呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:244

フレイルな非小細胞肺がんに対する低用量エルロチニブの有効性/日本臨床腫瘍学会

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対しては分子標的薬がスタンダードだが、フレイル患者への実臨床での至適投与量は明らかではない。そのような中、EGFR変異陽性NSCLCのフレイル患者に対する低用量エルロチニブの効果と安全性を評価する多施設第II相TORG1425試験が行われた。第17回日本臨床腫瘍学会学術集会では、その最終結果が三井記念病院の青野ひろみ氏により発表された。

加熱式タバコが“有害性物質90%カット”となぜ言えるのか

 加熱式タバコの一部のパンフレットには、購入者に対し、健康被害が大幅に低下するような“誤解”を与える表現で売り出している製品がある。しかし、これらの広告は規制されていない。これは一体なぜなのか。このからくりについて、2019年6月20日、日本動脈硬化学会主催のプレスセミナーで飯田 真美氏(岐阜県総合医療センター 副院長/日本動脈硬化学会 禁煙推進部会長)が解説。原 眞純氏(帝京大学医学部附属溝口病院 副院長/日本動脈硬化学会 禁煙推進部会員)は「タバコと動脈硬化」として、古くも新しい話題について講演した。

免疫CP阻害薬のやめ時は?最終サイクル後の30日死亡率/日本臨床腫瘍学会

 進行・難治性がん患者に免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を使用する機会が増えているが、明確な中止基準は確立されていない。2011 national cancer strategy for Englandでは、回避可能な全身性抗がん剤治療(SACT)による害の臨床指標として、30日死亡率を提唱している。今回、一宮市立市民病院 龍華 朱音氏らが、ICI治療の最終サイクル後30日以内に死亡した患者について調査したところ、PS不良の患者にICI治療が選択される傾向があり、また、最終サイクルの治療費が従来の治療の約10倍となっていることが明らかになった。第17回日本臨床腫瘍学会学術集会(7月18~20日、京都)で報告された。

EGFR陽性NSCLCへのエルロチニブ+ラムシルマブ、東アジア人集団でも有用性示す(RELAY)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療で、日本人を含む東アジア人症例においても、EGFR-TKIエルロチニブと抗VEGF-R2抗体ラムシルマブの併用療法がエルロチニブ単剤と比較してPFSを延長した。第III相RELAY試験における、東アジア人サブセットの中間解析結果を、がん研究会有明病院の西尾 誠人氏が第17回日本臨床腫瘍学会学術集会(7月18~20日、京都)で発表した。  RELAY試験は、活性型EGFR変異(Exon19delまたはExon21 L858R)を有し、CNS転移のない、未治療の進行NSCLC患者を対象とした第III相国際共同二重盲検無作為化試験。登録患者はラムシルマブ(10mg/kg2週ごと投与)+エルロチニブ(150mg/日)群と、プラセボ+エルロチニブ(150mg/日)群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。また、患者は性別、地域(東アジア vs.その他)、EGFR変異ステータス(Ex19del vs.L858R)、EGFR変異検査法(Therascreen/Cobas vs.その他)で層別化された。

高齢者NSCLCの1次治療、カルボプラチン+ペメトレキセドがドセタキセルに非劣性/日本臨床腫瘍学会

 高齢者の進行期非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対しては、ドセタキセル単剤(DOC)が標準治療である。一方、カルボプラチン+ペメトレキセドからペメトレキセドの維持療法(CBDCA/PEM)は、その実用性から非扁平上皮NSCLCの1次治療として多く使われており、また高齢者の進行期非扁平上皮NSCLCの第II相試験においても有効性を示している。そのような中、徳島大学の軒原 浩氏らは、第17回日本臨床腫瘍学会学術集会でCBDCA/PEMのDOC単剤治療に対する非劣性を検証するJCOG1210/WJOG7813L試験の結果を発表した。

ニボルマブ・イピリムマブによるNSCLC術前治療(NEOSTAR)/ASCO2019

 Stage I〜IIIの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)の50%は再発する。そのような中、免疫チェックポイント阻害薬による術前治療の研究が数多く進行している。ニボルマブ・イピリムマブ併用による術前治療の有効性と安全性を評価する第II相NEOSTAR試験の追跡結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(ACO2019)で発表された。

COPD増悪時のCRP検査、抗菌薬使用率を3割減/NEJM

 COPDの急性増悪でプライマリケア医の診察時に、C反応性蛋白(CRP)のポイントオブケア(臨床現場即時)検査を行い、その結果に基づく処方を行うことで、患者報告に基づく抗菌薬の使用率と医師から受け取る抗菌薬の処方率がいずれも低下することが示された。有害性は伴わなかった。英国・オックスフォード大学のChristopher C. Butler氏らが、653例の患者を対象に行った多施設共同非盲検無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2019年7月11日号で発表された。

アジア・アフリカの小児重症肺炎、原因はRSVが最多/Lancet

 肺炎は、5歳未満の子供の主要な死因とされる。米国・ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のKatherine L. O'Brien氏ら「Pneumonia Etiology Research for Child Health(PERCH)試験」の研究グループは、アフリカとアジアの子供を対象に、臨床所見と微生物学的所見を適用した最新の分析法を用いて検討を行い、入院を要する肺炎の多くはRSウイルス(RSV)などの少数の病原体群が主な原因であることを明らかにした。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年6月27日号に掲載された。

ナルデメジンのわが国におけるオピオイド誘発性便秘に対する効果と安全性/ASCO2019

 オピオイド誘発性便秘(OIC)はオピオイド治療において頻度の高い有害事象の1つであり、ナルデメジン(商品名:スインプロイク)はOIC治療に承認されている末梢性μオピオイド受容体拮抗薬である。わが国の実臨床におけるナルデメジンのOIC患者に対する安全性と有効性を調査したPhase-R OIC試験の結果が、国立がん研究センター中央病院 清水 正樹氏、ガラシア病院 前田 一石氏らにより米国臨床腫瘍学会年次総会ASCO2019で発表された。