呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:336

閉塞性睡眠時無呼吸への夜間酸素療法 ―CPAPよりアドヒアランスはよいが効果は劣る―(解説:高田 佳史 氏)-230

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者への持続陽圧呼吸(CPAP)療法は、高血圧の発症予防や降圧に有効であるが、その効果はアドヒアランスに依存することも知られている1,2)。本論文は、アドヒアランスに優れた夜間酸素療法との無作為割り付け試験の報告である。

慢性呼吸器疾患増悪の入院症例に対する、入院中早期リハビリテーション導入についてのランダム化比較試験(解説:小林 英夫 氏)-228

本論文は、慢性呼吸器疾患による入院症例において、入院早期の呼吸リハビリテーション開始が1年間の観察期間にどのような影響を及ぼすかを検討したランダム化比較試験である。結果を概括すると、早期リハビリテーション導入は再入院リスクを低下させず(主アウトカム)、機能回復増進にも結び付かず、1年間の死亡率が高いという結果であり、早期リハビリテーション導入は推奨されない、としている。

妊婦への百日咳ワクチン接種は安全か/BMJ

 妊娠第3三半期の妊婦に対し百日咳ワクチンを接種しても、非接種妊婦に比べて死産のリスクは増大しないことが、英国医薬品庁(MHRA)のKatherine Donegan氏らの検討で示された。グラム陰性桿菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)に起因する百日咳は、初期症状は比較的軽いものの、とくに3ヵ月未満の幼児に重篤で致死的な合併症を引き起こす可能性がある。米国では、市販後調査で安全性に関する懸念が払拭された2011年以降、妊婦への接種が推奨されているが、接種率は現在も低迷しており、安全性に関するエビデンスは限られたものだという。BMJ誌オンライン版2014年7月11日号掲載の報告。

肺がんに分子標的薬の同時併用? 臨床腫瘍学会2014

 非小細胞肺がんの化学療法未治療例に対し、EGFR-TKIと抗VEGF抗体の併用がPFSを延長する可能性が、第二相試験の結果から示された。2014年7月17日~19日まで福岡市で開催された第12回日本臨床腫瘍学会において、国立がん研究センター東病院 後藤功一氏が、再発非小細胞肺がんの一次治療におけるエルロチニブとベバシズマブの併用療法の試験結果を発表した。

バレニクリンにNRT併用の禁煙効果/JAMA

 禁煙治療について、ニコチンパッチ+バレニクリン(商品名:チャンピックス)の併用療法(治療期間12週間)は、バレニクリン単独よりも12週時点(治療終了時)および6ヵ月時点で禁煙率が有意に高く有効であることが示された。南アフリカ共和国・ステレンボス大学のCoenraad F. N. Koegelenberg氏らが、無作為化盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。行動療法と薬物療法の組み合わせが禁煙支援に有益であることは示されている。しかし、ニコチン補充療法(NRT)とバレニクリンの組み合わせによる禁煙への寄与について、有効性および安全性は明らかではなかった。JAMA誌2014年7月9日号掲載の報告より。

COPD急性増悪への早期リハに疑問/BMJ

 COPDや喘息の慢性呼吸器疾患の急性増悪入院患者への早期リハビリテーション開始は、再入院リスクを低下せず、身体機能の回復増進にも結びつかなかったことが、英国・レスター大学病院のNeil J Greening氏らが行った前向き無作為化試験の結果、報告された。検討では介入群のほうが、12ヵ月時点の死亡率が高かったことも示されている。慢性呼吸器疾患の急性増悪で入院した患者の再入院率は高く、ガイドラインでは、増悪後の呼吸リハビリテーションが推奨されている。著者は、「今回の結果は、現行の標準的な理学療法以上の積極的な運動リハビリテーションを、急性症状の初期に始めてはならないことを示すものであった」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年7月8日号掲載の報告より。