呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:245

新たな結核ワクチン、投与36ヵ月後の有効性は?/NEJM

 結核菌(M. tuberculosis)に感染した成人において、M72/AS01Eワクチン接種は免疫応答を誘導し、少なくとも3年間は肺結核の発症を予防することが認められた。米国・国際エイズワクチン推進構想のDereck R. Tait氏らが、結核菌に対するM72/AS01Eワクチンの有効性、安全性および免疫原性を検討したプラセボ対照第IIb相臨床試験の3年間の最終解析結果を報告した。初期解析の結果では、M72/AS01Eワクチンは結核菌に感染した成人において安全性に懸念はなく、活動性肺結核の発症を54%防ぐことが示されていた。NEJM誌オンライン版2019年10月29日号掲載の報告。

喫煙と認知症リスクの関連、禁煙後何年で消失?

 喫煙は認知症の危険因子として知られているが、禁煙によってリスクは減少するのだろうか。米国・ジョンズホプキンス大学School of Public HealthのJennifer A. Deal氏らが、Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究で調べたところ、禁煙は認知症リスク減少に有益ではあるものの、禁煙期間に依存することがわかった。本研究では、禁煙後9年以上経過した場合に認知症発症との関連が消失し、認知症リスクを減らすためには中年早期に禁煙する重要性が示唆された。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2019年11月1日号に掲載。

長期再発リスクが高い早期肺がんの病理学的所見は?

 早期肺がんで再発リスクが高い病理学的所見が明らかにされた。広島大学の津谷 康大氏らが、「胸部薄切CT所見に基づく肺野型早期肺癌の診断とその妥当性に関する研究」(JCOG0201)の10年追跡結果を報告。浸潤成分径>2cm、臓側胸膜浸潤陽性または血管侵襲陽性の再発リスクが高いことが示されたという。Annals of Thoracic Surgery誌2019年11月号掲載の報告。  JCOG0201は前向き多施設共同研究で、再発リスクが高い病理学的Stage I肺腺がん患者を特定する目的で行われた。被験者は、肺葉切除を受け登録された病理学的Stage I肺腺がん患者536例。lepidic成分を除く浸潤成分の大きさを腫瘍径としデータを解析した。

新抗体薬物複合体DS-7300、固形がんを対象とした臨床試験開始/第一三共

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は、再発・進行性の固形がん患者を対象としたDS-7300(B7-H3を標的とした抗体薬物複合体[ADC])の第I/II臨床試験において、最初の患者への投与を開始した。  B7-H3は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、前立腺がん、子宮内膜がん、乳がんなど様々のがん種において過剰発現しているたんぱく質の一種で、がんの進行や予後の悪化に関係していると言われているが、現在、がん治療を対象に承認されているB7-H3を標的とした治療薬はない。抗体薬物複合体であるDS-7300は、独自のリンカーを介して新規のトポイソメラーゼI阻害剤(DXd)を抗B7-H3抗体に結合させ、1つの抗体につき約4個のDXdが結合。薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されている。

EGFR変異陽性NSCLC、ラムシルマブ+エルロチニブでPFS延長(RELAY試験)/Lancet Oncol

 EGFR遺伝子変異陽性の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、EGFRおよびVEGF両経路を二重ブロックする新たなレジメンが有望であることが示された。これまでに前臨床および臨床データで支持されているが、そのアプローチはまだ広くは用いられていない。近畿大学の中川 和彦氏らは、未治療のEGFR遺伝子変異陽性の転移を有するNSCLC患者を対象に、標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)エルロチニブへのラムシルマブの併用を、エルロチニブ単剤と比較する「RELAY試験」を行い、ラムシルマブ+エルロチニブ(RELAYレジメン)はプラセボ+エルロチニブと比較して無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することを報告した。

早産児、主要併存疾患なし生存の割合は?/JAMA

 スウェーデンにおいて、1973~97年に生まれた早産児のほとんどは、成人期初期から中年期まで主要併存疾患を伴わず生存していたが、超早産児については予後不良であった。米国・マウントサイナイ医科大学のCasey Crump氏らが、スウェーデンのコホート研究の結果を報告した。早産は、成人期における心代謝疾患、呼吸器疾患および神経精神障害との関連が示唆されてきたが、主要併存疾患を有さない生存者の割合については、これまで不明であった。JAMA誌2019年10月22日号掲載の報告。

メラノーマ・腎がん・肺がんに対するニボルマブの5年生存率/JAMA Oncol

 進行メラノーマ、腎細胞がん(RCC)、非小細胞肺がん(NSCLC)に対する抗PD-1抗体ニボルマブ治療の5年生存率が報告された。米国・Johns Hopkins Bloomberg-Kimmel Institute for Cancer ImmunotherapyのSuzanne L. Topalian氏らが米国内13施設270例の患者を包含して行った第I相の「CA209-003試験」の2次解析の結果で、著者は「長期生存と関連する因子を明らかにすることが、治療アプローチおよびさらなる臨床試験開発の戦略に役立つだろう」と述べている。ニボルマブは進行メラノーマ、RCC、NSCLCおよびその他の悪性腫瘍に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)によって承認されているが、これまで長期生存に関するデータは限定的であった。JAMA Oncology誌2019年10月号(オンライン版2019年7月25日号)掲載の報告。

β遮断薬によるCOPD増悪抑制、初の無作為化試験/NEJM

 中等度~重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、β遮断薬メトプロロールの増悪予防効果は、プラセボと同等であることが判明した。米国・アラバマ大学バーミングハム校のMark T. Dransfield氏らが、532例の患者を対象に行った前向きプラセボ対照無作為化試験の結果で、増悪による入院の頻度がメトプロロール群のほうが高かったことも示されたという。これまで観察試験では、β遮断薬が中等度~重度COPD患者の増悪および死亡リスクを低減することが示されていたが、無作為化試験では検証されていなかった。NEJM誌オンライン版2019年10月20日号掲載の報告。

今季インフルエンザ治療のポイントとは?

今季インフルエンザは沖縄県での発生を皮切りに早くも流行が始まっているが、今年はどのような対策を講じればよいのだろうか? 2019年10月23日、塩野義製薬株式会社主催のメディアセミナー「インフルエンザの疫学と臨床」が開催。池松 秀之氏(日本臨床内科医会インフルエンザ研究班 リサーチディレクター)がインフルエンザ疫学や薬剤耐性の現況について報告した。

NSCLCのALK検査、リキッド・バイオプシーも有用(BFAST)/ESMO2019

 非小細胞肺がん(NSCLC)の遺伝子変異検査で、血液を検体とするリキッド・バイオプシーの有用性を評価した前向き臨床試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Rogel Cancer Center/University of MichiganのShirish M. Gadgeel氏より発表された。  BFAST試験は、血液検体のみを用いた6つのコホートからなる国際共同の前向き第II/III相試験である。今回はその中からALK陽性コホートのみ発表された。その他のコホートはRET陽性、ROS1陽性、TMB陽性、Real World Dataなどであり、血液検査(cfDNA)はFMI社によって実施された。