呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:245

既治療の非小細胞肺がんにおけるニボルマブの4年生存/Lancet Oncol

 ニボルマブは、第III相臨床のデータから、既治療の進行期非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、ドセタキセルに対して客観的奏効率が高く、奏効期間が長く、全生存期間が長いことを示している。ニボルマブの長期的な利益と、 奏効状態とその後の生存に対する影響を評価することを目的としプール解析が行われた。Lancet Oncology誌2019年8月14日号オンライン版掲載の報告。  既治療のNSCLC患者におけるニボルマブの 生存転帰を評価するために、4つの臨床研究 (CheckMate 017、057、063、003) からデータを蓄積した。生存結果の決定にあたっては、 6ヵ月の奏効状態によるランドマーク解析を行った。

全国の医療施設、災害対策の実情はいかに!?

 地震大国の日本において、異常気象の常態化によるスコール、それに伴う洪水・土砂災害などが後を絶たない。このような災害時には、DMAT(災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム)と呼ばれる災害派遣医療チームにより医療支援が行われる場合がある。しかし、医療者一人ひとりが日頃から災害を意識し準備を行っていなければ、家族や患者、ましてや自らの命は救えないだろう。  そこで、ケアネットでは2019年7月に会員医師約200名を対象とし、「院内の災害対策」に関するアンケート調査を実施。医師たちの災害に対する意識や対策状況などの実態について、実情や意見を聞いた。

心血管リスク、禁煙後何年で低下するのか/JAMA

 ヘビースモーカー(20パック年以上喫煙)の心血管疾患(CVD)リスクは、禁煙後5年未満で、現喫煙者と比較して約4割減少するが、非喫煙者との比較では禁煙から5年以上を経過しても有意に高いままであることが示された。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのMeredith S. Duncan氏らが、フラミンガム心臓研究の被験者のデータを解析し明らかにしたもので、JAMA誌2019年8月20日号で発表した。禁煙後のCVDリスクの時間的経過は明らかになっていない。試算では元喫煙者のリスクは5年のみと考えられていた。

低線量CT肺がんスクリーニング、毎年と隔年の比較/Eur J Cancer

 2011年、米国のNLST試験では、低線量CT(LDCT)スクリーニングによる前/現喫煙者における肺がん死亡率の低下が示された。また、イタリアのMulticentric Italian Lung Detection(MILD)試験では、長期のLDCTスクリーニングが、肺がん死亡率を39%減少させることを示している。イタリア・Istituto Nazionale Dei TumoriのPastorino氏らは、MILD試験をさらに毎年と隔年のスクリーニングに分け、スクリーニング強度が10年後の全死亡および肺がん特異的死亡にもたらす影響を評価した。European Journal of Cancer誌2019年9月号掲載の報告。

日本の小中学生におけるインフル予防接種の有効性

 インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザの発症予防や発症後の重症化の予防に一定の効果があるとされている。今回、東北大学の國吉 保孝氏らが、地域の小中学生における季節性不活化インフルエンザワクチン接種(IIV)の有効性について2シーズンで評価した結果が報告された。Human Vaccines & Immunotherapeutics誌オンライン版2019年8月19日号に掲載。  本研究は、公立小中学校の生徒における2012/13年および2014/15年シーズンのデータでの横断調査。調査地域における対象学年の全員にアンケートを配布し、得られた7,945人の回答を分析した。予防接種状況とインフルエンザ発症は、両親または保護者による自己申告式アンケートにより判断した。一般化線形混合モデルを用いて、学校および個人の共変量におけるクラスタリングを調整し、予防接種状況とインフルエンザ発症との関連についてオッズ比および95%信頼区間(CI)を計算した。

大気汚染物質への長期曝露と肺気腫の関連は?/JAMA

 オゾン(O3)やPM2.5などの大気汚染物質への長期曝露と肺気腫増大の関連が定量的に明らかにされた。米国・ワシントン大学のMeng Wang氏らが2000~18年にかけて米国内6都市部で行ったコホート研究の結果で、JAMA誌2019年8月13日号で発表した。歴史的には、大気汚染物質は心血管および呼吸器疾患と関連することが示されているが、当代の大気汚染物質への曝露が肺気腫と関連しているかは明らかになっていなかった。

肺がん2剤併用療法、ベースはシスプラチン?カルボプラチン?/Lung Cancer

 進行期非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、プラチナベース化学療法はいまだ大きな柱である。実臨床においてはシスプラチンとカルボプラチンの2つのプラチナ製剤が多く使われる。すでに、Cohchraneグループによるカルボプラチンとシスプラチンベースの化学療法を比較するメタアナリシスが行われているが、NSCLCにおける急速な治療の変化と拡大する臨床試験の中、新たなデータの反映が求められていた。そのような中、ドイツのGriesingerらは、2013年〜2018年1月に発表されたNSCLC1次治療におけるカルボプラチンとシスプラチンの無作為化比較試験のシステマチックリサーチを⾏い、解析結果を更新した。評価項⽬は全⽣存期間(OS)、1年⽣存率(1yOS)、客観的奏効率(ORR)、Grade3/4の薬物関連有害事象など。Lung Cancer誌2019年9⽉号掲載の報告。

非扁平上皮NSCLCの維持療法、ベバシズマブかペメトレキセドか併用か/JCO

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の維持療法にはベバシズマブまたはペメトレキセドの単剤投与か併用投与なのか、あるいはいずれも有効なのか。米国・エモリー大学ウィンシップがん研究所のSuresh S. Ramalingam氏らは、それらを直接比較する「ECOG-ACRIN 5508試験」の結果、ベバシズマブ単剤またはペメトレキセド単剤は有効であるが、生存ベネフィットの不足とその毒性から、ベバシズマブ・ペメトレキセドの併用療法は推奨できないとまとめている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年7月30日号掲載の報告。