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2024/07/10
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放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:19

乳がん術後放射線、リンパ節領域照射の追加は有用か/NEJM

 早期乳がんの術後に行う放射線治療において、全乳房照射または胸壁照射に、リンパ節領域照射(胸骨傍・内側鎖骨上リンパ節照射)を追加しても、全生存への効果は僅差にみられる程度であることが示された。オランダ・ラドバウド大学医療センターのPhilip M Poortmans氏らが、無作為化試験の結果、報告した。これまで、リンパ節領域照射を追加した場合の生存への効果については不明であった。なお、無病生存率と遠隔無病生存率は改善し、乳がん死亡率は有意な低下がみられたという。NEJM誌2015年7月23日号掲載の報告。

幼若脳への放射線照射、どのような影響を及ぼすか

 放射線療法は小児脳腫瘍に対する一般的な治療であるが、しばしば認知機能低下を含む遅発性の後遺症を引き起こす。その機序としては、海馬でのニューロン新生の抑制が部分的に関与していると考えられている。しかし、若年者の成長過程にある脳への放射線照射が歯状回のニューロンネットワークにどのような変化をもたらすかはまだよくわかっていない。スウェーデン・ヨーテボリ大学のGinlia Zanni氏らは、マウスを用いた研究を行い、成熟脳への照射では長期増強(LTP)の減少のみが引き起こされるが幼若脳ではさらに長期抑圧(LTD)も生じ、成熟脳と幼若脳とで長期シナプス可塑性に対する全脳照射の影響が異なることを明らかにした。結果を踏まえて著者らは、「シナプス変性のメカニズムを解明する必要はあるが、今回の知見は発達過程の脳への放射線照射の影響、ならびに頭部放射線療法を受けた若年者にみられる認知機能障害の理解につながる」とまとめている。Developmental Neuroscience誌オンライン版2015年6月2日号の掲載報告。

乳腺疾患における生検、病理医による診断の精度は?(解説:廣中 愛 氏/吉田 正行 氏)-349

 乳腺疾患の治療方針の決定にあたり、針生検または切除生検の病理組織診断の果たす役割はきわめて大きい。生検で得られた標本には、悪性(浸潤がん、非浸潤がん)から良性病変、ないし正常組織まで含まれ、良性であっても異型を伴うものが存在する。マンモグラフィや検診が普及した今日では、良悪性の鑑別が困難な病変が針生検に提出される機会が増加しており、たとえばlow grade ductal carcinoma in situ(DCIS)とatypical ductal hyperplasia(ADH)では、診断者間での一致率が不良であることはしばしば指摘されている。また、良性病変でも異型を伴う病変の一部は、将来的に乳がん発生のリスクになると考えられるため、適切に診断することが求められている。しかし、これらの診断が、日常の病理診断で現在、どの程度の精度で行われているかは、十分に把握されていなかった。

乳房生検、病理医による診断の精度は?/JAMA

 乳房生検について、病理医による診断vs. 参照診断の一致率は75.3%であったことが、米国・ワシントン大学のJoann G. Elmore氏らにより報告された。検討は、病理医115人が行った240症例のスライド標本の診断6,900件について、3人のエキスパート病理医から成るコンセンサスパネルが下した診断との一致を調べて行われた。一致率は、浸潤がんで高く、非浸潤性乳管がん(DCIS)や異型過形成では低いことも判明した。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、これら一致率と患者マネジメントとの関連について理解する必要がある」と述べている。乳房の病理診断の結果は、治療やマネジメント決定の根拠となるが、その精度については十分に解明されていなかった。JAMA誌2015年3月17日号掲載の報告より。

過剰診断についての情報を含むリーフレットを使うことは乳がん検診のインフォームド・チョイスの支援となるか(解説:山本 精一郎 氏)-323

 この論文は、過去2年間、乳がん検診を受けなかった者をランダムに2群に分け、片方にはリーフレットによって検診による死亡率減少効果と偽陽性についての情報を与え、もう片方にはそれに加えて過剰診断についての情報を、やはりリーフレットによって与えることによって、乳がん検診による知識が高まるか、検診を受けるかどうかのインフォームド・チョイスをする割合が高まるかを調べた研究である。結果、知識も上昇し、インフォームド・チョイスも上昇した。知識が上がった部分は、主に過剰診断に関する項目のおかげであり、インフォームド・チョイスによって検診を受けるという意図を持った者は、少し減少したという結果であった。

マンモ受診、過剰診断率を伝えると受診者減/Lancet

 乳がんスクリーニング(マンモグラフィ)の受診について、同検査で過剰診断の可能性があることをあらかじめ伝えておくと、伝えなかった女性と比較して、インフォームド・チョイスをする女性が有意に増えることが、オーストラリア・シドニー大学のJolyn Hersch氏らによる無作為化試験の結果、明らかにされた。また、知識を与えることにより、乳がんスクリーニングを受ける女性は減少する可能性があることも示された。マンモグラフィは、乳がんによる死亡を減らすが、過剰診断や過剰治療に結び付いている、取るに足らない疾患も検出する可能性があり、そのことを大半の女性が知識として有していない。Lancet誌オンライン版2015年2月17日号掲載の報告より。

乳がん温存術後の寡分割全乳房照射施行が増加/JAMA

 乳房温存手術後の放射線照射について、分割照射回数を少なくし1回照射線量を大きくする寡分割全乳房照射(WBI)の施行が増えていることが、米国・ペンシルベニア大学のJustin E. Bekelman氏らによる調査の結果、明らかにされた。2008~2013年の14の民間ヘルスケアプランに加入する女性患者の動向を調べた結果、診療ガイドラインに適合しタスクフォースが同照射を支持する患者群では10.6%から34.5%に施行が増え、適合基準に達していなかったが同照射を認可された患者群でも8.1%から21.2%に増えていた。またコストも従来照射法に比べて有意に低く抑えられていたという。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。

低線量CT肺がん検診の費用対効果/NEJM

 低線量CTによる肺がん検診の増分費用対効果(ICER)について調べたところ、獲得生存年1年当たり5万2,000ドル、1QALY当たり8万1,000ドルと推定されることが示された。一方で、サブグループ分析や感度分析では、そのICERに大幅なばらつきが認められたという。米国・Geisel School of Medicine at DartmouthのWilliam C. Black氏らが、全米肺スクリーニング試験(NLST)のデータを基に検討し明らかにした。NLSTの結果からは、低線量CTによる肺がん検診は、胸部X線検診に比べて、肺がん死亡率を低下することが示されている。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。