呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:247

MET阻害薬tepotinibのMETΔex14変異NSCLCに対する効果(VISION)/ASCO2019

 METエクソン14スキッピング変異(METΔex14)は非小細胞肺がん(NSCLC)の3~4%にみられる。tepotinibはMET受容体チロシンキナーゼ(c-MET)に高い選択性を有するMET-TKIであり、わが国でも非小細胞肺がんに対する先駆け審査指定制度対象品目に指定されている。VISION試験は、MET遺伝子変異を有するNSCLCに対するtepotinibの第II相シングルアーム試験で、コホートA(MET△ex14対象)とコホートB(MET増幅対象)に分かれる。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)ではコホートAの結果について発表された。

MET阻害薬capmatinibのMETΔex14変異NSCLCに対する効果(GEOMETRY mono1)/ASCO2019

 METエクソン14スキッピング変異(METΔex14)は非小細胞肺がん(NSCLC)の3~4%にみられ、予後不良かつ標準治療に奏効しにくいとされる。capmatinibは最も強力なMET阻害薬である。第II相多施設マルチコホートGEOMETRY mono1試験の中間解析では、治療ラインにかかわらずMETΔex14変異を有する進行NSCLC患者に深い奏効を示した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表された。

ペメトレキセド+シスプラチンのNSCLC術後アジュバントにおける可能性(JIPANG)/ASCO2019

 非小細胞肺がん(NCSLC)の術後アジュバントのプラチナベース化学療法においては、どの組み合わせが最も効果的かは明らかではない。静岡県立静岡がんセンターの釼持 広知氏らは、完全切除非扁平上皮NSCLCの術後補助療法において、ペメトレキセド+シスプラチン(CDDP)とビノレルビン(VNR)+CDDPを比較する無作為化第III相JIPANG Studyを実施。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)のOral Sessionにおいて、その結果を発表した。

日本人肺がんのオシメルチニブ1次治療耐性を探る/ASCO2019

 オシメルチニブはEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において重要な選択肢である。しかし、同薬の耐性機構に対する報告は少ない。近畿中央呼吸器センターの田宮 朗裕氏らは、日本人NSCLC患者におけるオシメルチニブ1次治療の耐性機構を明らかにするため前向き観察研究を開始する。試験の概要を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表した。

成人の「軽症」気管支喘息における増悪予防治療について(解説:小林英夫氏)-1060

成人気管支喘息の治療は重症度による差異はあるものの、大まかには、吸入ステロイド薬を維持療法の基本薬とし、発作時には短時間作用型β2刺激薬(SABA)を用いている。本論文は成人軽症喘息の増悪予防療法について3群を比較検討し、ブデソニド+ホルモテロール合剤の頓用が吸入ステロイド維持療法に劣らないとしたものである。これまで維持療法が導入されていない軽症症例を、発作時のみSABA吸入頓用群、吸入ステロイド維持療法+発作時SABA頓用、発作時にブデソニド+ホルモテロール合剤の頓用、の3群化している。初めの2群は一般的な治療であり、3つ目の群を評価することが本試験の目的となっている。

ペムブロリズマブのNSCLC5年生存、未治療患者で23%(KEYNOTE-001)/ASCO2019

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)において、カリフォルニア大学のEdward B. Gron氏が、ペムブロリズマブ単剤治療のマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-001における進行非小細胞肺がん(NSCLC)の5年長期追跡結果を発表した。NSCLCでは未治療および既治療の550例(未治療101例、既治療449例)が対象となっている。

臨床研究法、J-CLEARメンバーも対応に苦戦

 臨床研究法が施行されて早1年。2019年3月までは移行期間ということもあり、倫理委員会への登録などで忙殺された方が多かったようだ。本年4月からの新たな申請はこれまでに比べ、少ないというが、日本の臨床研究は法律に則り、滞りなく進んでいるのだろうか。NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR/理事長 桑島 巖氏)は2019年4月20日、都内においてJ-CLEAR講演会を開催。6名の先生が特定臨床研究の現状や糖尿病領域の臨床試験の変遷などについて発表した。

エルロチニブ+ラムシルマブ、EGFR陽性NSCLCの新オプションに?(RELAY)/ASCO2019

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、EGFR-TKIエルロチニブと抗VEGF-R2抗体ラムシルマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を大きく延長した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、第III相RELAY試験の中間解析結果を、近畿大学の中川 和彦氏が発表した。  エルロチニブを含む第1~第2世代TKIによる治療後、30~60%でT790M変異が発現する。第3世代TKIのオシメルチニブはT790M変異に対して有効だが、1次治療でオシメルチニブを投与した場合、その後の治療選択肢は限られる。

ゾフルーザに「使用上の注意」の改訂指示

 抗インフルエンザウイルス剤のバロキサビル マルボキシル製剤(商品名:ゾフルーザ)の添付文書について、2019年6月4日、厚生労働省より使用上の注意の改訂指示が発出された。国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断された。改訂の概要は以下の通り。  直近3年度の国内症例の集積状況として、ショック、アナフィラキシー関連症例を42例報告。医薬品と事象との因果関係が否定できない症例16例を含んでいる。また、転帰死亡症例は1例報告されているが、医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例は0例であった。

軽症喘息の増悪予防、SABA vs.ブデソニド+ホルモテロール頓用/NEJM

 軽症喘息の成人患者では、ブデソニド+ホルモテロールの頓用はalbuterol(日本ではサルブタモールと呼ばれる)頓用に比べ喘息増悪の予防に優れることが、ニュージーランド・Medical Research Institute of New ZealandのRichard Beasley氏らが行った「Novel START試験」で示された。研究の詳細はNEJM誌2019年5月23日号に掲載された。これまでの二重盲検プラセボ対照比較試験で、ブデソニド+ホルモテロール頓用は、短時間作用性β2刺激薬(SABA)の頓用に比べ、重度の喘息増悪のリスクが低く、ブデソニド維持療法+SABA頓用とほぼ同じと報告されていた。