呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:352

新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染による死亡3例の臨床像/NEJM

 中国・疾病管理予防センターのRongbao Gao氏らは、2013年3月に新型の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに感染していることが同定された3例の患者について、臨床像、患者背景、ウイルス学的情報について報告した。3例は上海および安徽の住民で、いずれも死亡に至った感染例である。NEJM誌オンライン版2013年4月11日号掲載の報告より。

禁煙で体重が増えても心血管疾患リスクは減少/JAMA

 非糖尿病者では、禁煙により心血管疾患(CVD)のリスクが大きく低下する一方で体重の増加がみられるが、禁煙による心血管ベネフィットは体重増加では損なわれないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のCarole Clair氏らの検討で明らかとなった。米国では喫煙は予防可能な死亡の主要因とされ、CVDの重要なリスク因子である。禁煙によりCVDリスクは実質的に低減するが、禁煙の数少ない有害作用に体重増加があり、肥満もCVDのリスク因子であることから、禁煙を考慮中の喫煙者の高い関心を呼んでいる。JAMA誌2013年3月13日号掲載の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(84)〕 「先生、禁煙すると太るからいやです!」 この患者さんにどう説明しますか?

 「たばこを止めたら太っちゃった!先生それでも大丈夫なんですか?」と尋ねられた経験が一度ならずある、という医師は多いであろう。メタボの怖さを患者に説得している医師にとって、この手の質問に「太っても心配ない」と自信を持って答えられるだけの資料を、医師側はこれまで無かった。

非CF性気管支拡張症への長期低用量エリスロマイシン、急性増悪を抑制/JAMA

 オーストラリア・メーター成人病院のDavid J. Serisier氏らによる無作為化試験の結果、非嚢胞性線維症性(non-CF)気管支拡張症患者において、低用量エリスロマイシンの長期投与はプラセボと比較して、わずかではあるが有意に急性増悪を抑制することが報告された。一方で耐性菌の増大も確認された。これまでエリスロマイシンのようなマクロライド系抗菌薬は、non-CF気管支拡張症の臨床アウトカムを改善する可能性が示唆され、一方で耐性菌のリスクについて明らかではなかった。JAMA誌2013年3月27日号掲載の報告より。

タバコの煙に対する感受性と歯周病に関係はあるのか?

 タバコの煙に対する感受性と歯周病に特徴的な関係はみられないことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJan Bergstrom氏らにより報告された。しかしながら、喫煙者において、歯周病の進行と肺が破壊される病理的プロセスには共変動がみられたとも言及している。これまで、タバコに対する感受性が高いことで発症するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と歯周病の関係についてはあまり検討されていなかった。

抗菌薬治療でCOPD急性増悪例、市中肺炎患者の心血管イベントが増加/BMJ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪例や市中肺炎患者に対するクラリスロマイシン(商品名:クラリスほか)治療により、心血管イベントが有意に増加することが、英国・ナインウェルス病院(ダンディー市)のStuart Schembri氏らの検討で示された。英国では、COPD急性増悪と市中肺炎は入院の主原因であり、治療にはクラリスロマイシンが頻用されている。同薬投与中に心血管イベントが増加する可能性が観察試験で示唆されており、短期投与により冠動脈心疾患患者の心血管死が増加したとする無作為化対照比較試験の結果が知られているが、呼吸器感染症の治療に用いた場合の心血管イベントに及ぼす影響はこれまで不明であった。BMJ誌オンライン版2013年3月21日号掲載の報告。

アジスロマイシン、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の感染増悪を抑制/JAMA

 非嚢胞性線維症性(non-CF)の気管支拡張症の維持療法として、マクロライド系抗菌薬であるアジスロマイシン(商品名:ジスロマック)の12ヵ月間毎日投与法が有用なことが、オランダ・アルクマール医療センターのJosje Altenburg氏らが実施したBAT試験で示された。気管支拡張症では、小~中径の気管支にX線画像上特徴的な病的拡張と粘膜肥厚を認め、気管支壁の構造的異常により下気道クリアランスが低下して慢性的な細菌感染や炎症を来すという悪循環を呈する。マクロライド系抗菌薬は嚢胞性線維症やびまん性汎細気管支炎に対する効果が示されているが、non-CF気管支拡張症にも有効な可能性が示唆されている。JAMA誌2013年3月27日号掲載の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(75)〕 プライマリ・ケア医による閉塞性睡眠時無呼吸の管理は、睡眠専門施設に劣らない

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の診断と重症度評価は、睡眠センターにおける終夜睡眠ポリグラフ(PSG)によってなされてきた。近年、入院せずに在宅で行う簡易モニターの有用性が示され、代表的な治療法であるCPAPも自動的に圧調節が可能となり、適正圧の決定ができるようになってきた。しかし、OSA患者の管理が、睡眠センターの専門医ではなく、プライマリ・ケアを担当する医師と看護師でも可能であるかは明らかでない。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療、プライマリ・ケアでも提供可能/JAMA

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療について、プライマリ・ケアでの提供が、睡眠専門医療施設での提供に匹敵することが、オーストラリア・フリンダース大学のChing Li Chai-Coetzer氏らによる無作為化非劣性試験の結果、示された。睡眠障害への気づきと受診を促す啓発活動や肥満者の増大でOSA治療のために専門施設を受診する患者が増え、戦略的な外来治療への関心が高まってきている。プライマリ・ケア受診患者の約3分の1にOSAの疑いがあるとの報告もあり、Chai-Coetzer氏らは、適切な訓練と簡便なマネジメントツールで、プライマリ・ケアでのOSA治療が提供可能か本検討を行った。JAMA誌2013年3月13日号掲載の報告より。