呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:277

ALK-TKIセリチニブの450mg食後投与を国内申請

 ALK-TKIセリチニブ(商品名:ジカディア)750mg空腹時投与は、未治療の進行ALK融合遺伝子陽性非小細がん(NSCLC)に優れた効果を示すものの、下痢、悪心嘔吐などの消化器症状が発現する。同患者に対し、セリチニブ450または600mgを低脂肪食と服用した群と、750mgの空腹時服用を比較した無作為化オープンラベル試験が行われた。第18回世界肺癌学会(WCLC)では、その中間解析が発表され、セリチニブ450mg+低脂肪食群は、750mg空腹時投与群と比べ、減量および中断が少なく治療強度が高く、また消化器AEも少ないという結果であった。ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は2018年3月29日、セリチニブについて、用法及び用量を「450mgの1日1回食後投与」に変更するための製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。

一時的に吸入ステロイドを4倍量にすると喘息増悪リスクが2割減少する(解説:小林 英夫 氏)-835

吸入ステロイド薬が気管支喘息管理の基本であることは言うまでもない。吸入ステロイドですべての喘息増悪は抑制できないものの、吸入量増加によりさらなる症状改善を図るという発想から、本研究は必然的なテーマであろう。2004年のLancetとThoraxに、吸入量を2倍にしてもあまり効果が得られなかったことが報告されているため、今回の研究は4倍量吸入により30%の増悪抑制効果が得られるかどうかを証明するというデザインが採用された。得られた結果は19%の増悪抑制効果で、当初の設定目標には届かなかった。

持続型喘息、SMARTで増悪リスク低下/JAMA

 持続型喘息患者においてSMART(single maintenance and reliever therapy)は、吸入ステロイド薬(ICS)(長時間作用性β2刺激薬[LABA]併用の有無を問わない)による長期管理療法と、発作時に短時間作用性β2刺激薬(SABA)を用いる治療法と比べて、増悪のリスクが低いことが示された。米国・コネティカット大学薬学校のDiana M. Sobieraj氏らが、16の無作為化試験についてメタ解析を行い明らかにした。ただし、4~11歳の患児に関するエビデンスは限定的であったという。SMARTは、長期管理薬+発作治療薬としてICSとLABAを組み合わせた治療法で、持続型喘息患者にとって最適な維持療法となる可能性が示唆されていた。JAMA誌オンライン版2018年3月19日号掲載の報告。

アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でOS有意差(IMpower150)

 F. ホフマン・ラ・ロシュ社は3月26日、第III相臨床試験IMpower150試験に関し、中間解析において主要評価項目の一つである全生存期間(OS)の延長が示され、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療におけるアテゾリズマブ(商品名:テセントリク)とベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセル(化学療法)の併用により、ベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの併用に比べ、生存期間の延長が示されたことを発表した。OSの延長は、PD-L1発現状況によって層別化されたグループを含む、主要なサブグループに共通して認められた。アテゾリズマブとベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されなかった。これらの成績は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。

細気管支炎乳児には高流量酸素療法が有用/NEJM

 集中治療室(ICU)以外で治療された細気管支炎乳児において、鼻カニューレを用いた高流量酸素療法(ネーザルハイフロー:NHF)は、標準酸素療法と比較すると、治療失敗による治療の段階的な増強を要する割合が有意に低下した。オーストラリア・Lady Cilento Children’s HospitalのDonna Franklin氏らが、細気管支炎乳児を対象とした多施設共同無作為化比較試験の結果を報告した。NHFは、有効性に関する質の高いエビデンスが限られているものの、細気管支炎乳児での使用が増加しているという。ICU以外におけるNHFの有効性は不明であった。NEJM誌2018年3月22日号掲載の報告。

コントロール不良喘息へのLAMA併用、RCTのメタ解析/JAMA

 コントロール不良の持続型喘息患者に対し、吸入ステロイド(ICS)への長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の追加は、ICS単独と比べて増悪のリスクが有意に低かった。一方で、追加薬としてのLAMAの効果は、長時間作用性β2刺激薬(LABA)よりも上回る可能性は示されなかった。また、3剤併用(ICS+LAMA+LABA)が増悪リスクをより低減することは示されなかった。米国・コネティカット大学薬学校のDiana M. Sobieraj氏らが、15の無作為化試験についてメタ解析を行い明らかにしたもので、JAMA誌オンライン版2018年3月19日号で発表した。

抗PD-1/PD-L1抗体薬によるirAE発現のメタ解析/BMJ

 がん治療では、PD-1またはそのリガンドであるPD-L1を標的とする薬剤の使用頻度が増加しつつある。適切な臨床管理には免疫関連有害事象(irAE:臓器特異的免疫関連有害事象、免疫活性化関連の全身性有害事象、筋骨格系の問題と一致する有害事象)の理解が求められるが、これらの発症率は不明であり、予想外の有害事象に関して一貫性のない報告が行われている可能性があるという。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのShrujal Baxi氏らは、抗PD-1/PD-L1抗体薬によるirAEの発現状況を調査し、BMJ誌2018年3月14日号で報告した。

ダブラフェニブ・トラメチニブ併用、BRAF変異肺がんに国内承認

 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は2018年3月23日、BRAF阻害薬ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)およびMEK阻害薬トラメチニブ(メキニスト)の併用療法について、BRAF遺伝子変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬として、製造販売承認事項一部変更の承認を取得した。

経口フルオロキノロンが大動脈瘤リスク増と関連/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のBjorn Pasternak氏らは、スウェーデン国内の登録データを用いたコホート研究を行い、経口フルオロキノロン系抗菌薬の使用が大動脈瘤のリスク増加と関連していることを報告した。フルオロキノロンには、血管壁の細胞外マトリックスの完全性を損なう可能性のある非抗菌的特性があり、最近の研究でフルオロキノロン系抗菌薬が大動脈瘤のリスクを増加させる懸念が高まっていた。BMJ誌2018年3月8日号掲載の報告。