精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:84

卵がうつ病リスクと関連~日本人労働者568人を調査

 山形県立米沢栄養大学の北林 蒔子氏らは、日本人労働者における食品群別の摂取量とうつ病との関連を調査するため、アンケート調査を実施した。その結果、男性では卵、女性では卵と野菜(緑黄色野菜以外)の摂取がうつ病と関連している可能性が示唆された。BMC Nutrition誌2024年1月30日号の報告。  2020年、日本人労働者568人を対象にアンケート調査を実施した。回答した503人中423人を研究対象に含めた。性別、年齢、BMI、残業時間、睡眠時間、婚姻状況、職位、運動習慣、喫煙状況、うつ病の発症および、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、アルコール、食品群別の摂取に関する情報を収集した。うつ病の有無および重症度の評価には、うつ病自己評価尺度(CES-D)を用いた。食品群別の摂取量は、残差法を用いてエネルギー摂取量を調整し、性別ごとに、低、中、高に分類した。うつ病の有無を従属変数、食品群別の摂取量を独立変数とし、ロジスティック回帰分析により性別に応じたオッズ比(OR)と傾向を分析した。

維持期双極性障害に対する抗精神病薬の剤形による治療中止後の再発率の比較

 統合失調症患者において長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬は、患者が治療を中止した場合、同等の経口抗精神病薬と比較し再発までの期間を延長させる可能性があることが、これまでに報告されている。これと同様のパターンが、維持期治療中の双極性障害患者で観察できるかはよくわかっていない。藤田医科大学の岸 太郎氏らは、双極性障害の維持期治療におけるLAI抗精神病薬と経口抗精神病薬の中止後の再発率を比較するため、システマティックレビューを実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2024年1月28日号の報告。

朝型の人は拒食症のリスクが高い?

 夜更かしよりも早寝早起きの生活パターンになりやすい、いわゆる“朝型”の人は、神経性食欲不振症(拒食症)のリスクが高いことを示唆する研究結果が報告された。米マサチューセッツ総合病院のHassan Dashti氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に1月4日掲載された。  これまでに行われてきた観察研究から、拒食症と概日リズム(1日24時間周期の生理活動)や睡眠習慣との間に関連のあることが示されている。ただし、それらの因果関係の有無や環境因子の影響の程度などは、まだ十分に解明されていない。そこでDashti氏らは、双方向2サンプルメンデルランダム化解析という手法によって、これらの関係が遺伝的背景によって説明されるものか否かを検討した。解析には、マサチューセッツ総合病院のバイオバンク、および英国で行われている一般住民対象の大規模疫学研究「UKバイオバンク」などのデータが用いられた。

国内初の「飲酒ガイドライン」を公表/厚労省

 2月19日、厚生労働省は飲酒に伴うリスクに関する知識の普及推進を図るために「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために、個人の適切な飲酒量・飲酒行動の判断の一助となるよう作成された。  本ガイドラインの特徴として、「基礎疾患等がない20歳以上の成人を中心に、飲酒による身体等への影響について、年齢・性別・体質などによる違いや、飲酒による疾病・行動に関するリスクなどをわかりやすく伝えるとともに、考慮すべき飲酒量(純アルコール量)や配慮のある飲酒の仕方や避けるべき飲酒方法などについて示している。お酒に含まれる純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(mL)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができ、食品のエネルギー(kcal)のようにその量を数値化できることから、純アルコール量に着目しながら、自身に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心掛けることが必要とも記されている。実際に飲料メーカー各社では2021年頃よりアルコール飲料に含まれる純アルコール量の表示を開始している。

アルツハイマー病に対する新規疾患修飾薬とリチウムの有用性比較~ネットワークメタ解析

 米国食品医薬品局(FDA)により承認、または審査中の軽度認知障害およびアルツハイマー病に対する疾患修飾薬(donanemab、レカネマブ、aducanumabなど)と潜在的な疾患修飾薬であるリチウムの臨床的有用性の比較は、これまで十分に行われてなかった。iこころクリニック日本橋の寺尾 樹氏らは、アルツハイマー病に対する疾患修飾薬とリチウムの認知機能低下に対する有効性、忍容性、受容性を比較するため、ランダム効果ネットワークメタ解析を実施した。Ageing Research Reviews誌2024年2月号の報告。

