチンと性機能に対するブレクスピプラゾールの影響について、評価を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2020年11、12月号の報告。  短期試験において、うつ病患者にブレクスピプラゾール1、2、3mgまたはプラセボの投与を行った。長期試験では、オープンラベル延長試験として、フレキシブルドーズにてブレクスピプラゾール0.5~3mg/日を投与した。プロラクチンのベースラインからの変化およびプロラクチン関連の治療による有害事象(TEAE)を評価した。性機能の評価には、Massachusetts General Hospital Sexual Functioning Questionnaireを用いた。

高齢者の身体活動とうつ病との関係

 都市部または農村部で生活している高齢者において、日常生活での身体活動(PA)に違いがあるのか、さらにPAとうつ病との関連について、アイスランド大学のBirgitta R. Smaradottir氏らが調査を行った。Laeknabladid誌2020年10月号の報告。  2017~18年のアイスランド北部のデータを用いて、横断的人口ベースの調査を実施した。対象は、地域在住の65~92歳の高齢者175人(参加率:59.7%、女性の割合:43%)であり、地方在住者は40%であった。PAの測定には、Physical Activity Scale for the Elderly(PASE)を用い、PA合計スコアと余暇、家庭、仕事に関連するPAを反映するサブスコアを調査した。うつ症状の評価には、老年期うつ病評価尺度を用いた。