呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:337

NSCLCに対する術前化学療法の生存ベネフィットをメタ解析で確認/Lancet

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術前化学療法は、全生存率、無遠隔転移再発、無再発生存を有意に改善することが、英国・ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのSarah Burdett氏らNSCLC Meta-analysis Collaborative Groupの検討で明らかとなった。NSCLCに対する最良の治療選択肢は手術とされるが、治癒切除が可能な腫瘍は20~25%にすぎない。術前化学療法は、腫瘍を縮小させて手術可能例を増やし、微小転移を消失させる可能性があるが、手術の時期を遅らせ、無効の場合は腫瘍が切除不能となるリスクがある。術後化学療法の全生存率改善効果はメタ解析で確証されているが、術前化学療法については十分なエビデンスは示されていなかった。Lancet誌2014年5月3日号(オンライン版2014年2月25日号)掲載の報告。

何度もCOPD増悪を起こす患者にアジスロマイシンの維持療法は有効か

 アジスロマイシンによる維持療法はプラセボと比べて有意にCOPD増悪の頻度を減少させることから、増悪を頻繁に起こしやすい患者や標準治療では治りにくい患者への使用は考慮されるべきであることが、オランダのAmphia Ziekenhuis病院のSevim Uzun氏らにより報告された。The Lancet Respiratory Medicine誌 2014年5月号(オンライン版 4月15日号)の掲載より。  現在、マクロライド耐性が問題視されているため、COPD患者に対するマクロライドの維持療法については意見が分かれるところである。そこで、過去1年で3回以上の増悪を経験し、標準治療を行っているCOPD患者に対し、アジスロマイシンを追加した維持療法を行うことで、増悪の頻度が減少するかを調べた。

EGFR野生型の非小細胞肺がんに対するEGFR-TKIと化学療法を比較した初のメタアナリシス(コメンテーター:倉原 優 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(195)より-

このメタアナリシスは、INTEREST試験、IPASS試験などの有名な試験を含む11の研究において、EGFR野生型の非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)と通常の化学療法を比較解析したものである。

非小細胞肺がん治療の新規EGFR-TKI「ジオトリフ」薬価収載

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の肺がん治療薬ジオトリフ(一般名:アファチニブマレイン酸塩)が、2014年4月17日薬価収載された。適応症は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん。同社は、同日「ジオトリフ発売記者説明会」を開催。和歌山県立医科大学 山本 信之氏、国立がん研究センター中央病院 山崎 直也氏、神奈川県立循環器呼吸器病センター 加藤 晃史氏が、同薬剤の有効性および有害事象について紹介した。

EGFR野生型NSCLCにおける第1世代TKI vs. 化学療法/JAMA

 EGFR野生型(WT-EGFR)進行非小細胞肺がん(NSCLC)では、第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と比較して、従来化学療法のほうが、無増悪生存(PFS)の改善が有意であることが示された。全生存率も化学療法のほうが高かったが有意ではなかった。韓国・ソウル大学のJune-Koo Lee氏らによる無作為化試験11件のメタ解析の結果、示された。現行ガイドラインでは治療歴のあるNSCLC患者について、EGFR TKIと化学療法の両方を標準治療の選択肢として推奨している。しかし、WT-EGFRを有する患者においてEGFR TKIの有効性が化学療法と同程度であるのかについては、明らかになっていなかった。JAMA誌2014年4月9日号掲載の報告より。

新規ドライパウダー吸入器の特性および簡便性の質的評価

 喘息やCOPDなどの慢性呼吸器疾患では吸入療法による治療が行われる。そのため、吸入器の選択と患者の吸入手技は長期管理のアドヒアランスに影響し、さらに治療効果に影響を及ぼす。喘息およびCOPD患者へのインタビュー調査の結果、新たなドライパウダー吸入器(DPI)「エリプタ」は、他の吸入器と比べて満足度が高く好ましいものと認知されていることが、Henrik Svedsater氏らにより報告された。

特発性肺線維症(IPF)への挑戦

 2014年4月3日(木)都内にて、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社主催のもとメディアセミナー「呼吸器領域における難病への挑戦~特発性肺線維症(IPF)~」が開催された。当日は、自治医科大学呼吸器内科 教授 杉山幸比古氏、東邦大学医学部呼吸器内科学分野 教授 本間 栄氏が、特発性肺線維症(以下IPF)について、それぞれ疫学・病態、治療の進歩に関して講演した。

進行NSCLC1次治療のプラチナダブレット:VNR+CDDP vs DTX+CDDP

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、VNR+CDDP(VC療法)とDTX+CDDP(DC療法)の効果の同等性については議論の残るところである。中国・安徽省立医院のGuodong Shen氏らは、進行NSCLCの1次治療におけるVCとDC療法の比較を目的としてメタアナリシスを行った。Molecular and Clinical Oncology誌2014年1月2日号の掲載報告。

非小細胞肺がんに有望な新規ALK阻害薬/NEJM

 未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子(ALK)再構成を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、新しいALK阻害薬であるセリチニブは有望である可能性が示された。米国・マサチューセッツ総合病院のAlice T. Shaw氏らが、ALK阻害薬クリゾチニブ投与中に増悪した例を含む進行ALK再構成NSCLC患者を対象とした第I相臨床試験の結果、ALK耐性変異の有無にかかわらず高い活性が示された。ALK再構成NSCLCは、クリゾチニブに感受性を示すが、大多数の患者において耐性が生じる。セリチニブは、クリゾチニブよりも強い抗腫瘍効果を示すことが前臨床試験で示され、新たなALK阻害薬として期待されている。NEJM誌2014年3月27日号掲載の報告より。