ドイツのベーリンガーインゲルハイムは2014年5月18日NEJMに発表された特発性肺線維症(IPF)を対象とした第3相臨床試験結果の内容を発表。Nintedanib(BIBF1120)が特発性肺線維症(IPF: Idiopathic Pulmonary Fibrosis)の病勢進行を遅らせることが明らかになったという。
New England Journal of Medicine誌のオンライン版に 5月18日に発表された第3相INPULSISTM試験の結果において、NintedanibがIPF患者病勢進行を有意に遅らせることが示された。1,066例が参加した2つの52週間にわたるINPULSISTM試験において、Nintedanibはプラセボと比較して、努力性肺活量(FVC)の年間減少率を約50%有意に抑制した。2つの試験におけるFVCの年間減少率は以下のとおり。
・ INPULSISTM-1: -114.7mL(Nintedanib)vs. -239.9mL(プラセボ)
・ INPULSISTM-2: -113.6mL(Nintedanib)vs. -207.3mL(プラセボ)
INPULSISTM-1試験では、主要な副次評価項目においてNintedanibとプラセボ群に統計的有意な差はみられなかった。しかし、INPULSISTM-2試験ではプラセボと比較して、Nintedanibを服用した患者は、健康関連QOL(St.George's Respiratory Questionnaire)スコアが有意に低下し、初回の急性増悪のリスクも低下した。
Nintedanib群で最も頻度の高かった有害事象は下痢で、Nintedanib群、プラセボ群で62% vs. 19%(INPULSISTM-1試験)、63% vs. 18%(INPULSISTM-2試験)であった。Nintedanib群で下痢を理由に治療を中止した患者は5%未満であった.
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(ケアネット 細田 雅之)