呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:355

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療、プライマリ・ケアでも提供可能/JAMA

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療について、プライマリ・ケアでの提供が、睡眠専門医療施設での提供に匹敵することが、オーストラリア・フリンダース大学のChing Li Chai-Coetzer氏らによる無作為化非劣性試験の結果、示された。睡眠障害への気づきと受診を促す啓発活動や肥満者の増大でOSA治療のために専門施設を受診する患者が増え、戦略的な外来治療への関心が高まってきている。プライマリ・ケア受診患者の約3分の1にOSAの疑いがあるとの報告もあり、Chai-Coetzer氏らは、適切な訓練と簡便なマネジメントツールで、プライマリ・ケアでのOSA治療が提供可能か本検討を行った。JAMA誌2013年3月13日号掲載の報告より。

原発性自然気胸の再発をミノサイクリン胸膜癒着術が抑制/Lancet

 原発性自然気胸に対する単純吸引+ドレナージ施行後のミノサイクリンを用いた胸膜癒着術は、安全に実施可能で、単純吸引+ドレナージ単独よりも再発抑制効果が高いことが、国立台湾大学のJin-Shing Chen氏らの検討で明らかとなった。原発性自然気胸の標準的な初回治療は単純吸引とドレナージだが、文献的な1年後の再発率は約30%(16~52%)に達する。そのため、さまざまな治療アプローチの開発が進められており、化学物質の胸腔内注入による胸膜癒着術は手術患者、非手術患者の双方で再発を抑制することが示されている。Lancet誌オンライン版2013年2月18日号掲載の報告。

高頻度振動換気法、成人ARDS患者の30日死亡率を改善せず:OSCAR試験/NEJM

 急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)の治療において、高頻度振動換気法(high-frequency oscillation ventilation:HFOV)は従来の機械的換気法と30日死亡率が同等で、改善効果はないことが、英国・オックスフォード大学のDuncan Young氏らの検討で示された。ARDS患者は動脈血の酸素化を維持するために機械的人工換気を要するが、この治療法は2次的に肺傷害を引き起こすことがある。HFOVは、肺傷害のリスクの回避に有用な可能性があるという。NEJM誌オンライン版2013年1月22日号掲載の報告。

高頻度振動換気法により、成人ARDS患者の院内死亡率が上昇:OSCILLATE試験/NEJM

 中~重度の急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)の成人患者に対する早期の高頻度振動換気法(high-frequency oscillation ventilation:HFOV)による治療は、低1回換気量法(low tidal volume)や呼気終末高陽圧換気法(high positive end-expiratory pressure)を用いた治療戦略に比べ予後を改善しないことが、カナダ・トロント大学のNiall D. Ferguson氏らの検討で示された。ARDSは重症疾患で高頻度にみられる合併症で、死亡率が高く、生存例にも長期的な合併症をもたらすことが多い。いくつかの報告により、HFOVは成人ARDS患者の死亡率を抑制することが示唆されているが、これらの試験は比較群が旧式の換気法であったり、症例数が少ないなどの限界があるという。NEJM誌オンライン版2013年1月22日号掲載の報告。

新規結核ワクチンの有効性示せず:MVA85A 020 Trial Study/Lancet

 開発中の新規結核ワクチンMVA85Aは、BCG接種歴のある幼児において良好な安全性を示したものの、予想に反して結核の予防効果はほとんどないことが、南アフリカ共和国・ケープタウン大学のMichele D Tameris氏の検討で示された。2011年の世界の結核患者数は約870万人で、約140万人が結核が原因で死亡している。南アフリカのような流行地では、BCGが広く普及しているにもかかわらず、幼児、小児の結核発症率がきわめて高く、ワクチンの改良が喫緊の課題とされる。MVA85AはBCGの予防効果を増強するようデザインされ、結核の予防に重要と考えられる抗体特異的Th1細胞およびTh17細胞を誘導することが確認されているという。Lancet誌オンライン版2013年2月4日号掲載の報告。

喫煙女性の死亡率は非喫煙女性の約3倍、寿命は11年短い:Million Women Study/Lancet

 英国の中高年女性喫煙者の死亡原因の3分の2が喫煙に起因し、喫煙女性の死亡率は非喫煙女性の約3倍で、寿命は10年以上短いことが、英国・オックスフォード大学のKirstin Pirie氏らが実施したMillion Women Studyで示された。喫煙はいまだに予防可能な主要死因であり、英国や米国で1940年頃に生まれた女性は、成人以降の生涯を通じて多量の喫煙をした最初の世代である。それゆえ、21世紀のいまこそが、長期の喫煙や禁煙が英国人女性の死亡率に及ぼす影響を直接的に観察可能な時だという。Lancet誌2013年1月12日号(オンライン版2012年10月)掲載の報告。

世界の死因は過去20年で大きく変化、心疾患やCOPD、肺がんなどが主因に/Lancet

 1990~2010年の20年間の世界の死因別死亡率の動向について、米国・Institute for Health Metrics and EvaluationのRafael Lozano氏らがGlobal Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2010(GBD2010)の系統的解析を行い報告した。Lancet誌2012年12月15/22/29日合併号掲載の報告。  GBD2010において研究グループは、世界187ヵ国から入手可能な死因に関わるあらゆるデータ(人口動態、言語剖検、死亡率サーベイランス、国勢調査、各種サーベイ、病院統計、事件・事故統計、遺体安置・埋葬記録)を集め、1980~2010年の年間死亡率を235の死因に基づき、年齢・性別に不確定区間(UI)値とともに算出し、世界の死因別死亡率の推移を評価した。

プライマリ・ケアでのCOPD患者の自己管理・定期管理vs.通常ケア、長期ベネフィットは?/BMJ

 プライマリ・ケアでの慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のマネジメントについて、総合的自己管理や定期管理と、通常ケア(患者の判断で受診)とを比較した無作為化試験の結果、総合的自己管理や定期管理は通常ケアと比べて、QOLや効果の実感に関して長期的なベネフィットが示されなかったことが、オランダ・Radboud大学のErik W M A Bischoff氏らにより報告された。プライマリ・ケアでは特に、COPDに対して周到で効果的なマネジメント戦略が必要とされる。しかし、著者らは、ガイドラインに即した定期管理の効果には疑問の声もあり、総合的自己管理プログラムのベネフィットは示されているが、プライマリ・ケアでの効果は明らかではないとして本検討を行った。BMJ誌2012年12月1日号(オンライン版2012年11月28日号)掲載より。