呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:264

アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者の1次治療はプラチナ化学療法とエトポシドの併用だが、20年以上大きな進歩はみられておらず、全生存期間(OS)中央値は10ヵ月程度である。一方で、小細胞肺がんは腫瘍変異負荷が高いことから、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待されている。そこで、小細胞肺がんに対する、カルボプラチン・エトポシドへの免疫チェックポイント薬アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)の追加効果を評価する第III相試験IMpower133が行われている。同試験の中間解析の結果がNEJM誌2018年9月25日号で発表された。

ノーベル賞受賞、がん治療を劇変させたPD-1とCTLA-4

 2018年のノーベル医学・生理学賞を、京都大学高等研究院特別教授の本庶 佑氏とMDアンダーソンがんセンター教授のJames P. Allison氏が共同受賞することが決まった。両氏はともにがんに対する免疫応答の制御に関連するタンパク質を発見し、がん免疫療法の近年の急速な進歩に寄与したことが受賞理由となっている。本稿では、ノーベル財団のプレスリリースから、2人の研究の足跡を紹介する。

brigatinib、ALK陽性肺がん1次治療の新たなオプションに?(ALTA-1L)/WCLC2018

 ALK阻害薬未治療の局所進行または転移のあるALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、brigatinibの有効性をクリゾチニブと比較した第III相ALTA-1L試験の最初の中間解析結果が、カナダ・トロントで開催された第19回世界肺癌会議(WCLC2018)で、コロラド大学がんセンターのRoss Camidge氏により発表された。

シルデナフィル併用で特発性肺線維症のQOLは改善するか/NEJM

 特発性肺線維症(IPF)の治療において、ニンテダニブにシルデナフィルを併用しても、ニンテダニブ単剤に比べて健康関連QOLは改善されないことが、カナダ・マックマスター大学のMartin Kolb氏らが行ったINSTAGE試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年9月15日号に掲載された。チロシンキナーゼ阻害薬ニンテダニブは、IPFの治療薬として承認されている。また、既報の試験のサブグループ解析により、ホスホジエステラーゼ5阻害薬シルデナフィルは、IPF患者の酸素化能、ガス交換機能(一酸化炭素の肺拡散能[DLCO]で評価)、症状、QOLに便益をもたらし、重度に障害されたDLCOを改善する可能性が示唆されている。

喫煙が日本人労働者の死亡率に及ぼす影響

 わが国の職域多施設研究(Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study:J-ECOHスタディ)で、労働人口における喫煙・禁煙の死亡率への影響を調べたところ、喫煙が全死亡・心血管疾患(CVD)死亡・タバコ関連がん死亡のリスク増加と関連していた。また、この死亡リスクは禁煙後5年で減少していた。Circulation Journal誌オンライン版2018年9月12日号に掲載。

血流感染、ピペラシリン・タゾバクタムvs.メロペネム/JAMA

 大腸菌(E.coli)または肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)に感染し、抗菌薬セフトリアキソンが無効な患者において、definitive治療としてのピペラシリン・タゾバクタムはメロペネムと比較して、30日死亡率に関する非劣性を示さなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のPatrick N. A. Harris氏らによる無作為化試験の結果で、JAMA誌2018年9月11日号で発表された。大腸菌や肺炎桿菌では拡張型β-ラクタマーゼが、第3世代のセファロスポリン系薬(セフトリアキソンなど)に対する耐性を媒介する。これらの菌株に起因する重大な感染症では、通常、カルバペネムによる治療が行われるが、カルバペネム耐性を選択する可能性があることから、研究グループは、ピペラシリン・タゾバクタムが、拡張型β-ラクタマーゼの産生を抑制する、有効な“カルバペネム温存”オプションとなりうる可能性があるとして検討を行った。

第3世代ALK-TKIロルラチニブ国内承認、世界初/ファイザー

 ファイザー株式会社は、2018年9月21日、「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ローブレナ錠25mg、同100mg」(一般名:ロルラチニブ)の製造販売承認を取得した。この承認は日本が世界に先駆けての取得となる。

プラチナ+ペメトレキセドへのアテゾリズマブ併用、進行肺がん1次治療でPFS延長(IMpower132)/WCLC2018

 Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペメトレキセドとプラチナ製剤の併用療法、およびペメトレキセドによる維持療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower132試験の結果が、カナダ・トロントで開催された第19回世界肺癌会議(WCLC2018)で、MDアンダーソンがんセンターのVassiliki A. Papadimitrakopoulou氏により発表された。