呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:242

大気汚染物質への長期曝露と肺気腫の関連は?/JAMA

 オゾン(O3)やPM2.5などの大気汚染物質への長期曝露と肺気腫増大の関連が定量的に明らかにされた。米国・ワシントン大学のMeng Wang氏らが2000~18年にかけて米国内6都市部で行ったコホート研究の結果で、JAMA誌2019年8月13日号で発表した。歴史的には、大気汚染物質は心血管および呼吸器疾患と関連することが示されているが、当代の大気汚染物質への曝露が肺気腫と関連しているかは明らかになっていなかった。

肺がん2剤併用療法、ベースはシスプラチン?カルボプラチン?/Lung Cancer

 進行期非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、プラチナベース化学療法はいまだ大きな柱である。実臨床においてはシスプラチンとカルボプラチンの2つのプラチナ製剤が多く使われる。すでに、Cohchraneグループによるカルボプラチンとシスプラチンベースの化学療法を比較するメタアナリシスが行われているが、NSCLCにおける急速な治療の変化と拡大する臨床試験の中、新たなデータの反映が求められていた。そのような中、ドイツのGriesingerらは、2013年〜2018年1月に発表されたNSCLC1次治療におけるカルボプラチンとシスプラチンの無作為化比較試験のシステマチックリサーチを⾏い、解析結果を更新した。評価項⽬は全⽣存期間(OS)、1年⽣存率(1yOS)、客観的奏効率(ORR)、Grade3/4の薬物関連有害事象など。Lung Cancer誌2019年9⽉号掲載の報告。

非扁平上皮NSCLCの維持療法、ベバシズマブかペメトレキセドか併用か/JCO

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の維持療法にはベバシズマブまたはペメトレキセドの単剤投与か併用投与なのか、あるいはいずれも有効なのか。米国・エモリー大学ウィンシップがん研究所のSuresh S. Ramalingam氏らは、それらを直接比較する「ECOG-ACRIN 5508試験」の結果、ベバシズマブ単剤またはペメトレキセド単剤は有効であるが、生存ベネフィットの不足とその毒性から、ベバシズマブ・ペメトレキセドの併用療法は推奨できないとまとめている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年7月30日号掲載の報告。

エヌトレクチニブ、NTRK固形がんとROS1肺がんでFDA承認

 2019年8月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、NTRK融合遺伝子陽性でほかの治療法がない固形がんに対して、ROS1/TRK阻害薬エヌトレクチニブを迅速承認した。同時に、転移のあるROS1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対しても承認している。  NTRK陽性がんの有効性は、ALKA、STARTRK-1、STARTRK-2の3つの多施設単群臨床試験のいずれかでエヌトレクチニブを投与された54例の成人患者で検討された。54例の独立評価委員による全奏効率(ORR)は57%(95%CI:43~71)であった。奏効期間(DOR)は、患者の68%が6ヵ月以上は、45%が12ヵ月以上であった。

喘息患者の3 人に1 人は救急経験あり

 アストラゼネカ株式会社は、気管支喘息患者を取り巻く現状や喘息治療の実態を明らかにすることを目的とした患者調査を全国3,000名の患者に実施し、その結果が公表された。  調査結果は今回発表の「喘息患者さんの予定外受診・救急受診・救急搬送の現状」編のほか、「喘息患者さんの通院・服薬の現状」編、「重症喘息患者さんの現状」編という3つのテーマで公開される。監修は東田 有智氏(近畿大学病院 病院長)が担当した。  調査実施日:2019年4月15~26日

T790M陽性肺がんのオシメルチニブ治療、日本の実臨床データ/日本臨床腫瘍学会

 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブの市販後調査の一環として行われた全例調査の最終結果を、神奈川県立がんセンター加藤晃史氏らが第17回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表。3,000例を超えるわが国のT790M変異NSCLCに対するオシメルチニブ治療の実臨床データが示された。  対象は2次治療以降にオシメルチニブの治療を受けた切除不能・再発EGFR T790M変異NSCLC患者。予定のサンプルサイズは3,000例、追跡期間は12ヵ月であった。

急性期PE、年間症例数が多い病院で死亡率低下/BMJ

 急性症候性肺塞栓症患者では、本症の年間症例数が多い病院(high volume hospitals)へ入院することで、症例数が少ない病院に比べ、30日時の本症に関連する死亡率が低下することが、スペイン・Ramon y Cajal Institute for Health Research(IRYCIS)のDavid Jimenez氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年7月29日号に掲載された。hospital volumeは、内科的/外科的疾患のアウトカムの決定要因として確立されている。一方、急性肺塞栓症発症後の生存に、hospital volumeが関連するかは知られていないという。