日本人統合失調症患者の死亡、入院、退職、病欠と関連する因子

 統合失調症の治療において、早期死亡リスク、入院リスクに影響を及ぼす再発、離職は、重要な課題である。北里大学の稲田 健氏らは、日本人統合失調症患者における重要なアウトカムである死亡、入院、退職、病欠のリスク因子を評価した。BMC Psychiatry誌2024年1月3日号の報告。  日本のレセプトデータベースより特定した統合失調症患者を対象に、ネステッドケースコントロール研究を実施した。各アウトカムは、年齢、性別、インデックス日、雇用状況(従業員または扶養家族)が一致した最大4つのコントロールと比較した。潜在的なリスク因子は、イベント発生前または発生月から3ヵ月以内の処方箋または診断により定義した。潜在的なリスク因子と各アウトカムとの関連性は、ステップワイズ変数選択を伴う多変数条件付きロジスティック回帰分析を用いて評価した。

日本における小児に対する抗精神病薬処方の動向

 統合失調症は、幻覚・妄想やその他の症状を特徴とする精神疾患である。日本においても統合失調症の治療ガイドラインが確立されているが、小児患者に対する薬物療法は推奨されていない。さらに、小児統合失調症患者に対する抗精神病薬の処方傾向は、あまりよくわかっていない。東北医科薬科大学病院の菊池 大輔氏らは、2015~22年の日本における小児外来患者に対する抗精神病薬の処方動向を明らかにするため、本研究を実施した。その結果、日本では小児統合失調症に対して、主にアリピプラゾールとリスペリドンが処方されており、アリピプラゾールの処方割合が時間の経過とともに有意に増加していることを報告した。Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences誌2024年1月2日号の報告。

休暇中に働く医師、燃え尽き症候群のリスク高い

 超過勤務が多くなりがちな医師は、燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクが高いという報告は数多い。また、労働者全般を対象とした研究では、休暇中に仕事を完全に切り離すことも重要であり、生産性を向上させ、精神的疲労を軽減させることが報告されている。医師における休暇の取得と休暇中の労働は、燃え尽き症候群や職業的充実感とどのように関連しているのか。米国医師会のChristine A. Sinsky氏らによる研究の結果がJAMA Network Open誌2024年1月2日号に掲載された。

高齢統合失調症患者の死亡リスクに対する薬物療法の影響

 人口の高齢化に伴い、統合失調症の罹患においても高齢者の有病率が増加しており、これまで以上に薬剤選択の重要性が増している。現在、高齢統合失調症患者に関するエビデンスが不足していることから、台湾・Far Eastern Memorial HospitalのJia-Ru Li氏らは、向精神薬の使用量および累積投与量が高齢統合失調症患者のすべての原因および原因別の死亡リスクに及ぼす影響を調査するため、コホート研究を実施した。Pharmaceuticals (Basel, Switzerland)誌2024年1月8日号の報告。  対象は、統合失調症と診断された高齢者6,433例。5年間のフォローアップ調査を実施した。抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、鎮痛薬/睡眠薬の用量(低用量群、中用量群、高用量群)に関連する死亡リスクを、各用量群と投与なし群とで比較を行った。各用量群におけるすべての原因による死亡率および特定の原因による死亡率を比較するため、Cox回帰を生存分析に用いた。特定の向精神薬の投与量を変数とし、それに応じて共変量を調整した。

日本のプライマリケアにおけるベンゾジアゼピン適切処方化への取り組み

 日本において、プライマリケアにおける質の向上(QI)に対する取り組みは、まだまだ十分とはいえない。QIにおいて重要な領域の1つとして、ベンゾジアゼピンの適切な処方が挙げられており、高齢化人口の増加が顕著なわが国においてとくに重要である。地域医療振興協会の西村 正大氏らは、日本のプライマリケアクリニックにおけるベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRAs)の処方中止に対する医療提供者へのQIイニシアチブの実現可能性について検討を行った。BMC Primary Care誌2024年1月24日号の報告。  調査対象は、2020~21年にBZRAs処方中止イニシアチブに参加した日本の準公立クリニック11施設および医療提供者13人。クリニック規模に応じて層別化し、参加施設を診療監査のみまたは診療監査とコーチングの実施の2群にランダムに割り付けた。診療監査のため、2つのBZRAs関連指標を参加施設に提示した。QIの活動をサポートするため、毎月コーチングミーティングをWebベースで実施した。9ヵ月間の実施後、半構造化インタビューにより、内容分析を用いてテーマを特定した。特定されたテーマを整理し、実装研究のための統合フレームワーク-CFIR-を用いて、主要な要素を評価した。