呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:220

COPD患者の退院後呼吸リハ、早期開始で死亡リスク減/JAMA

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で入院したメディケア受給者では、退院後3ヵ月以内の呼吸リハビリテーションの開始により、1年後の死亡リスクが低減することが、米国・マサチューセッツ大学のPeter K. Lindenauer氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年5月12日号に掲載された。COPD増悪後の呼吸リハビリテーション(運動訓練、自己管理教育)が生存率を改善することはメタ解析で示唆されているが、この解析に含まれた試験は患者数が少なく、異質性が高いという。米国の現行ガイドラインでは、COPD患者に、退院後は呼吸リハビリテーションに参加するよう推奨している。

アルナイラム社とVir社、COVID-19 治療薬候補(VIR-2703)を特定

 Vir Biotechnology社およびアルナイラム社は、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2ゲノムを標的とするRNAi治療薬研究の開発候補として、VIR-2703を選定したと発表した。両社は、近日中にFDAおよび他の規制当局と面会し、2020年末を目処にヒトにおける臨床試験を開始する見込みだとしている。  アルナイラム社は、SARS-CoV-2ゲノムの高度に保存された領域を標的とするRNAiを媒介するsiRNAを350種以上合成し、ウイルス複製を1/1000以下まで低減した有力なsiRNAを複数特定した

免疫チェックポイント阻害薬、再投与における免疫関連AE再発率/JAMA Oncol

 免疫関連有害事象(irAE)発現後の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)再投与の安全性に関するデータが示された。フランス・ノルマンディー大学のCharles Dolladille氏らによる世界保健機関(WHO)のデータベース「VigiBase」を用いた医薬品安全性監視(pharmacovigilance)コホート研究の結果で、著者は、「適切なモニタリングとともに、有害事象を特定し治療する標準的な治療アルゴリズムを用いることにより、特定の患者にはICI再投与を考慮できるだろう」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版2020年4月16日号掲載の報告。

COVID-19、ヒドロキシクロロキンで院内死亡低下せず/JAMA

 ニューヨークの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者において、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン、抗菌薬アジスロマイシンまたはこれらの両薬を治療に用いた患者は、いずれも使用していない患者と比較して、院内死亡率に有意差はなかった。米国・ニューヨーク州立大学のEli S. Rosenberg氏らが、COVID-19入院患者の後ろ向き多施設共同コホート研究の結果を報告した。ヒドロキシクロロキンの単独またはアジスロマイシンとの併用は、COVID-19に対する治療法の候補と考えられているが、有効性や安全性に関するデータは限定的であった。JAMA誌オンライン版2020年5月11日号掲載の報告。

新型コロナPCR検査、偽陰性が多い期間は?

 新型コロナウイルスのPCR検査の感度や特異度は十分に特定されておらず、偽陰性となる可能性が最も高い期間はよくわかっていない。今回、米国ジョンズ・ホプキンズ大学のLauren M. Kucirka氏らが7つの研究のプール解析を行ったところ、偽陰性率は、発症後3日目(感染後8日目)に最も低くなることがわかった。著者らは、偽陰性の可能性を最小限にするために、検査は発症から3日間待って実施すべきとしている。また、臨床的にCOVID-19が疑われる場合は、PCR陰性のみで除外診断すべきではなく、臨床的および疫学的状況を慎重に検討する必要があると述べている。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2020年5月13日号に掲載。

扁平上皮肺がん、1次治療としてのアテゾリズマブ+化学療法は?(IMpower131)/JTO

 進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)への1次治療として、アテゾリズマブ+プラチナ併用化学療法は、化学療法単独と比較して、無増悪生存(PFS)期間は有意に改善した。しかし、全生存(OS)期間の有意な延長は得られなかった。米国・ロッキーマウンテンがんセンターのRobert Jotte氏らが、第III相無作為化試験「IMpower131試験」の有効性と安全性の結果を報告した。細胞傷害性抗がん剤には免疫調節作用があり、抗PD-L1抗体アテゾリズマブの作用が化学療法との併用で強化される可能性が示唆され、これまで転移のある非扁平上皮NSCLC患者を対象とした1次治療に関する試験(IMpower130試験、IMpower150試験)でPFS、OSの有意な改善が示されていた。それらの結果を踏まえて欧米では、転移のある非扁平上皮NSCLC患者に対するアテゾリズマブ+プラチナ併用化学療法が承認されていた。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年4月7日号掲載の報告。

COVID-19軽~中等症、早期の3剤併用療法が有効/Lancet

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者に対し、早期に開始したインターフェロン(INF)-β-1b+ロピナビル・リトナビル配合剤+リバビリンの3剤併用療法は、ロピナビル・リトナビル配合剤単独療法に比べ、SARS-CoV-2ウイルス陰性化までの期間および入院期間を有意に短縮し、安全性にも問題がないことが確認された。香港・Queen Mary HospitalのIvan Fan-Ngai Hung氏らが、127例の入院患者を対象に行った第II相の多施設共同前向き非盲検無作為化試験の結果を報告した。COVID-19パンデミックを制圧するため、効果的な抗ウイルス薬治療を見いだすことに1つの重点が置かれている。今回の結果について著者は、「さらなる臨床研究で、INF-β-1bをバックボーンとする2剤併用抗ウイルス薬療法の検討も行う必要がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2020年5月8日号掲載の報告。

COVID-19治療薬「拙速な特例的承認」に懸念、日医有識者会議が緊急提言

 日本医師会COVID-19有識者会議は5月18日、「新型コロナウィルス感染パンデミック時における治療薬開発についての緊急提言」と題し、有事といえども科学的根拠の不十分な候補薬を、治療薬として承認すべきでないとする旨の声明を発表した。  声明では、特別承認制度により5月7日付で国内初のCOVID-19治療薬となったレムデシビルの承認過程に言及。米国立衛生研究所アレルギー感染症研究所(NIH/NIAID)が主導し、日本からも登録参加した国際共同臨床試験(ACTT1試験)において、「周到な研究デザインのもとにレムデシビルの効果を証明」しており、「高いエビデンス・レベルでCOVID-19に対する有効性が確認された初めての薬剤」であると強調している。

COVID-19診療の手引きの改訂版を公開/厚生労働省

5月18日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、全国の関係機関ならびに医療機関に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 2 版」を事務連絡として発出した。  同手引きの第1版は、3月17日に発出されているが、第2版となる改訂版では、国内外の最新知見を更新し、内容も約2倍となるなど、大幅に改訂されている。  追加された項目として「臨床像」では、「初期症状はインフルエンザや感冒に似ており、この時期にこれらとCOVID-19 を区別することは困難である」とし、「嗅覚障害・味覚障害を訴える患者さんが多いことも分かってきた。イタリアからの報告によると約3割の患者で嗅覚異常または味覚異常があり、特に若年者、女性に多い」など追加の症状が述べられている。

オンコマイン、エヌトレクチニブのROS1肺がんのコンパニオン診断に追加申請/サーモフィッシャー

 サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループは、2020年5月13日、非小細胞肺がん(NSCLC)の4種のドライバー遺伝子を検出し、12種類の分子標的薬の同時適応判定を可能とする、次世代シーケンシング(NGS)技術を用いたコンパニオン診断システム「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム」について、厚生労働省に医療機器の製造販売承認事項一部変更申請を行ったと発表。ROS1およびTRK阻害薬である中外製薬のエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の、ROS1融合遺伝子変異に対するコンパニオン診断システムとしての承認を目指す。