精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:383

抗精神病薬非服用の統合失調症、認知療法で症状が軽減/Lancet

 抗精神病薬を服用していない統合失調症スペクトラム障害の患者に対し、標準治療に加えて認知療法を行うことで、短期~長期の症状軽減効果が認められることが示された。英国マンチェスター大学のAnthony P Morrison氏らが行った試験で明らかにした。薬物療法が統合失調症の第一選択療法であるものの、治療薬を服用しない選択をしたり、服用を中止してしまう患者が少なくないのが現状である。著者らは、抗精神病薬を服用しないことを選択した患者で認知療法が症状を軽減できるかについて明らかにするため、今回の検討を行った。Lancet誌オンライン版2014年2月6日号掲載の報告より。

治療抵抗性うつ病患者が望む、次の治療選択はどれ

 韓国・高麗大学校のChangsu Han氏らは、初回抗うつ薬治療に部分的反応もしくは反応しなかった大うつ病性障害(MDD)患者について、患者の選択により、(1)アリピプラゾール増強(AT群)、(2)他の抗うつ薬を追加(AC群)、(3)異なる抗うつ薬に切り替える(SW群)の3つの中から選択をしてもらい、有効性、忍容性を検証した。その結果、ATを選択した患者が最も多く、臨床的有益性も同群が最も大きかったことを報告した。このような検討は、これまで行われていなかったという。Journal of Psychiatric Research誌2014年2月号の掲載報告。

統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは

 統合失調症の女性の妊娠・出産では、母体および出生児が複数の有害アウトカムを有するリスクが高いことが明らかにされた。カナダ・トロント大学のSN Vigod氏らが、後ろ向き住民コホート研究の結果、報告した。本検討は、多くの統合失調症を有する女性が妊娠するようになっており、母体および出生児のアウトカムに関する最新のデータが必要になっていたことから行われた。結果を踏まえて著者は、「注目すべきことは、健康格差を減らすための介入である」と提言している。BJOG誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。

殺虫剤でアルツハイマー病リスクが増加

 米国・ラトガース大学のJason R. Richardson氏らは、アルツハイマー病(AD)患者では殺虫剤成分の代謝物であるジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE)濃度が上昇していることに着目し、血清DDE濃度とADとの関連、およびアポリポ蛋白E(APOE)遺伝子型の関与を明らかにするためケースコントロール研究を行った。その結果、血清DDE高値はADのリスク上昇と関連していること、APOEε4アレルを保有する例でその関連が強くみられることを報告した。JAMA neurology誌オンライン版2014年1月27日号の報告。

統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学

 順天堂大学の勝田 成昌氏らは、急性期統合失調症患者における末梢血のカルボニルストレスマーカー測定の意義について、横断および縦断的研究にて検討した。これまで、慢性統合失調症患者について横断研究による同検討は行われており、末梢カルボニルストレスマーカーの変化、すなわち血清ペントシジンが高値であることはカルボニルストレスが蓄積されていることを示し、またピリドキサール(ビタミンB6)が低値であることはカルボニル化合物活性の緩和を示すことが知られていた。しかし、そうした変化について縦断的な検討はされていなかった。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。

小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬

 米国・ヒューストン薬科大学のHua Chen氏らは、小児および思春期の双極性障害患者に対する非定型抗精神病薬と気分安定薬の有効性と安全性を比較検討する、後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、非定型抗精神病薬は気分安定薬に比べ、治療中止や治療増強が少なく、より効果的で安全な治療選択肢となりうることが判明したと報告した。Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌オンライン版2014年1月24日号の掲載報告。

認知症患者への精神療法、必要性はどの程度か

 英国・ロンドン大学のVasiliki Orgeta氏らは、認知症に対する標準的ケアに精神療法を追加することで、併存することの多い不安や抑うつに有効であるか否かを明らかにするため、システマティックレビューを行った。その結果、抑うつおよび医師評価による不安は精神療法により軽減すること、その一方で自己評価あるいは介護者評価による不安の軽減には有効性を認めなかったことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年1月22日号の掲載報告。

抗精神病薬で気をつけるべき横紋筋融解症

 横紋筋融解症に対する抗精神病薬の影響は、まだ十分に理解されているわけではない。そのメカニズムとして、セロトニンやドパミン作動性遮断との関連が示唆されている。米国・クレイトン大学のKathleen Packard氏らは、抗精神病薬の使用と横紋筋融解症との関連を調べた。Journal of pharmacy practice誌オンライン版2013年1月15日号の報告。

知的障害者の約半数が向精神薬多剤併用

 知的障害者の多くは、精神疾患の診断がなされていなくても、攻撃的行動のマネジメント目的で向精神薬の投与を受けていることが知られている。しかし、これまでその投与経過については、とくに一般的な精神病薬だけでなく抗精神病薬が投与されているにもかかわらず、前向きに検討した報告がなかった。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドン/チャリングクロス病院のS. Deb氏らは、攻撃的行動がみられる成人知的障害者への向精神薬投与の特徴と経過について、6ヵ月間にわたる初となるクリニックベースの前向き研究を行った。その結果、向精神薬だけでなく、抗精神病薬(通常量または高用量)との多剤併用療法が半数近くで行われていることなどを明らかにした。Journal of Intellectual Disability Research誌オンライン版2014年1月22日号の掲載報告。