呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:283

インフルエンザ関連呼吸器系死亡の実情は?/Lancet

 これまでインフルエンザに関連した呼吸器系死亡推計は、世界で年間25~50万人とされてきた。米国疾病予防管理センターのA Danielle Iuliano氏らは、「この推計値はWHOが2004年頃に公表したものだが、算出方法が不明で、1990年代のデータを用いていると推察され、各国の実状を反映していないと思われる」として、1995~2015年の各国インフルエンザ関連の呼吸器系超過死亡の推計値を用いて、最新の状況を推算した。結果、従来値よりも多い約29万~65万人と算出されたという。インフルエンザ関連死の推計値は、国際的なおよび各国のパブリックヘルスの優先事項を決定する際に重視されている。著者は、「従来数値によって、疾病負荷が過小評価されていたかもしれない」と指摘し、「世界のインフルエンザ関連死亡に占める、呼吸系疾患以外の死因について調査する必要がある」と提言している。Lancet誌オンライン版2017年12月13日号掲載の報告。

「アメトーーク!」で“火がついた”IQOS人気、310万人が使用?/本邦疫学研究

 マスメディアは人々の行動に大きな影響を与える。非燃焼加熱式(Heat–Not-Burn、以下HNB)タバコ「IQOS」が人気娯楽番組「アメトーーク!」で取り上げられ、その人気に火がついたようである。大阪国際がんセンターの田淵 貴大氏らは、2つのデータソースを使用して、日本におけるIQOSを含むHNBタバコへの関心度、使用率、HNBタバコの2次的曝露による症状などについて研究した。Tobacco Control誌オンライン版2017年12月6日号に掲載。

“電子タバコで禁煙”にネガティブな結果?

 電子タバコ(e-cigarettes)は禁煙を促進するという研究結果がある一方、喫煙開始のきっかけになるリスクを懸念する意見もある。その評価を確認すべく米国では、若年の非喫煙者の電子タバコ使用と、それに続くタバコの喫煙開始との関連性評価を目的としたコホート研究が行われた。The American journal of medicine誌オンライン版2017年11月17日号に掲載。

がん患者のVTE治療、エドキサバンはダルテパリンに非劣性/NEJM

 がん患者の静脈血栓塞栓症(VTE)の治療で、経口エドキサバン(商品名:リクシアナ)はダルテパリン皮下注に対し、VTEの再発または大出血の複合アウトカムについて非劣性であることが、米国・オクラホマ大学健康科学センターのGary E.Raskob氏らが1,050例の患者を対象に行った非盲検無作為化非劣性試験の結果、示された。なおアウトカムを個別にみると、エドキサバン群でVTEの再発は低率だったが、大出血は高率だった。がん関連VTEの標準治療は低分子ヘパリンである。経口抗凝固薬が治療に果たす役割はこれまで明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版2017年12月12日号掲載の報告。

ctDNA変異解析サービス、国内でも提供開始

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒)は、Digital PCR技術とフローサイトメトリー技術を融合させた遺伝子解析手法BEAMing技術(Bead Emulsion Amplification and Magnetics)を用いて血中循環腫瘍DNA(ctDNA)の変異を解析する「OncoBEAM受託アッセイサービス(研究用)」について、従来のドイツ、アメリカに加えて、新たに神戸医療産業都市(ポートアイランド)内「シスメックス IMPラボラトリー」における提供を開始すると発表した。

EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん治療にオシメルチニブをどう用いるのか?(解説:小林 英夫 氏)-781

切除不能な非小細胞肺がんの治療は近年大きく進歩し、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異を示す肺がんの治療にEGFR-チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の有効性が確立された。本邦では、4薬のEGFR-TKIが肺がんに使用可能である。その中でオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)は第3世代に位置付けられ、以前のEGFR-TKIに耐性であるEGFR T790変異を呈す肺がんにも効果があることを特徴とする。日本での保険適用はこのEGFR T790変異を確認した症例だけであり、2017年12月時点では1次(初回)治療の適応は取得していない。

日本人肺がんの悪液質に対するanamorelin二重盲検試験の結果(ONO-7643-04)

 進行がん患者では、除脂肪体重を主体とする体重減少と食欲不振といった形で表れる悪液質がよくみられる。悪液質を有する日本のがん患者において、新たな選択的グレリン受容体アゴニストであるanamorelin(ONO-7643)の有効性と安全性を検討したONO-7643-04試験の結果が、先端医療センター研究所 片上 信之氏らによりCancer誌に発表された。