精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

円形脱毛症の母親の出生児が抱えるリスクとは?

 韓国・延世大学校のJu Yeong Lee氏らが実施した後ろ向き出生コホート研究において、円形脱毛症(AA)を有する母親から出生した児は、AAに関連する併存疾患リスクが高いことが示された。母親のAAと児の自己免疫疾患や炎症性疾患、アトピー性疾患、甲状腺機能低下症、精神疾患の発症に関連がみられ、著者は「臨床医や保護者は、これらの疾患が発生する可能性を認識しておく必要がある」と述べている。AAは自己免疫疾患や精神疾患と関連することが知られているが、AAを有する母親の児に関する長期アウトカムの調査は不足していた。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年5月24日号掲載の報告。

辛い食物とアルツハイマー病関連の認知機能低下との関係

 アルツハイマー病または認知機能低下と辛い食物摂取や身体活動とは、関連があるといわれているが、その調査は十分に行われていない。韓国・順天郷大学校のJaeuk Hwang氏らは、身体活動の緩和効果の条件下における辛い食物とアルツハイマー病関連の記憶力低下または全体的な認知機能低下との関連を調査した。その結果、辛い食物摂取は、アルツハイマー病関連の認知機能低下(エピソード記憶)の予測因子であり、とくに身体活動量の低い高齢者では悪化する可能性があることを報告した。Scientific Reports誌2023年5月16日号の報告。

閉塞性睡眠時無呼吸は脳の状態を悪化させる可能性

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)による睡眠の質の低下は、高齢者の脳の状態を悪化させる可能性のあることが、OSA患者を対象に脳の画像検査を実施した研究で示唆された。米メイヨー・クリニック睡眠医学センターのDiego Carvalho氏らが実施したこの研究の詳細は、「Neurology」に5月10日掲載された。  睡眠時無呼吸は、空気の通り道である上気道が狭くなって生じるOSAと、呼吸中枢の異常により生じる中枢性睡眠時無呼吸(CSA)に大別される。Carvalho氏によると、睡眠時無呼吸は、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、認知障害、認知症のリスク上昇に関連していることが指摘されている。また、血圧や心拍数の上昇、酸素レベルの低下、中途覚醒などをもたらし、さまざまな面で脳に有害な影響が及ぶことも分かっているという。

不眠症の第一選択薬~日本の専門家コンセンサス

 睡眠障害の治療に関する臨床的疑問(クリニカル・クエスチョン)に対し、明確なエビデンスは不足している。琉球大学の高江洲 義和氏らは、1)臨床状況に応じた薬物療法と非薬物療法の使い分け、2)ベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量または中止に対する代替の薬物療法および非薬物療法、これら2つの臨床的疑問に対する専門家の意見を評価した。その結果、専門家コンセンサスとして、不眠症治療の多くの臨床状況において、オレキシン受容体拮抗薬と睡眠衛生教育を第1選択とする治療が推奨された。Frontiers in Psychiatry誌2023年5月9日号の報告。

アルツハイマー病治療薬lecanemabの安全性・有効性~メタ解析

 アルツハイマー病に対するlecanemabの有効性および安全性を評価するため、中国・Shengjing Hospital of China Medical UniversityのYue Qiao氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。その結果、実臨床における意義は確立していないものの、lecanemabは、早期アルツハイマー病患者の認知機能、行動に対し有効性を示すことが報告された。Frontiers in Aging Neuroscience誌2023年5月5日号の報告。  2023年2月までに公表された軽度認知障害またはアルツハイマー病患者における認知機能低下に対するlecanemab治療を評価したランダム化対照比較試験を、PubMed、Embase、Web of Science、Cochraneより検索した。臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SB)、Alzheimer's Disease Composite Score(ADCOMS)、AD Assessment Scale-Cognitive Subscale(ADAS-Cog)、臨床的認知症尺度(CDR)、アミロイドPET SUVr、PETにおけるアミロイド負荷、有害事象リスクに関するアウトカムを収集した。

身体活動が物質使用障害の治療に役立つ可能性

 飲酒による問題が生じているのに飲むのをやめられない状態や、違法薬物を用いている状態を指す「物質使用障害」から立ち直ろうとしている人に対して、身体活動がそれを後押しするように働くことを示唆するデータが報告された。ケベック大学およびモントリオール大学(カナダ)のFlorence Piche氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS ONE」に4月26日掲載された。週に3日、1時間の中強度運動で有効の可能性があるという。  Piche氏らの研究は、物質使用障害に対する身体活動の効果を検討した43件の研究の報告を総合的に解析したもの。その結果、治療中の身体活動量の多さが、対象物質の使用量減少と関連していることを見いだした。同氏は、「私はかつて物質使用障害の人たちのためのセラピーハウスに運動生理学の専門家として勤務していたが、その時、この領域では運動療法の有効性があまり考慮されていないことに気付いた」と、研究の動機を語っている。

日本人慢性片頭痛患者におけるフレマネズマブの有効性と安全性

 慢性片頭痛(CM)患者に対し、抗CGRPモノクローナル抗体製剤フレマネズマブによる治療は有効であり、効果発現が早く、忍容性が良好であることが臨床試験で示されている。近畿大学の西郷 和真氏らは、日本人CM患者におけるフレマネズマブの有効性および安全性を評価するため、2つの臨床試験(Japanese and Korean CM Phase 2b/3、HALO CM Phase 3)のサブグループ解析を実施した。著者らは、「サブグループ解析の限界にもかかわらず一貫した結果が得られており、日本人CM患者に対するフレマネズマブの有効性および忍容性が裏付けられた」と報告している。Journal of Pain Research誌2023年4月20日号の報告。

自殺念慮の検出に有用な兆候は

 自殺の兆候を有するうつ病患者は、プライマリケアの臨床現場で見逃されることが少なくない。久留米大学の藤枝 恵氏らは、初診から6ヵ月間の中年期プライマリケア患者における自殺念慮を伴ううつ病の予測因子を調査した。その結果、起床時の疲労感、睡眠状態不良、職場の人間関係の問題は、プライマリケアにおける自殺念慮を伴ううつ病の予測因子である可能性が示唆された。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2023年4月17日号の報告。

20年間で同じ統合失調症患者に対する薬物治療はどう変化したか

 最近の薬理学的疫学データによると、第2世代抗精神病薬(SGA)単剤療法で治療されている患者の割合が増加していると報告されているが、同じ患者を長期間にわたって分析した研究は、これまでほとんどなかった。獨協医科大学の古郡 規雄氏らは、同じ統合失調症患者に対する薬物療法が20年間でどう変化したかを検討するため、20年間のデータが入手可能な患者を対象とし、レトロスペクティブに評価を行った。その結果、同じ統合失調症患者であっても、20年間でゆっくりではあるが確実に第1世代抗精神病薬(FGA)からSGAへ切り替わっていることが明らかとなった。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2023年4月17日号の報告。

ベンゾジアゼピンの使用と中止の意思決定に関する患者と精神科医の認識比較

 ベンゾジアゼピン(BZD)やZ薬の長期使用は推奨されていないにもかかわらず、患者や医師がどのように認識しているかは、あまりよくわかっていない。聖路加国際大学の青木 裕見氏らは、精神科外来患者および精神科医において、BZDの使用と中止の意思決定に関する認識を評価し比較するため、横断調査を実施した。その結果、精神科外来患者の多くは、自分の意思に反して睡眠薬または抗不安薬を長期的に使用していることが示唆された。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2023年4月3日号の報告。