呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:221

ARDSの目標PaO2値、55~70mmHgの生存率/NEJM

 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対し、動脈血酸素分圧(PaO2)の目標値を55~70mmHgに制限した酸素療法は、PaO2目標値を90~105mmHgにした酸素療法に比べ、28日生存率が上昇しないことが、フランス・フランシュ・コンテ大学のLoic Barrot氏らが行った多施設共同無作為化試験の結果、示された。ARDS患者に対する酸素療法のPaO2目標値は、55~80mmHgとすることを米国国立心肺血液研究所のARDSネットワークは推奨しているが、同閾値の妥当性を前向きに検証したデータは不足していた。研究グループは、同閾値の下限値目標がARDS患者のアウトカムを改善すると仮定して検証試験を行った。NEJM誌2020年3月12日号掲載の報告。

COVID-19患者、ウイルス排出期間中央値が20日/Lancet

 新型コロナウイルスへの感染が確認された成人入院患者について調べたところ、高齢、高Sequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコア、Dダイマー値1μg/L超が、院内死亡リスク増大と関連することが示された。また、生存者のウイルス排出期間中央値は20.0日であった。中国・北京協和医科大学付属医院のFei Zhou氏らが、患者191例について行った後ろ向きコホート研究を報告した。Lancet誌オンライン版2020年3月9日号掲載の報告。

T1N0肺がん、縮小手術の候補となるのは?

 日本人の早期肺がんの肺葉切除に関するエビデンスが示された。神奈川県立がんセンターの伊藤 宏之氏らは、薄切CTに基づき臨床病期T1N0肺がん患者の肺葉切除後の長期アウトカムを評価し、consolidation tumor ratio(胸部薄切CT上、最大腫瘍径に対する充実性成分の比=C/T比)0.5以下および腫瘍径3cm以下の患者は、予後良好で縮小手術の候補である可能性を示唆した。Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery誌オンライン版2020年1月11日号掲載の報告。

ICUにおける予防的なPPI投与はH2RAと比べて死亡抑制効果があるのか?(解説:上村直実氏)-1204

ICUに入院して人工呼吸器を装着される患者の多くに対して、致死的な出血性ストレス潰瘍の発症を予防する目的でプロトンポンプ阻害薬(PPI)またはヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)が使用されている。従来、上部消化管出血予防に対する有用性はH2RAに比べてPPIのほうが優ることが報告されている。しかし、PPIによる予防戦略が院内死亡率の低下についてもH2RAに比べて有用性が高いかどうかは明確になっていない。今回、オーストラリア、カナダ、英国、アイルランド、ニュージーランドの5ヵ国50施設のICUが参加したRCTの結果、上部消化管出血の予防には従来通りH2RAよりPPIが有効であるが、院内死亡率に関しては両者に差がないことがJAMA誌オンライン版に報告されている。

新型コロナ、無症状感染者の陰性化には9日間か―藤田医科大の症例報告

 国内における多くの新型コロナウイルス感染症の患者を出したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗員・乗客で、症状はないもののPCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された人(無症状病原体保有者)および感染者との濃厚接触歴が確認された人(濃厚接触者)を受け入れた藤田医科大学病院岡崎医療センター(愛知県岡崎市)が3月13日、このうち90例について日本感染症学会ホームページで経過を報告した。それによると、3月6日夜の時点で、90例中87例において2回連続のPCR陰性が確認された。初めて陽性と確認された日から起算して、陰性化に要した日数の中央値は9日(四分位範囲:6~11日、範囲:3~20日)であった。

がん患者が過剰摂取しやすいサプリメントは?

 多くのがん患者は、がん診断後に栄養補助食品を使い始める傾向にある。そのため、がんではない人と比べ、どのような栄養補助食品が、がんサバイバーの総栄養摂取量に寄与しているかを検証する必要がある。今回、米国・タフツ大学のMengxi Du氏らは「がんではない人と比較した結果、がんサバイバーへの栄養補助食品の普及率は高く、使用量も多い。しかし、食事摂取量は少ない」ことを明らかにした。研究者らは「がんサバイバーは食事からの栄養摂取が不十分である。とくに高用量を摂取する栄養補助食品の短期~長期的使用による健康への影響について、がんサバイバー間でさらに評価する必要がある」としている。Journal of Nutrition誌オンライン版2020年2月26日号掲載の報告。

オシメルチニブ、uncommon EGFR変異にも有効か/JCO

  uncommon変異はEGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者の約10%にみられる。 EGFR変異陽性のNSCLCにおけるオシメルチニブの有用性は広く知られているが、 uncommon変異についてはどうか。 uncommon EGFR変異を有するNSCLC患者に対するオシメルチニブの有効性と安全性を評価した韓国の多施設単群非盲検第II相試験がJournal of Clinical Oncology誌2019年2月10日号で発表された。 対象:exon19 del、L858R、T790M変異以外の転移または再発NSCLC

現場に即した新型コロナ対策シンポジウムを配信/ファイザー

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供の一環として、3月23日(月)、31日(火)に医療者向けインターネットシンポジウムを開催する。両日とも、現場の第一線で活躍する忽那 賢志氏らが講演を行う予定で、同社の無料会員制サイト『PfizerPRO』から視聴可能である。  詳細は以下のとおり。 (1)COVID-19セミナー 現場に届け、緊急新型コロナ対策  演題名:「新型コロナ:今分かっている事、出来る事」

新型コロナ感染後、発症前の2次感染が多い可能性

 新型コロナウイルスの連鎖感染の連続症例の発症間隔について、北海道大学の西浦 博氏らが28ペアの連続症例のデータから推計したところ、潜伏期間中央値(約5日)と同等もしくはそれより短かった。この結果は、感染から発症までの間に、多くの2次感染が起こっている可能性を示唆している。International Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2020年3月4日号に掲載。流行初期に湖北省武漢市で報告されたデータを使用した疫学研究(Li Q, et al. N Engl J Med. 2020 Jan 29. [Epub ahead of print])では、連続症例の

COVID-19疑い例の診療に関する留意点/日本医師会

 3月11日、日本医師会・釜萢 敏氏(同会感染症危機管理対策室長)は、「新型コロナウイルス感染症が疑われる者の診療に関する留意点について」記者会見で説明し、一般の医療機関においても十分な周知を求めた。  釜萢氏は、地域の各医療機関の外来に共通する感染予防策として、基本的に誰もが新型コロナウイルスを保有している可能性があることを想定し、すべての患者の診療において、標準予防策であるサージカルマスクの着用と手指衛生の励行を徹底するよう指示した。